Scarlett 18i20 (4th Gen) は、Focusrite の Scarlett シリーズで最も入力の多い機種です。2in2out や4in4out のオーディオインターフェイスでは足りなくなった人が、次に検討する大きさになります。
選ぶ理由は3つです。
1. マイクプリアンプが8基ある。 ドラムを複数のマイクで録る、バンドを一発録りする、複数人の声を同時に録る。こうした場面では、必要なマイクプリの数がそのまま入力数の制約になります。公式ページによれば、この機種は8基を内蔵し、ファンタム電源も独立しています。
2. ADATで入力をさらに増やせる。 ADAT入力を2系統持ち、44.1/48kHzで16ch、96kHzで8chを受けられます。ADAT出力を持つ外部のプリアンプをつなげば、その分だけ入力が増えます。
3. レベル合わせを機械に任せられる。 Auto Gain は複数の入力を対象に、演奏を聴かせると適正なゲインを自動で決めます。8本ぶんをツマミで追い込む手間が減ります。
反対に、弱点も先に挙げておきます。専用のゲインツマミがないこと、バスパワーでは動かず外部電源が要ること、約93,000円という価格です。買わない理由は、後半の節にまとめました。
2in2out クラスの選び方はオーディオインターフェイスの選び方で説明しています。ここでは、入力が多い機種に絞った軸を置きます。
すべて Focusrite 公式ページの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入出力 | マイクプリ8基・楽器入力2・ライン入力8/ライン出力10(バランス)/ヘッドホン出力2/同時入出力 26×26 |
| デジタル入出力 | ADAT入出力各2(16ch@44.1/48kHz、8ch@96kHz)/S/PDIF入出力各1/MIDI入出力各1 |
| 解像度 | 24bit / 192kHz(44.1〜192kHz) |
| ゲイン範囲 | マイク・ライン69dB/楽器62dB |
| ダイナミックレンジ | マイク116dB/ライン出力122dB(A特性) |
| マイク入力ノイズ(EIN) | -127dBu(A特性) |
| THD+N | マイク・ライン入力 -100dB |
| 接続・電源 | USB Type-C(USB 2.0)/外部電源 30W/バスパワー非対応 |
| サイズ・重量 | 442×259.73×46.55mm(1U、ラックイヤー付属)/3.304kg |
| 主な機能 | Air(2段)/Auto Gain/Clip Safe/ループバック/トークバックマイク |
数値のままでは判断しづらいので、効いてくる項目を訳します。
マイクプリ8基・同時入出力26×26。 8本のマイクを同時に立てられる、という意味です。26×26は公式ページの同時入出力の表記で、製品名の「18i20」より大きい数字です。ADATで使えるチャンネル数はサンプルレートで変わり、96kHzでは8chに減るので、高いサンプルレートで録るなら入力数も減る点は意識してください。
ゲイン69dB。 出力の小さいダイナミックマイクでも、音量が足りなくなりにくい余裕です。
ダイナミックレンジ116dB(マイク)。 一番小さい音と大きい音の差です。宅録では部屋のノイズが先に問題になるため、足りているかを確認する項目で、上を追う意味は薄めです。
外部電源30W・バスパワー非対応。 USBケーブル1本では動かず、付属の電源が必要です。持ち歩く使い方は想定されていません。据え置きかラックに収めて使う機材です。
1U・ラックイヤー付属。 机に置いても、19インチラックに収めても使えます。幅442mmと大きいため、机に置くなら設置場所を先に測ってください。
Auto Gain と Clip Safe。 2i2 などの小型機と同じ仕組みが、8基のマイクプリにも使えます。Auto Gain は10秒間の演奏を聴いて適正なゲインを決め、Clip Safe は音が割れそうになるとゲインを自動で下げます。Sound On Sound のレビューは、この2つは入力の多い大型機でこそ役に立つと見ています。
ツマミがない代わりに、パソコンとアプリで操作する。 レビューによると、この機種にはゲインを入力ごとに回す専用のツマミがありません。1つの操作部で、選んだ入力のゲインを切り替えながら調整する方式です。複数の入力のゲインを同時に動かせない点を欠点とする声があります。細かい追い込みは、Focusrite Control 2(デスクトップとモバイルのアプリ)で行います。
Air と、キューミックス。 Air は高域の質感を足す2段のモードです。モニター用のミックスは、Focusrite Control 2 のミキサーで組みます。Sound On Sound によれば、キューミックス用のタブは6つあります。ヘッドホン出力は2系統あり、トークバックマイクも内蔵します。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥93,000 | 2026.10.09 取得時点の新品実売価格(サンフォニックス楽天市場店。複数店で同額) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | 「Focusrite Scarlett 18i20 4th Gen」での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「Focusrite Scarlett 18i20 Gen4」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。旧世代の18i20と名前が近い商品が混ざるため、商品名に「4th Gen」が入っているかの確認をおすすめします。
8基は不要で、同時に録るマイクが4本前後までなら、価格を大きく下げられます。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Audient iD44 MKII | ¥84,700 | マイクプリ4基で足り、コンソール由来のプリアンプとADATの拡張性を重視する人 |
| TASCAM US-4x4HR | ¥44,000 | マイクを3〜4本同時に録りたいが、予算は5万円以内に抑えたい人 |
| Focusrite Scarlett 4i4 (4th Gen) | ¥39,800最安 | マイクは2本で足り、ライン入力や出力を増やしたい人。Scarlettの操作感をそのまま引き継ぎたい人 |
(価格はいずれも各機種のレビューに記載した実売価格。取得日はそれぞれ2026.09.29、2026.09.10、2026.09.09)
分かれ目はマイクの本数です。2本ならScarlett 4i4、4本までならUS-4x4HRかiD44 MKIIで足ります。5本以上を同時に録る可能性が少しでもあるなら、買い直しを避けるために18i20のような8基の機種が候補に入ります。
評価の中心は、音の良さと、入出力の豊富さに見合う価格のバランスです。Sound On Sound は、仕様と音質が2〜3倍の価格帯の機種と大きく変わらないと見ています。KVR Audio はマイクプリとコンバーターがクリーンで、Air の新しい2段目がボーカルやポッドキャストで有用だと評価し、Performer Mag はマイクプリの静かさと、Auto Gain が複数のマイクで安定して働く点を挙げています。
不満は、レビュー間でほぼ一致しています。専用のゲインツマミがなく、選んだ入力を1つの操作部で切り替える方式のため、複数の入力を同時に動かせない点です。KVR Audio は出力が DC カップリングではない点も欠点とし、シンセ中心の環境にはADAT経由の別機器が必要になると書いています。Sound On Sound は、モニターコントロールが簡素で、aux センドなどの内蔵処理もないと整理しています。
価格は評価が割れます。Frieve は、同じ18入力20出力の PreSonus Studio 1824c との実用上の音質差は小さいとして、約93,000円と約57,750円の差を挙げ、コスト面を厳しく見ています。
楽天市場のレビューは取得時点で投稿が見当たらず、国内の評価傾向は不明です。音質への不安は薄く、ゲインを物理ツマミで追い込みたいか、価格差に見合う入力数が要るかが判断の分かれ目です。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は各表に記載しています。
評判の参照元: