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オーディオインターフェイス / REVIEW

コンソール由来のマイクプリを4基、ADATでさらに広げられる本格構成|
20in/24outの余裕と、4基のAudientコンソール・プリアンプ、2系統のヘッドホン出力を1台にまとめる

2026.09.29 公開
コンソール由来のマイクプリを4基、ADATでさらに広げられる本格構成
MODEL
iD44 MKII
CONCLUSION
バンドの一発録りや複数人での同時収録まで見据えるなら、Audient iD44 MKIIが候補になります。理由は3つです。放送・レコーディング用コンソールで培われた回路をそのまま積んだAudient Console Mic Preampを4基搭載していること、ADAT/S/PDIFで最大20in/24outまで拡張できること、独立した2系統のヘッドホン出力(1系統は標準フォーン+ミニジャックの2口)で複数人が別々のモニターを聴けることです。ただしマイクプリアンプのゲインは手動調整が基本で、自動化されたレベル合わせ機能はありません。

4人同時録音とADAT拡張までを1台に任せる理由CONCLUSION

Audient iD44 MKIIは、同社のiD14 MKIIをさらに上位に置いた、20in/24outのオーディオインターフェイスです。放送局やレコーディングスタジオ向けの大型ミキシングコンソールを作ってきたAudientの回路設計を、この価格帯の機種にそのまま移植しています。

選ばれる理由は3つです。

1. コンソール由来のマイクプリアンプを4基。 Audient Console Mic Preampは、同社のASP8024-HEコンソールと同じディスクリート回路設計です。4基とも同じ回路のため、複数のマイクを同時に使っても音の質感が揃います。

2. ADAT/S/PDIFによる20in/24outへの拡張。 本体だけでも4つのアナログ入力を持ちますが、ADAT対応の外部プリアンプを足すと、44.1〜48kHzで最大16ch、88.2〜96kHzでも8ch(SMUX)まで入力を増やせます。

3. 独立した2系統のヘッドホン出力。 両方とも600Ω駆動に対応し、1系統目は標準フォーンとミニジャックの2口を持つため、最大3台のヘッドホンを同時接続できます。演奏者とエンジニアが別々のモニターで作業する環境に向きます。

一方で、ゲイン調整は手動が基本です。Focusrite Scarlettシリーズのような自動レベル合わせ機能は搭載していません。

iD14 MKIIとiD44 MKIIのどちらを選ぶかCRITERIA

比較の軸は3つです。

  • 同時に録音する人数・入力数が2を超えるか。 iD14 MKIIはマイク入力2系統ですが、iD44 MKIIは4系統です。バンドの一発録りやポッドキャストの複数人収録では、この差がそのまま可否に直結します。
  • 将来的にADATで拡張する予定があるか。 iD44 MKIIはADAT対応の外部プリアンプを足して最大20in/24outまで広げられます。まず4系統で足りるなら、この拡張性は使わない機能になります。
  • ヘッドホン出力を複数系統・複数台に分けたいか。 iD44 MKIIは2系統・最大3台接続に対応します。1人での作業が中心なら、この余裕は持て余す可能性があります。

スペックの要点SPEC

Audient公式の技術仕様ページの記載に基づく数値です。

項目内容
総入出力20in/24out(アナログ4in/8out、デジタル16in/16out)
マイクプリアンプ4基(Audient Console Mic Preamp)
マイクゲイン0〜+60dB(技術仕様ページ記載。製品概要ページでは「70dBゲイン」という表記もある)
楽器入力(JFET)2系統
ラインゲイン-10〜+50dB
ラインアウト4系統(DAC 1-4)
ヘッドホン出力2系統(600Ω駆動対応。Headphone 1は標準フォーン+ミニジャックの2口)
ADAT16ch(44.1〜48kHz)/8ch SMUX(88.2〜96kHz)
S/PDIFステレオ(44.1〜96kHz)
ADCダイナミックレンジ120dB A-Weighted
DACダイナミックレンジ124dB(un-weighted)/126dB(A-Weighted)
コンバータ32bit AD/DA(公式ページ記載)
接続USB Type-C(USB 2.0 High Speed)
電源12VDC専用ACアダプター(2A、センタープラス)。バスパワー非対応
サイズ幅276mm×高さ51mm×奥行174mm

数字のままでは判断しづらいので、効いてくる項目を訳します。

マイクゲイン0〜+60dB。 Audientの製品概要ページでは「70dBゲイン」という表現も使われていますが、技術仕様として明記されている数値は60dBです(iD14 MKIIでも同様の表記差があります)。出力の小さいダイナミックマイクでも音量不足に困りにくい水準です。

ADATで最大16ch追加。 本体だけでは4つのアナログ入力ですが、外部プリアンプを足すと44.1〜48kHzで最大16ch、88.2〜96kHzでは8chまで拡張できます。ドラムなど多点録音が必要になったときに、本体を買い替えずに拡張できます。

ヘッドホン出力2系統・600Ω駆動対応。 インピーダンスの高いモニターヘッドホンでも駆動できる設計です。Headphone 1は標準フォーンとミニジャックの2口があるため、最大3台のヘッドホンを同時に接続できます。

外部電源が必須。 iD14 MKIIのようなバスパワー駆動ではなく、12VDC・2Aの専用ACアダプターで動作します。入出力数の多さに合わせて電源も独立させた設計です。持ち出し先でコンセントを確保できるかを、購入前に確認しておく必要があります。

コンソール由来のプリアンプとヘッドホン2系統FEATURES

iD44 MKIIの中核は「Audient Console Mic Preamp」と呼ばれるマイクプリアンプです。Audientは大型ミキシングコンソールを作ってきたメーカーで、その回路設計をこの価格帯のインターフェイスに移植しています。4基すべてが同じ回路のため、バンド一発録りのように複数のマイクを同時に使う場面でも、チャンネル間の音の質感が揃います。

バランスドインサート。 チャンネル1・2にはフルバランスのインサートループがあり、プリアンプ後・コンバータ前という正確な位置に外部の実機コンプやEQを挿入できます。

Audio Loop-back機能。 パソコンで再生している音源をマイク入力とは別トラックに同時録音できる機能です。配信やナレーション収録で、内部音声と生の音を分けて録りたい場面に向いています。

モニターコントロールとトークバック。 スピーカーの切り替え、位相反転、モノサム、ダイム・ミュートといった機能を本体のボタンに割り当てられます。専用のトークバックボタンも備えており、レコーディング時のディレクション用途に使えます。

どこで買うかPRICE

ストア税込状況購入
楽天市場¥84,7002026.09.29 取得時点の実売価格楽天市場で見る
Amazonリンク先で確認JAN 5060374260450 での検索結果を開きますAmazonで見る
サウンドハウスリンク先で確認「Audient iD44 MKII」での検索結果を開きますサウンドハウスで見る

同じ製品でも、店舗によって実売価格に幅があります(2026.09.29時点で税込8万円台前半〜12万円台まで確認)。価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。

同価格帯の3台と比べるALTERNATIVES

機種税込向いている人
Universal Audio Volt 476¥62,700最安4系統の入力で足り、価格を抑えたい人。詳しくはVolt 476の単体レビューで解説しています
Focusrite Scarlett 18i20 (4th Gen)¥93,000同程度の拡張性を、Auto Gainなど自動化機能込みで求める人
RME Fireface UCX II¥242,000コンバータの評価とルーティングの自由度を最優先したい人

(価格はいずれも2026.09.29時点の楽天市場での実売価格)

分かれ目は「拡張性をどこまで求めるか」と「価格」です。4系統の入力で足り価格を抑えたいならVolt 476、同程度の入出力数を自動化機能込みで求めるならScarlett 18i20、コンバータの評価とルーティングの自由度を最優先したいならFireface UCX II、コンソール由来のプリアンプの質とADATでの拡張余地を軸に選ぶならiD44 MKIIという並びになります。iD44 MKIIとVolt 476の価格差はおよそ3.2万円あり、この差の大半はマイクプリアンプの基数(2基→4基)とADAT拡張性に対する価格です。

使った人は何と言っているかREPUTATION

海外メディアのレビューでは、プリアンプとコンバータの音質面が高く評価されています。MusicTechは、Audientのコンソール由来のマイクプリアンプについて、繊細で色付けが少なく、わずかなアナログの温かみを持つレスポンスだと評価し、コンバータの改良によって総合的な歪みとノイズが9dB改善された点を挙げ、価格が2倍以上するインターフェイスに匹敵する音質だとしています。MusicRadarも同様に音質面を最大の魅力として挙げ、価格に対して質の高い製品だという評価をしています。Gearspaceのユーザーレビューでは、アルバム数枚分の録音を経ても音の透明感に不満はないという声があります。

一方で不満点も指摘されています。MusicTechは、本体のアサイナブルボタンに割り当てられる機能が3つしかなく、カスタマイズの自由度が限定的だとしています。またiD14 MKIIと同様に、付属アプリ「iD」のドライバに関する不具合報告がGearspaceのフォーラムに見られ、認識不良やスリープ復帰後の接続断が過去に報告されています。本体のアナログ回路への評価は安定して高く、不満は主にアサイナブル機能の少なさとアプリ側の細かな挙動に集中しています。

実務的には、プリアンプとコンバータの質を重視する人に向く一方、外部電源が必須のため設置場所とACアダプターの取り回しを見込んでおく必要があります。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • マイク入力が2系統で足りる人。 4基のプリアンプとADAT拡張性はiD44 MKIIの強みですが、使わない入出力のために価格を上乗せすることになります。iD14 MKIIのような機種のほうが合理的です。
  • レベル合わせを機材に自動化してほしい人。 iD44 MKIIのゲインは手動調整が基本です。Auto Gainのような自動化機能を重視するなら、Focusrite Scarlettシリーズのほうが向きます。
  • バスパワーで身軽に持ち出したい人。 iD44 MKIIは12VDCの専用ACアダプターが必須で、USBバスパワーには対応していません。設置場所でコンセントを確保できない使い方には向きません。

次に読むNEXT

スペックの出典SOURCES

  • Audient公式 iD44技術仕様ページ https://audient.com/products/audio-interfaces/id44/tech-specs/
  • Audient公式 iD44製品概要ページ https://audient.com/products/audio-interfaces/id44/overview/

価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.09.29時点)。

評判の参照元:

  • MusicTech「Audient iD44 MKII review: I/O quality over quantity」 https://musictech.com/reviews/studio-recording-gear/audient-id44-mkii-review/
  • MusicRadar「Audient iD44 MkII review」 https://www.musicradar.com/reviews/audient-id44-mkii
  • Gearspace「Audient iD44 MKII」 https://gearspace.com/board/reviews/1384545-audient-id44-mkii.html

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