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オーディオインターフェイス / REVIEW

入力を減らさずに、コンソール由来のプリアンプを持ち帰る|
10in/6outの余裕と、静かなプリアンプを両立させる

2026.09.07 公開
入力を減らさずに、コンソール由来のプリアンプを持ち帰る
MODEL
iD14 MKII
CONCLUSION
入出力を減らさずに、静かで質のいいマイクプリアンプが欲しい人には、Audient iD14 MKIIが候補になります。10in/6outという多めの入出力を確保しながら、大型ミキシングコンソールで培われたマイクプリアンプを積んでいること、ADATで拡張できること、この2点が理由です。

入出力を削らずに、質を上げるという選択CONCLUSION

オーディオインターフェイスを選ぶとき、入出力数を増やそうとすると価格が跳ね上がり、価格を抑えようとすると入出力が足りなくなる、という綱引きがよく起こります。Audient iD14 MKIIは、この綱引きの中で「入出力はそこそこ多いまま、プリアンプの質を上げる」という位置取りをしている機種です。

選ばれる理由は2つです。

1. 10in/6outという余裕のある入出力。 2つのマイクプリアンプに加えてJFET楽器入力、ADATによる拡張入力、4系統のライン出力、2系統のヘッドホン出力を備えています。マイク2本だけでなく、外部プリアンプやシンセなどを後から足していく余地があります。

2. 大型コンソール由来のマイクプリアンプ。 Audientは放送局やレコーディングスタジオ向けの大型ミキシングコンソールを作ってきたメーカーです。iD14 MKIIのマイクプリアンプは、その設計を小型インターフェイスに移植したものです。

何を軸に選ぶかCRITERIA

比較の軸を先に決めます。この価格帯のインターフェイスを選ぶときに効いてくる条件は主に3つです。

  • 入出力に余裕が要るか。 マイク2本だけで足りるのか、将来的にADATで外部プリアンプやシンセを足す予定があるのかで、必要な機種が変わります。
  • プリアンプの質にこだわりたいか。 価格を抑えた機種でも録音自体はできますが、静かで色付けの少ないプリアンプを求めるなら、その出自(どんな回路を持つメーカーが作っているか)が判断材料になります。
  • ヘッドホン出力を複数系統使うか。 演奏者とエンジニアが別々のモニターで作業するなら、ヘッドホン出力の系統数が効いてきます。

iD14 MKIIはこの3つのいずれにも余裕を持って応えられる機種です。

スペックの要点SPEC

Audient公式の技術仕様ページと製品マニュアルの記載に基づく数値です。

項目内容
入出力10in/6out(マイクプリアンプ2・JFET楽器入力1・ADAT拡張入力、ライン出力4・ヘッドホン出力2)
マイクプリアンプ ゲイン幅58dB
ADCダイナミックレンジ120dB A-Weighted
DACダイナミックレンジ125.5dB A-Weighted
デジタル入力ADAT(8ch・44.1〜48kHz/4ch・88.2〜96kHz)、S/PDIF(ステレオ・44.1〜96kHz)
コンバータ32bit AD/DA(公式ページ記載)
接続・電源USB-C・バスパワー(USB3.0ポート推奨、最大1.5A@5V)
サイズ幅173mm×奥行120mm×高さ約40〜62.1mm(コントロールパネルの傾斜により前後で高さが異なる)
保証1年間(製造上の欠陥が対象)

数字のままでは判断しづらいので、効いてくる項目を訳します。

マイクプリアンプ ゲイン幅58dB — マイクが拾った小さな信号をどこまで持ち上げられるかの上限です。出力の小さいダイナミックマイクを使う場合でも、音量不足に困りにくい水準です。Audientの製品ページでは「68dBのゲイン」という表現も使われていますが、技術仕様として明記されている数値は58dBです。

ADAT拡張で最大8ch追加。 本体だけでは2つのマイク入力ですが、ADAT対応の外部プリアンプを足すと、44.1〜48kHzで最大8ch、88.2〜96kHzでは4chまで入力を増やせます。ドラムなど多点録音が必要になったときに、本体を買い替えずに拡張できます。

ヘッドホン出力2系統・600Ω駆動対応。 インピーダンスの高い(音量が出にくい)モニターヘッドホンでも駆動できる設計です。出力が独立した2系統あるため、演奏者とエンジニアが別々のミックスで同時にモニターできます。

バスパワー駆動・USB3.0ポート推奨。 外部電源が要らずUSBケーブル1本で動きますが、最大1.5A@5Vを要求するため、電力の弱いUSBハブでは動作が不安定になる可能性があります。パソコン本体のUSB3.0以上のポートに直接つなぐのが基本です。

コンソール由来のプリアンプとループバックFEATURES

iD14 MKIIの中核は「Audient Console Mic Preamp」と呼ばれるマイクプリアンプです。Audientは大型ミキシングコンソールを作ってきたメーカーで、その回路設計をこの価格帯のインターフェイスに移植しています。

Audio Loop-back機能 も備えています。パソコンで再生している音源をマイク入力とは別トラックに同時録音できる機能で、配信やナレーション収録で内部音声と生の音を分けて録りたい場面に向いています。

ScrollControl。 本体のiDノブを、対応DAWのパラメータを操作する仮想スクロールホイールとして使える機能です。マウスを持ち替えずに、ノブを回すだけでミキサーのフェーダーなどを操作できます。

どこで買うかPRICE

ストア税込状況購入
楽天市場¥51,7002026.10.19 取得時点の実売価格楽天市場で見る
Amazonリンク先で確認JAN(バーコード) 5060374260429 での検索結果を開きますAmazonで見る
サウンドハウスリンク先で確認「Audient iD14 MKII」での検索結果を開きますサウンドハウスで見る

同じ製品でも、店舗によって実売価格に幅があります(2026.09.07時点で税込3万円台後半〜5万円台まで確認)。価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。

同価格帯の3台と比べるALTERNATIVES

機種税込向いている人
Audient iD4 MKII¥28,850最安入力は1系統で足り、大型ノブによる操作性を重視する人
Focusrite Scarlett 4i4 (4th Gen)¥39,800Auto Gainなど自動化されたレベル合わせを重視する人
MOTU M4¥47,960液晶メーターでの視認性や、Ultra-Lynxコンバータの音質評価を重視する人

(価格はいずれも2026.09.07時点の楽天市場での実売価格)

分かれ目は単純です。入力が1系統で足りるならiD4 MKII、アナログ入力を4つ揃えて自動化されたレベル合わせも欲しいならScarlett 4i4、iD14 MKIIはアナログ入力自体は2系統に絞りつつ、コンソール由来のプリアンプの質とADATでの拡張余地で選ぶ機種です。価格はScarlett 4i4とほぼ並び、MOTU M4より抑えられています。将来的に外部プリアンプを足す前提があるなら、この3台の中でiD14 MKIIが最も伸びしろがあります。

使った人は何と言っているかREPUTATION

海外メディアの評価では、プリアンプの静かさと透明感が繰り返し評価されています。Gearspaceのユーザーレビューでは、色付けの少ない素直なプリアンプで、インターフェイス内蔵のマイクプリに期待する働きをそのまま果たすという評価が述べられています。ヘッドホンで聴いてもヒスノイズがほとんど判別できないという指摘もあり、ノイズフロアの低さが具体的な数値(-131dBu(A)程度)とともに紹介されています。Tape Opのレビューでも、Audientのアプリをインストールしてから数秒で録音・再生が始められたという初期セットアップの手軽さと、コンバータの音質面での評価が高く、価格に対して優れたインターフェイスだという評価が目立ちます。

一方で、繰り返し名前が挙がるのはドライバ・付属アプリ「iD」の安定性です。Gearspaceのフォーラムには、長年問題なく使えていたiD14が突然認識されなくなったという投稿や、パソコンのスリープ復帰後にUSB接続が切れ、ケーブルを挿し直すと復帰するという報告があります。Audient自身の変更履歴でも、アプリ起動後にメイン音量が変わってしまう不具合や、モノラル選択時にCUEミックスが動作しない不具合など、複数の修正が記録されています。

本体のアナログ回路(プリアンプ・コンバータ)への評価は安定して高く、不満は主にドライバ・アプリ側の細かな挙動に集中しています。購入後にドライバの動作が不安定に感じた場合は、最新のiDドライバへの更新と、他社インターフェイスの古いドライバが残っていないかの確認が実務的な最初の一手です。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • マイク入力が1つあれば足りる人。 10in/6outの余裕はiD14 MKIIの強みですが、使わない入出力のために価格を上乗せすることになります。iD4 MKIIのような1系統機種のほうが合理的です。
  • レベル合わせを機材に自動化してほしい人。 iD14 MKIIのゲインは手動調整が基本です。Auto Gainのような自動化機能を重視するなら、Focusrite Scarlettシリーズのほうが向きます。
  • ドライバやアプリのトラブルシューティングに時間を割きたくない人。 本体の音質面への不満は少ない一方、付属アプリの細かな不具合報告があります。パソコン環境をいじる作業に抵抗がある人は、セットアップの手間を見込んでおく必要があります。

スペックの出典SOURCES

  • Audient公式 iD14技術仕様ページ https://audient.com/products/audio-interfaces/id14/tech-specs/
  • Audient公式 iD14製品概要ページ https://audient.com/products/audio-interfaces/id14/overview/
  • Audient公式 iD14 MKIIマニュアル(V1.3) https://d9w4fhj63j193.cloudfront.net/2021/iD14MKII/English/iD14%20MKII%20Manual%20V1.3.pdf

価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.10.19時点)。

評判の参照元:

  • Gearspace「Audient iD14 MKII - User review」 https://gearspace.com/board/reviews/1365695-audient-id14-mkii.html
  • Tape Op「Audient iD14 mkII Review」 https://tapeop.com/reviews/gear/144/id14-mkii-interface
  • Gearspace「Audient ID14 driver problem...advice?」 https://gearspace.com/board/music-computers/1344312-audient-id14-driver-problem-advice.html
  • Audient公式 iDドライバ変更履歴 https://support.audient.com/hc/en-us/articles/206634065-iD-Driver-Change-Log

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