MOTU M4は、同社のM2をひと回り大きくした4in4outのオーディオインターフェイスです。型番の「4」は入力の数だけでなく出力の数も指しています。ここがM2との一番の違いです。
M4が向いているのは、次の2つの条件のどちらかに当てはまる人です。
1. モニタースピーカーを2組使い分けたい。 M4はTRSバランス出力を4系統備えています。1〜2chをメインのモニターに、3〜4chをサブのモニターやヘッドホンアンプに配線すれば、DAW側の出力先を切り替えるだけで2組のスピーカーを使い分けられます。RCA出力はこれとは別に、TRS 1〜2chと同じ信号をミラーで出すための端子で、家庭用スピーカーへの同時出力に使います。
2. 同時に3〜4系統を録りたい。 コンボ入力2系統(マイク/ライン/Hi-Zギター)に加えて、ライン入力がさらに2系統あります。ボーカルとギターを同時に録りながら、シンセなどライン楽器の音も一緒に録る、といった組み方ができます。
この2つに当てはまらず、入力・出力とも2系統で足りるなら、価格の低いM2で十分です。
MOTU公式サイトの記載に基づく数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入出力 | 4 in / 4 out(コンボ入力×2[マイク/ライン/Hi-Zギター]、バランスライン入力×2、TRSバランス出力×4、RCA出力×4[ミラー]、ヘッドホン×1、MIDI IN/OUT) |
| サンプリングレート | 44.1kHz〜192kHz |
| ダイナミックレンジ(A-weighted) | ライン出力120dB/ライン入力115dB/マイク入力115dB/ヘッドホン出力115dB |
| マイク入力ノイズ(EIN) | -129dBu(最小ゲイン時) |
| 接続・電源 | USB-C・バスパワー |
| サイズ・重量 | 約209.6×108×44.5mm・約0.7kg |
TRSバランス出力×4 — M2はTRS出力が2系統、RCA出力はその信号をミラーするだけです。M4はTRS出力そのものが4系統あるため、3〜4chをM2にはない「2組目の独立した出力」として使えます。ここが価格差の実質的な中身です。
ダイナミックレンジ120dB(ライン出力) — 「一番小さい音と一番大きい音の差」です。M2と同じ数値で、この価格帯として不足はありません。
EIN -129dBu — マイク入力自体が生み出すノイズの少なさを示す数値です。M2と共通のプリアンプ設計で、宅録でゲインを上げて録る場面でもノイズが目立ちにくい水準です。
重量約0.7kg — M2(0.61kg)よりわずかに重くなりますが、出力2系統ぶんの端子が増えたことを考えると、持ち運びへの影響は小さい範囲です。
M4の前面には、M2と同じフルカラーLCDメーターが搭載されています。マイクやギターを接続してレベルを上げると、数値とバーの色(緑→黄→赤)で入力状況が分かります。LEDの点灯パターンを感覚で読むよりも、「あと何dB上げられるか」を具体的に把握しやすくなります。
RCA出力×4は、TRS 1〜2chとTRS 3〜4chのそれぞれをそのままミラーする端子です。TRSのメイン出力とは別に、RCA入力しか持たない家庭用スピーカーやオーディオ機器へ同時に音を送れます。DAW側の出力設定を変えずに、配線を挿し替えるだけで別のスピーカーに音を出せる点が実務的な利点です。
そのほかの機能もM2と共通です。
独立した48Vファントム電源。 入力ごとに個別のオン/オフスイッチがあり、コンデンサーマイクとライン楽器を同時に使っても電源を誤って送る心配がありません。
ハードウェアダイレクトモニタリング。 パソコンを経由させずに入力信号をそのままヘッドホンやスピーカーに返せます。レイテンシーを気にせずモニターできます。
ループバック機能。 パソコン内部の音とマイクの音を混ぜて配信・録画ソフトに送れます。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥47,960 | 2026.08.31 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 4580101341265 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「MOTU M4」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| MOTU M2 | ¥35,970最安 | 入力・出力とも2系統で足りる人。M4と同じLCDメーターを、より安く使いたい人 |
| Focusrite Scarlett 4i4 (4th Gen) | ¥39,800 | Auto Gainなどレベル合わせを機械に任せたい人。先例の多さを重視する人 |
| Universal Audio Volt 476 | ¥62,700 | 真空管プリアンプを模したVintageモードで音の質感を作りたい人 |
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M4が立つ位置は、この3台のほぼ中間です。M2より1万円強高い分、出力2系統ぶんと入力2系統ぶんが増えます。Scarlett 4i4は同程度の価格帯で自動レベル調整機能を持ちますが数値表示のLCDはありません。Volt 476はM4より1万5千円ほど高く、クリーンな録音より音の質感づけを重視する設計です。入出力2系統で十分ならM2、自動化を優先するならScarlett 4i4、音の色付けを求めるならVolt 476という選び分けになります。
MOTU M4はプリアンプの質と価格のバランスで評価される機種です。MusicRadarのレビューは、DIベースやスタンプボックス、ブレスの細かいボーカルまで幅広い入力でノイズの少なさを確認しており、フルカラーLCDメーターを「もっとも印象的な機能のひとつ」と評価しています。低遅延性能についても、非力な旧世代のPCで32サンプル/44.1kHzでの動作を確認したという報告があり、動作の軽さを評価する声が複数あります。一方で同レビューは、価格が同クラスの他社製品と比べて「決して安くはない」とも指摘しています。
不満点として繰り返し挙がるのはドライバとケーブルの相性です。GearspaceにはM2・M4・M6共通のプリアンプノイズを扱うスレッドがあり、通常の録音では問題ないという報告が多い一方、ゲインを高く上げた条件でノイズを訴える投稿も見られます。Sweetwaterのユーザーレビューでは、MOTU純正ドライバ導入後にクロックエラー音が出た報告があり、USBケーブルをある製品に替えたところ解消したという体験談があります。Windows環境のほうがMacより不具合の報告が多いという傾向も見られます。
実務的には、購入後にドライバとファームウェアを最新化し、動作が不安定な場合はUSBケーブルの相性を疑うのが最初の一手です。通常のマイク収録でゲインを振り切るまで上げる場面は少なく、過度に不安視する必要はありません。
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