「ADAT マイクプリ」で調べている人の多くは、手元のオーディオインターフェイスに光端子(ADAT入力)があり、そこにマイク入力を足したいはずです。BEHRINGER ADA8200は、その役目に絞った機材です。マイクプリアンプ8基とAD/DAコンバーターを1Uの筐体に収め、ADATの光ケーブルでインターフェイスにつなぎます。
選ばれる理由は3つです。
1. MIDAS設計のマイクプリアンプが8基ある。 XLRのマイク入力が8系統あり、すべてでファンタム電源(+48V)が使えます。ドラムの各所にマイクを立てる、バンドを一発で録る、といった本数が要る場面に対応します。
2. 光ケーブル1本で、8チャンネルぶんが増える。 ADA8200はUSBを持たず、ADAT出力から8チャンネルのデジタル信号をインターフェイスへ送ります。インターフェイス側に必要なのはADAT入力だけで、パソコンとの接続はそのまま使えます。
3. 買い替えるより安い。 実売は¥33,000です。マイクプリが2基のインターフェイスを持っているなら、ここへ足すだけで合計10本ぶんのマイクを同時に扱えます。
一方で、サンプリング周波数は44.1kHzと48kHzだけです。96kHzで録りたい用途には使えません。
ADA8200は単独では音を録れません。買う前に確認する条件は4つです。
数値はBEHRINGERが作成したクイックスタートガイドの仕様表です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイク入力 | 8系統。XLR、電子バランス。MIDAS設計のマイクプリアンプ |
| マイクゲイン範囲(公式表記) | +10〜+60dB |
| マイク入力インピーダンス | 2.7kΩ(バランス) |
| ファンタム電源 | +48V(切り替え式) |
| ライン入力 | 8系統。1/4インチTRS、電子バランス |
| ラインゲイン範囲(公式表記) | -10〜+40dB |
| ライン出力 | 8系統。XLR、電子バランス |
| コンバーター | Cirrus Logic製 24bit |
| サンプリング周波数 | 44.1kHz/48kHz |
| デジタル入出力 | ADAT(TOSLINK光)入出力、8チャンネル、24bit |
| 同期元 | 内部(44.1/48kHz)、ADAT入力、ワードクロック入力(BNC) |
| 周波数特性 | 10Hz〜24kHz(48kHz時) |
| 全高調波歪み(THD) | 0.008%未満 |
| クロストーク | -87dB未満 |
| 電源 | AC100〜240V、消費電力15W |
| サイズ・重量 | 約44.5×482.6×217mm・約2.1kg(1Uラックサイズ) |
数字が何を意味するかを訳します。
ADAT 8チャンネル・24bit — ADATは、光ケーブル1本で最大8チャンネルのデジタル音声を送る規格です。ADA8200の8入力が、そのままインターフェイスの8入力として現れます。サンプリング周波数を上げると規格上ADATで送れる本数は減りますが、ADA8200は44.1kHzと48kHzだけなので、8チャンネルを常に使えます。
マイクゲイン+10〜+60dB — 50dBぶんの調整幅です。ゲインとは、マイクが拾った小さな電気信号を持ち上げる量のことで、数値が大きいほど出力の小さいマイクでも音量を確保できます。ただし、Sound On Soundの実測では公式表記より少しずれた範囲が出ています。
ライン出力8系統 — ADAT入力に入った信号は、リアのXLR出力8系統から取り出せます。インターフェイスのADAT出力から、外部のミキサーやモニター機器へ戻す使い方ができます。
ファンタム電源の操作 — 公式資料のフロントパネル図に載っているファンタム電源のスイッチは1つで、入力ごとの個別スイッチは載っていません。リボンマイクなど、ファンタム電源を避けたいマイクと混ぜて使う場合は注意が要ります。
ADA8200を足せる本数は、インターフェイスのADAT入力の仕様で決まります。各機種のレビューから、確認できる範囲をまとめます。
接続は、ADA8200のADAT出力とインターフェイスのADAT入力を光ケーブルでつなぎます。インターフェイス側のクロック設定がADAT入力と食い違うと音が出なくなるため、設定手順は各機種のマニュアルで確認してください。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥33,000 | 2026.10.19 取得時点の新品実売価格(Hibino.com ストア、国内正規品) | 楽天市場で見る |
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価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。2026.10.19時点では、楽天市場の新品出品は¥33,000から¥42,960まで幅があり、同額の出品が複数ありました。中古や輸入品の出品が混ざるので、商品名の確認をおすすめします。
マイクの本数を増やす方法は、ADA8200で足す以外にもあります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Focusrite Scarlett 18i20 (4th Gen) | ¥93,000 | インターフェイスごと買い替えて、最初からマイクプリ8基を本体に載せたい人 |
| Audient iD44 MKII | ¥84,700 | マイクプリ4基の質を重視し、ADATで後から広げる道も残したい人 |
| TASCAM US-4x4HR | ¥44,000最安 | マイク4本で足り、ADATによる拡張は不要な人 |
(Scarlett 18i20は2026.10.09、iD44 MKIIは2026.09.29、US-4x4HRは2026.09.10時点の、本サイトの各記事に記載した楽天市場での実売価格)
分かれ目は、手持ちのインターフェイスにADAT入力があるかどうかです。あるならADA8200で足すのが最も安く済みます。たとえばiD14 MKII(¥51,700)にADA8200を足すと合計¥84,700で、iD44 MKIIと同額のままマイクプリは合計10基になります。ただし、iD44 MKIIのようにプリアンプの質まで含めて選ぶ機種とは、音の傾向が同じではありません。
英語圏の評価で一致しているのは、価格に対して実用的な拡張用機材だという点です。Sound On Soundのレビュー(2013年)は、前世代のADA8000から設計を引き継ぎつつ、マイクプリが少し静かで中性的になり、コンバーターも聴感上すっきりしたと評価しています。前世代の後期ロットにあったADATの同期不良も解消されたとしています。Elektronautsのスレッドでは、シンセなどラインレベルの機材を足す用途で、Apollo、MOTU、Focusriteと組み合わせて普段使いしているという声が目立ちます。
不満も具体的です。プリアンプの音は「価格を考えれば十分」とされる一方、高価なマイクには釣り合わない、やや薄く個性に乏しいという指摘があります。チャンネル間の音漏れを気にする書き込みも見られます。Gearspaceでは、RMEのプリアンプとの比較で意見が割れています。Sound On Soundは、96kHzに対応しないこと、実測のマイクゲインが公式表記から少しずれ、約+3〜+56dBだったことも挙げています。運用面では、2台つないだユーザーがクロック設定に手間取った例や、ADATの一部チャンネルが意図しない出力に割り当たったという報告があります。ただし、RME製などと問題なく動くという報告が大半で、不具合は少数派です。
44.1kHzと48kHzで録るバンド録音やライン機材の増設なら、不満は出にくいという受け止め方が妥当です。高級マイクの音色を引き出したい場合や、96kHz録音を前提にする場合は、別の機材を見たほうがよさそうです。楽天のレビューはまだ件数がありません(2026.10.19時点)。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は2026.10.19です。
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