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シーケンサー・リズムマシン / REVIEW

音色ごとに歪みの深さを変えられる、10ボイスのアナログドラムマシン|
キックだけを外部エフェクトに送る、個別アウトを持っている

2026.09.11 公開 / ARTURIA / JAN 4959112186897
音色ごとに歪みの深さを変えられる、10ボイスのアナログドラムマシン
MODEL
DrumBrute Impact
実売(税込)
¥47,520
CONCLUSION
アナログの太いドラムサウンドをハードウェアで鳴らしたいなら、Arturia DrumBrute Impactが候補になります。理由は3つです。10音色すべてが個別のアナログ回路で作られていること、キックやハイハットなど任意の音を個別出力に振り分けて外部機材にかけられること、64パターン×最大64ステップのシーケンサーでポリリズムまで組めることです。

アナログドラムマシンに何を求めるかCONCLUSION

ドラムマシンを比べていくと、サンプルを鳴らすタイプと、回路そのものが音を作るアナログタイプに分かれます。Arturia DrumBrute Impactは後者です。キック・スネア・タム・ハイハットなど10の音を、それぞれ専用のアナログ回路で生成します。

選ぶ理由は3つです。

1. 10音色すべてがアナログ回路。 Kick・Snare 1・Snare 2・Tom Hi・Tom Low・Cymbal・Cowbell・Closed Hat・Open Hat・FM Soundの10音は、サンプルの再生ではなくそれぞれ専用の合成回路で作られています。同じパターンでも、つまみを回すたびに音そのものが変わります。

2. 音ごとに外部機材へ送れる。 マスター出力とは別に、Kick・Snares・Hats・FM Soundの個別出力を持っています。キックだけを外部コンプに通す、スネアだけを別チャンネルで録る、といった使い方ができます。

3. 64パターン×最大64ステップで、音ごとに長さを変えられる。 シーケンサーは4バンク×16パターンの計64パターンを保存でき、1パターンは最大64ステップです。トラックごとに長さを変えられるポリリズムにも対応しており、単純な4つ打ち以外の展開も組み込めます。

アナログドラムマシンで何を優先するかCRITERIA

比較の軸を先に決めます。

  • 音源方式にアナログを求めるか。 サンプル音源より柔軟に音を作り込みたいならアナログ回路のドラムマシンが候補になります。決まった音色のバリエーションで十分なら、サンプル式のほうが選択肢は広がります。
  • 個別出力が要るか。 ミキサーやマルチトラックレコーダーに音ごとに送りたいなら、個別出力の本数を確認する必要があります。マスター出力だけで完結するなら優先度は下がります。
  • 本体だけで作曲まで完結させたいか。 シーケンサーの機能(ステップ数・パターン数・ポリリズム対応)が、作りたい曲の複雑さに足りているかを見ます。

スペックの要点SPEC

Arturia公式製品ページの記載です。

項目内容
音色数10(Kick・Snare 1・Snare 2・Tom Hi・Tom Low・Cymbal・Cowbell・Closed Hat・Open Hat・FM Sound)、すべてアナログ回路
シーケンサー64パターン(4バンク×16)、1パターン最大64ステップ、ポリリズム対応
出力マスター出力に加え、Kick・Snares・Hats・FM Soundの個別出力
接続USB MIDI、MIDI/クロック同期(1PPS・2PPQ・DIN24・DIN48に対応)
ヘッドホン出力3.5mm
電源電源付属(公式表記は「Power cable included」)
サイズ・重量342×243×57mm・1.84kg

数字のままでは判断できないので、効いてくる項目を訳します。

64パターン×最大64ステップ — 1パターンあたりのステップ数に余裕があるため、単純な16ステップのループだけでなく、展開のある長いフレーズも1パターン内に収められます。4バンク×16パターンの構成で、曲単位のストックにも困りません。

個別出力4系統 — マスター出力だけでは、ミックス済みの音しか外に出せません。個別出力があると、キックだけを別のコンプレッサーやディストーションペダルに通す、といった音作りができます。宅録でアウトボード機材を活かしたい人ほど価値が出る項目です。

ポリリズム対応 — トラックごとにステップ数を変えられるため、キックは16ステップ、ハイハットは12ステップ、といった変則的な組み合わせが作れます。単調な4つ打ちから抜け出したいときに使う機能です。

電源付属・重量1.84kg — 電源を別途用意する必要がなく、箱を開けてすぐ音が出せます。重量は1.84kgとそれなりにありますが、据え置きで使う分には問題にならない範囲です。

Colorとルーパーが実際にやっていることFEATURES

Color — 音ごとに歪みの質感を変える。 カウベル以外の全音色に個別のColor(音作り)機能があり、キックにオーバードライブを足す、スネアにクラック感を加える、ハイハットやFM Soundの音を励起させる、といった加工ができます。ステップごとに深さを変えることも可能で、同じ音色でも1小節の中でニュアンスを変えられます。ディストーションにはバイパスも用意されています。

Beat Looper — 演奏中にその場でループを作る。 再生中のパターンの一部を切り出してループさせる機能で、ライブ的な即興の組み立てに使えます。Instant Pattern(パターンの即時切り替え)と組み合わせることで、曲の展開をリアルタイムに作っていけます。

Song Mode — パターンを16個まで連結。 保存済みのパターンを最大16個つなげて、イントロ→Aメロ→サビのような曲の流れを1つのシーケンスとして再生できます。

どこで買うかPRICE

ストア税込状況購入
楽天市場¥47,5202026.10.19 取得時点の実売価格(通常カラー・本体単品)楽天市場で見る
Amazonリンク先で確認JAN 4959112186897 での検索結果を開きますAmazonで見る
サウンドハウスリンク先で確認「Arturia DrumBrute Impact」での検索結果を開きますサウンドハウスで見る

価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。限定カラーの「DrumBrute Impact 1984」は別の商品として出品されているため、今回の価格調査の対象外です。中古・展示品・アウトレット特価品は今回の価格調査から除外しています。

同価格帯の3台と比べるALTERNATIVES

DrumBrute Impactが唯一の正解ではありません。求める音源方式と価格帯で答えは変わります。

機種税込向いている人
Roland AIRA Compact T-8¥28,380アナログ回路そのものより、TR-808/909系の完成されたドラムサウンドを手軽に鳴らしたい人。詳しくはAIRA Compact T-8の単体レビューで解説しています
KORG volca sample2¥19,990アナログ合成ではなく、自分の好きなサンプルを取り込んで鳴らしたい人。詳しくはvolca sample2の単体レビューで解説しています
BEHRINGER RD-6-SR¥16,500最安個別出力やColorのような音作りより、まず安くアナログのビートを鳴らし始めたい人。詳しくはRD-6-SRの単体レビューで解説しています

(Roland AIRA Compact T-8は2026.09.01、KORG volca sample2は2026.09.07、BEHRINGER RD-6-SRは2026.09.04時点の楽天市場での実売価格)

分かれ目は音源方式と、外部機材との連携をどこまでやりたいかです。完成されたドラムサウンドをすぐ使いたいならT-8、自分の音を持ち込みたいならvolca sample2、まず安くアナログのビートに触れたいならRD-6-SR、音を自分で作り込みながら個別出力で外部処理までやりたいならDrumBrute Impact、という並びになります。

使った人は何と言っているかREPUTATION

DrumBrute Impactの音そのものへの評価はおおむね好意的です。MusicRadarのレビューでは、電子音楽・テクノ・ヒップホップに合う、古典的でありながら芯の太い音だと評価されており、この価格帯で本物のアナログ回路によるドラムサウンドが手に入る点が評価の中心になっています。シーケンサーについても、Color(音ごとの歪み)やRandomness、Beat Looperを使った作り込みの幅が評価されている一方、モーションシーケンス(つまみの動きを記録する機能)やモジュレーションが無く、深い音作りには限界があるという指摘もあります。

不満点としてGearspaceのフォーラムでは、クロック出力のレート切り替え時に外部機材との同期がうまくいかなくなる不具合が複数のユーザーから報告されており、長く修正されていないという投稿も見られます。また、パッドを軽く叩いただけで二重に音が鳴ってしまう現象を報告する投稿もありますが、本体の作りそのものは頑丈という評価が多く、深刻な個体不良というより仕様上の癖として扱われている印象です。

実務的には、外部機材とのクロック同期を多用する使い方をする場合、事前に自分の組み合わせで問題が出ないかを確認しておくと安心です。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • つまみの動きを記録するモーションシーケンスが欲しい人。 DrumBrute Impactにはモーションシーケンスやモジュレーション機能がありません。演奏中のつまみ操作をそのまま記録したい人には物足りません。
  • サンプルを自分で取り込んで鳴らしたい人。 音源はすべてアナログ回路による合成で、外部の音源ファイルを読み込む機能はありません。自分の録った音や好きなサンプルを鳴らしたいなら、サンプル式のマシンのほうが向いています。
  • 外部機材とのクロック同期を頻繁に切り替えて使いたい人。 クロック出力のレート切り替え時に同期が崩れる不具合が報告されています。複雑な同期構成を組む予定なら、購入前に自分の環境で問題が出ないか確認したほうが安全です。

次に読むNEXT

スペックの出典SOURCES

  • Arturia公式製品ページ https://www.arturia.com/products/hardware-synths/drumbrute-impact/overview

価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.10.19時点)。「展示入替特価品」表記の出品(¥38,500)は展示・アウトレット扱いのため、正規の新品出品5件が一致する¥47,520を実勢価格として採用しました。

評判の参照元:

  • MusicRadar「Arturia DrumBrute Impact review」 https://www.musicradar.com/reviews/arturia-drumbrute-impact
  • Gearspace「Arturia Drumbrute Impact」スレッド https://gearspace.com/threads/arturia-drumbrute-impact.1223744/
  • Sound on Sound「Arturia DrumBrute Impact」 https://www.soundonsound.com/reviews/arturia-drumbrute-impact

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