配信・ポッドキャスト用のマイクを調べると、カーディオイド(単一指向性)とハイパーカーディオイド(単一指向性よりさらに狭い指向性)のどちらかに行き着きます。audio-technica AT2040は後者です。正面からの声を拾いつつ、左右・背後からの音をより拾いにくくしています。
選ぶ理由は3つです。
1. ハイパーカーディオイドで周辺の生活音を拾いにくい。 カーディオイドより指向性が狭いため、パソコンのファン音やキーボードの打鍵音、部屋の反響音を拾いにくくなっています。防音対策が万全ではない部屋で録る配信・ポッドキャスト用途と相性が良い特性です。
2. ショックマウントとウインドスクリーンが本体に内蔵。 マイクスタンドやデスクからの振動、息のブレスノイズへの対策が、外付けの機材を追加しなくても本体だけで完結します。
3. 実売¥11,000前後で、XLR接続のダイナミックマイクとして手が届く価格。 SHURE SM7Bのような放送用ダイナミックマイクは6万円台からですが、AT2040はその4分の1以下の価格帯で、配信を始める最初の1本として選びやすくなっています。
比較の軸を先に決めます。
オーディオテクニカ公式製品ページの記載です(通常カラーモデル)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイク方式 | ダイナミック型 |
| 指向特性 | ハイパーカーディオイド |
| 周波数特性 | 80〜16,000Hz |
| 感度 | −53dB(2.2mV) |
| 出力インピーダンス | 600Ω |
| 出力コネクター | 3ピンXLR-Mタイプ |
| 質量 | 615g |
| 外形寸法 | 長さ145.3mm、本体最大径52mm |
| 付属品 | マウンティングクランプ AT8487、変換ネジ、ポーチ |
数字のままでは判断できないので、効いてくる項目を訳します。
感度−53dB(2.2mV) — ダイナミックマイクとしては標準的な出力です。コンデンサーマイクより低いため、オーディオインターフェイス側のゲインを一定量持ち上げる前提で設計されています。防音していない部屋でノイズを拾いにくいという利点と表裏一体の特性です。
質量615g — ダイナミックマイクとしては軽すぎず重すぎずで、一般的なマイクアームでも問題なく支えられる重さです。
周波数特性80〜16,000Hz — 公称の低域端は80Hzで、声の帯域に絞った仕様です。エアコンの低い唸りのような超低域のノイズは、目立ちにくい方向に働きます。
付属のマウンティングクランプ・ポーチ — マイクスタンドへの固定金具が本体に付属するため、別売りのマイクホルダーを追加購入しなくても設置できます。
内蔵ショックマウント構造。 マイク内部にショックマウント機構を持っており、マイクスタンドやブームアームを操作したときの振動音、机を叩いた振動が伝わりにくくなっています。外付けのショックマウントを別途購入する手間を省けます。
2種類の素材を組み合わせたウインドスクリーン。 公式の説明では、ポップノイズを抑えることでマイクに近い距離での収音ができるとされています。息が直接マイクに当たることで起きる吹かれを、外付けのポップガードに頼らず軽減する設計です。
ハイパーカーディオイドの狭い指向性。 カーディオイドより指向性が狭く、正面以外からの音をより拾いにくくなっています。1人でマイクに向かって話す配信・ナレーション用途に向いた設計です。複数人が同じマイクを囲んで話す用途には、指向性の広いマイクのほうが向きます。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥11,000 | 2026.10.19 取得時点の実売価格(本体単品) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 4961310155940 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「audio-technica AT2040」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。スタンド・ケーブル・ウインドスクリーン等のセット品、中古品は今回の価格調査から除外しています。オーディオテクニカ公式サイトでは通常カラーのAT2040は生産完了と表示されており、現在の流通は在庫限りです。白色モデルのAT2040 CWHがオンラインストア限定の現行モデルとして案内されています。
AT2040が唯一の正解ではありません。接続方式や価格帯で答えは変わります。
| マイク | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| audio-technica ATR2100x-USB | ¥10,790最安 | XLRだけでなくUSB接続でもパソコンに直結して手軽に始めたい人。詳しくはATR2100x-USBの単体レビューで解説しています |
| RODE PodMic USB | ¥39,600 | XLRとUSBの両対応で、内蔵のオーディオ処理までマイク側に任せたい人。詳しくはPodMic USBの単体レビューで解説しています |
| SHURE MV7+ | ¥47,000 | 配信・収録の両方を見据え、より上位のダイナミックマイクを最初から選びたい人。詳しくはMV7+の単体レビューで解説しています |
(audio-technica ATR2100x-USBは2026.08.27、RODE PodMic USBは2026.08.31、SHURE MV7+は2026.08.31時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は接続方式と予算です。USB接続も選びたいならATR2100x-USBかPodMic USB、上位機種を最初から選びたいならMV7+、オーディオインターフェイスを持っていてXLR接続だけで十分ならAT2040、という並びになります。
AT2040の音質評価はおおむね好意的です。Podcastageのレビューでは、中域が前に出て抜けの良い音だと評価されており、破裂音の処理も良好で、他のダイナミックマイクと比べて出力レベルにも余裕があるとされています。MusicTechのレビューも、温かみと明瞭さを両立した声向けのマイクとして評価しています。
一方、Tape Op Magazineのレビューでは、中高域がやや持ち上げられた特性のため、声によっては鼻にかかったような印象になる場合があると指摘されており、必要なら中高域を削るEQで調整する前提としています。万人の声に無条件で合う音作りではなく、声質によって印象が変わる可能性がある点は事前に知っておいたほうがよい情報です。
楽天のユーザーレビューは、本体単品の出品に限ると1件・評価5.0です(2026.09.11取得。スタンドやケーブルとのセット品の出品に付いたレビューは数えていません)。母数が小さいため、傾向を読み取れる段階ではありません。
実務的には、購入後に自分の声がやや前に出過ぎると感じた場合、EQで中高域を軽く削ることから調整を始めるとよさそうです。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.10.19時点)。JANコードはオーディオテクニカ公式製品ページの記載値です。
評判の参照元: