配信やテレワークのマイクを探していると、audio-technica ATR2100x-USBに行き当たることがあります。USBでパソコンに直挿しできながら、XLR出力も備えたハンドヘルド型のダイナミックマイクです。
このマイクが選ばれる理由は3つあります。
1. 出口を2つ持っている。 USB Type-Cで直接パソコンにつなげる一方、3ピンXLR端子も備えているため、後からオーディオインターフェイスやミキサーを導入しても同じマイクを使い続けられます。環境が変わるたびにマイクを買い直す必要がありません。
2. 部屋の生活音を拾いにくい。 ダイナミック型で単一指向性のため、コンデンサーマイクに比べて周囲の音を拾いにくい設計です。防音環境を用意できない自宅での収録と相性が良いタイプのマイクです。
3. この価格帯としては評価が高い。 実売¥10,790という価格ながら、後述のとおり複数のレビューで「もっと高価なマイクに匹敵する」という趣旨の評価が繰り返し見られます。
比較の軸を先に決めます。
まず数値を並べます。すべてaudio-technica公式製品ページの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイクロホン形式 | ダイナミック型 |
| 指向特性 | 単一指向性 |
| 周波数特性 | 50Hz〜15,000Hz |
| 出力端子 | USB Type-C/3ピンXLR-Mタイプ |
| サンプリングレート・ビット深度 | 44.1kHz/48kHz/96kHz/192kHz・最大24bit |
| ヘッドホン出力 | 10mW at 16Ω(USB接続時のみ、φ3.5mmステレオミニジャック) |
| 電源 | USB電源(DC5V) |
| 質量・寸法 | 約268g・φ51×183mm |
数字のままでは判断できないので、効いてくる項目を訳します。
周波数特性 50Hz〜15,000Hz — コンデンサーマイクの20Hz〜20kHzと比べて範囲が狭めです。低いほうも高いほうも人の声の帯域からあまりはみ出さないため、逆に言えば声以外の低い振動音や高い機械音が入り込みにくい特性でもあります。
サンプリングレート 最大192kHz・24bit — USB接続時の録音品質の上限です。実際の配信や収録では48kHzで十分な場面が多く、192kHzは余裕枠として捉えて構いません。
ヘッドホン出力がUSB接続時のみ — XLR接続でオーディオインターフェイスにつないだ場合、マイク本体のヘッドホン端子は使えません。モニタリングはインターフェイス側の出力を使う形になります。USBとXLRを同時に使う運用はできない点に注意が必要です。
質量約268g — RODE Procasterの695gと比べるとおよそ3分の1の軽さです。軽量なぶん、付属のスタンドや簡易なマイクアームでも扱いやすくなっています。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥10,790 | 2026.10.19 取得時点の実売価格(楽天ビック) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 4961310155773 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「audio-technica ATR2100x-USB」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
ATR2100x-USBが唯一の正解ではありません。同じマイク周りでも性格の異なる選択肢があります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| RODE NT-USB Mini | ¥17,330最安 | USB接続のみで完結させたい人。コンデンサー型で静かな部屋向き |
| SHURE MV7+ | ¥47,000 | USB/XLR両出力で、より上位の音質・機能を求める人 |
| RODE Procaster | ¥36,000 | 最初からXLR運用に決めていて、指向性の狭さを優先したい人 |
(価格はいずれも記事公開時点で確認した楽天市場での実売価格。NT-USB Miniは2026.08.26、MV7+とProcasterは2026.08.27に取得)
分かれ目は「接続方式をどこまで固定するか」です。USBだけで確実に完結させるならNT-USB Mini、将来性と上位機能まで求めるならMV7+、最初からXLR運用と決めていて指向性の狭さを優先するならProcaster、そして接続方式を決めきれないならATR2100x-USBという並びになります。ATR2100x-USBは「決めきれない人向けの保険」としての性格が強い機種です。
ATR2100x-USBは旧モデルATR2100-USBから長く支持されてきた系統で、海外メディアのレビューが豊富です。AppleInsiderのレビューは、価格を考えると音質が優れていると評価し、ポッドキャストや動画配信向けとして高く評価しています。Musician Wagesのレビューも、この価格帯にしては音質が「もっと高価なマイクに匹敵する」という趣旨で評価しており、複数のレビューで価格に対する音質の評価が一致しています。
一方、不満点として繰り返し挙がるのが付属スタンドの作りです。AppleInsiderは、スタンドの取り付けネジ部分が着脱を繰り返すと緩みやすい点を弱点として挙げ、Musician Wagesも付属スタンドを「あまり良くない」としてシェアマウントの追加を勧めています。また、Musician WagesはXLR接続で使った場合の音がUSB接続時よりもやや大人しく感じられると述べており、接続方式によって印象が変わる可能性を指摘している点は興味深い食い違いです。
Reddit上の意見を集計したredditrecsでは25件中87%が肯定的で、ノイズ耐性の高さが繰り返し評価されています。あるユーザーはコンデンサー型のBlue Yetiでは拾ってしまう周囲の環境音を、このマイクなら気にせず使えると述べています。別のユーザーは、価格が3倍以上するSHURE MV7+と比べても大きな差を感じないとコメントしており、価格に対する評価の高さがここでも裏付けられています。ただし感度自体はコンデンサー型より低めなので、環境によってはゲイン調整が必要になる場合もあると触れられています。
実務的には、付属スタンドの華奢さを見越して別途スタンドやアームを用意しておくと、コストパフォーマンスの高さをそのまま活かしやすくなります。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は各表に記載しています。
評判の参照元: