ライブ用のダイナミックマイクを調べると、まず名前が挙がるのがSHURE SM58です。SENNHEISER e835は、そのSM58と同じ用途・価格帯で比較対象として挙げられることが多いマイクです。
選ばれる理由は3つです。
1. 声のレンジに絞った周波数特性。 40Hz〜16,000Hzという範囲は、人の声を中心とした収録に合わせて設計されています。低すぎる音や高すぎる音を無理に拾わない分、声そのものの通りを重視した特性です。
2. ハンドリングノイズに配慮したインピーダンス設計。 公称インピーダンス350Ω、最小終端インピーダンス1000Ωという仕様です。ライブや配信でマイクを手に持って動かす場面を想定した設計になっています。
3. 10年保証(米国)を掲げる堅牢さ。 ステージで乱暴に扱われることを前提にしたダイナミックマイクとして、長期間の使用に耐える作りが謳われています(保証年数は地域により異なり、米国以外は2年)。
比較の軸を先に決めます。ライブ・配信用のダイナミックマイクを選ぶときに効いてくる条件は主に2つです。
公式ページの記載に基づいて並べます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイクタイプ | ダイナミック・カーディオイド(単一指向性)マイク |
| 用途 | スピーチ・ボーカル向け |
| 周波数特性 | 40Hz〜16,000Hz |
| 感度 | 2.7mV/Pa(1kHz、無負荷時) |
| インピーダンス | 公称350Ω(最小終端インピーダンス1000Ω) |
| 接続 | XLR(3ピン) |
| サイズ・重量 | 直径48mm×全長180mm・330g |
周波数特性40Hz〜16,000Hzは、コンデンサーマイクのような20Hz〜20,000Hzの広帯域とは異なり、声の収録に必要な範囲へ絞った設計です。低域・高域の伸びよりも、声の輪郭を安定して拾うことを優先しています。
インピーダンス350Ω(最小終端1000Ω)は、ケーブルを引き回す環境やハンドリング時のノイズ耐性に関わる数値です。ライブでマイクを持って動く使い方を前提にした値になっています。
単一指向性(カーディオイド)。 マイクの正面方向を中心に音を拾い、背面や側面からの音を拾いにくくする指向性です。ライブハウスのようにスピーカーやモニターの音が回り込む環境で、ハウリングを抑えるのに向いています。
ダイナミック型という方式。 コンデンサー型と違ってファンタム電源が不要で、湿気や衝撃にも比較的強い構造です。手に持って動かす、屋外で使うといった扱い方をする場面に向いています。
声に絞った特性。 周波数特性が声のレンジに寄せて設計されているため、コンデンサーマイクほど繊細な録音には向きませんが、その分、声を前に出しやすい特性になっています。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
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e835が唯一の正解ではありません。指向性や用途で答えが変わります。
| 機種 | 傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|
| SHURE SM58 | e835と近い価格帯 | 情報量・先例の多さを優先し、まず定番から選びたい人 |
| SHURE BETA 58A | e835よりやや高価 | より鋭いスーパーカーディオイドで、周囲の音の回り込みを強く抑えたい人 |
| SENNHEISER e845 | e835よりやや高価 | 同じe800シリーズでさらに指向性を絞りたい人 |
分かれ目は単純です。まず定番から選ぶならSM58、ハウリング対策を強めたいならBETA58Aやe845、SM58の対抗として比較検討したいならe835、という並びになります。
Sennheiser e835は「SM58より透明感がある」「出力が高くゲインを稼ぎやすい」という評価がAudiofanzineのユーザーレビューで繰り返し語られており、価格を考えると完成度が高いという声が目立ちます。低域のバランスも良く、明瞭な発音で聞き取りやすいとの指摘があり、バリトン域の声には特に相性が良いとされています。ワイドカーディオイドで指向性に寛容なため、2人でマイクを共有してもオフアクシスによる音の変化が少ないという評価もあります。
一方で中域の癖については意見が分かれます。複数のレビューで中域に張り出しがあり「鼻にかかったような(nasillard)」音色になると指摘されており、男性ボーカルではEQでの補正が前提になるという声が目立ちます。ソプラノやテノールなど高い声域では上ずった(edgy)印象になりやすいという評価もあります。ハンドリングノイズを拾いやすい点、大音量のライブでフィードバックが起きやすい点も繰り返し報告される不満です。重量330gがしっかりした造りの裏返しである一方、長時間の手持ち使用では疲労につながるという声や、落下を繰り返すとメッシュグリルが外れやすいという指摘もあります。SM58よりわずかに優れるという評価がある一方、決定的な差ではないという見方(microphonegeeks)もあり、期待値をSM58の延長線上に置くのが妥当です。
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