RODEには、XLR端子とUSB-C端子を両方備えたPodMic USBがあります。今回扱うPodMic(無印)はその前身にあたる機種で、USB端子とオンボードDSPを持たない代わりに、価格が抑えられています。
すでにXLR接続のオーディオインターフェイスやミキサーを持っているなら、PodMicが選ばれる理由は3つです。
1. USB端子が無い分、価格が抑えられている。 PodMic USBはマイク単体でコンプレッサーやノイズゲートなどの処理を完結できる代わりに価格が上がります。パソコンへの直結を必要とせず、すでにXLR入力のある機材を持っているなら、その機能ぶんの価格差を払う理由がありません。
2. 放送・配信向けに音作りされたダイナミックカプセル。 周波数特性は20Hz〜20kHzで、話し言葉の帯域を中心に整えられています。カーディオイド(単一指向性)のため、周囲の音を拾いにくく、配信や収録に向いた特性です。
3. 内蔵ポップフィルターとショックマウントが標準装備。 破裂音(ポップノイズ)を抑える内蔵ポップフィルターと、振動を抑える内部ショックマウントを備えています。別売りのポップガードやショックマウントを追加で揃える必要がありません。
判断軸はシンプルです。
PodMicは「XLR環境をすでに持っていて、USB接続を必要としない人」に向いた選択です。
すべてRODE公式データシートの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 方式 | ダイナミック・カーディオイド(単一指向性) |
| 周波数特性 | 20Hz〜20kHz |
| 出力インピーダンス | 320Ω |
| 感度 | -57.0dB re 1V/Pa(1.60mV @ 94dB SPL)±2dB @ 1kHz |
| 接続端子 | 3ピンXLR |
| ファンタム電源 | 不要 |
| サイズ・重量 | 172×109×62mm・937g |
| カラー | ブラック(ホワイト版 PODMICW は別売) |
数字が示す意味を補足します。
感度-57.0dB(1.60mV @ 94dB SPL) — ダイナミックマイクらしく、コンデンサーマイクに比べて出力の小さい数値です。裏を返すと、オーディオインターフェイス側にそれなりのゲインが無いと、音量が足りなくなりやすいということでもあります。複数のレビューでも、ゲインを多く必要とするマイクだと評されており、外部プリアンプで足りないゲインを補う運用が前提になります。ゲインが不足する場合は、Cloudlifter CL-1のようなマイクプリアンプを追加する方法もあります。
出力インピーダンス320Ω — PodMic USBのXLR接続時(460Ω)よりも低めの値です。一般的なオーディオインターフェイスの入力インピーダンスとの相性は良好で、接続自体で問題になることはまずありません。
ファンタム電源不要 — ダイナミックマイクのため、コンデンサーマイクのような+48Vのファンタム電源が無くても動作します。ただし供給されても壊れることはないため、ファンタム電源をオンにしたままの接続で問題ありません。
重量937g — 一般的なダイナミックマイクとしては重い部類で、内蔵ショックマウントの分がこの重さに含まれています。軽量なマイクアームでは耐荷重を確認してください。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥17,998 | 2026.09.28 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
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価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
PodMicが唯一の正解ではありません。接続方式や用途が違えば答えも変わります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| RODE PodMic USB | ¥39,600 | USB接続で単体完結させたい、内蔵DSPも使いたい人 |
| audio-technica ATR2100x-USB | ¥10,790 | XLRとUSBの両対応で、さらに価格を抑えたい人 |
| SHURE SM58 | 1万円台最安 | 配信専用ではなく、ライブボーカルにも使い回したい人 |
(価格はいずれも2026.09.21時点の楽天市場での実売価格。SM58は税込目安)
分かれ目は「USB接続を使うかどうか」と「予算」です。USB接続も欲しいならPodMic USB、価格を最優先しつつ両対応にしたいならATR2100x-USB、配信専用機ではなく汎用性を取るならSM58、XLR専用でよいので放送向けの音作りを優先するならPodMic、という並びになります。
Podcastageのレビューは、PodMicが話し言葉の収録に特化した音作りをしており、その役目を確実に果たしていると評価しています。価格に対する内容の説得力が高いという評価です。thepodcasthostのレビューも、金属製の堅牢な作りと6インチ(約15cm)ほどの距離でのクリアな音質、ファンノイズなど環境音への耐性、内蔵ショックマウントの完成度を評価しています。MusicRadarのレビューも同様に、がっしりした金属筐体と、余計な調整をしなくても放送向けにまとまった音を評価しています。
一方で不満点として最も多く挙がるのがゲインです。The Podcast Hostは、ダイナミックマイクらしく大きなゲインが要ると指摘しており、外部プリアンプなしでは音量が不足しがちだとしています。内蔵ポップフィルターについても、6インチより近い距離で使うとポップノイズを防ぎきれないという指摘があります。MusicRadarは、スイングマウントのXLR端子側のクリアランスが狭く、ケーブルを挿した状態でのマイクの角度調整がしづらい点と、卓上スタンドが別売りである点を弱点として挙げています。
実務的には、音質そのものへの評価は安定している一方、ゲイン不足への対策(インターフェイスの選定やマイクプリアンプの追加)を前提に導入を検討するのが妥当です。海外のユーザー投稿では、ゲインの低いインターフェイスにマイクプリアンプを追加してから安定した音量が得られるようになったという報告も見られ、単体の性能だけでなく組み合わせる機材まで含めて評価する必要がある機種だとわかります。
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