モニタースピーカーを選ぶとき、見落とされがちなのが入力端子の数です。オーディオインターフェースはXLRかTRS、CDプレーヤーやゲーム機はRCA、スマホはBluetoothかAUX。機材が増えるほど、1つのスピーカーにつなぎ替えの手間が集中します。
EDIFIER MR4 MKIIは、この「つなぎ替え」を減らす方向に振り切った設計です。理由は3つです。
1. アナログだけで4系統の入力を持つ。 XLRバランス、TRSバランス、RCAアンバランス、AUX(3.5mm)の4系統を同時に備えています。オーディオインターフェースをXLRに挿しっぱなしにして、ゲーム機をRCAに、ノートパソコンをAUXにつないでおく、という並列運用ができます。
2. Bluetoothがマルチポイント対応。 Bluetooth v6.0でLDACという高音質コーデックに対応しているうえ、2台同時接続のマルチポイントに対応しています。スマホとタブレットを両方ペアリングしたまま、切り替えの手間なく音を出す機器を変えられます。
3. 4.5インチクラスとしては出力に余裕がある。 合計80W RMS(ウーファー30W×2、ツイーター10W×2)という出力は、同クラスの製品と比べて数字が大きめです。音量を上げたときに音が破綻しにくい方向に働きます。
比較の軸をここで固定します。
MR4 MKIIは、この3条件を4.5インチクラスとしては高い水準で満たしています。
EDIFIER公式サイトに記載されている数値です。1組(ペア)あたりの仕様です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出力 | 合計80W RMS(ウーファー30W×2、ツイーター10W×2) |
| ツイーター | 1インチ シルクドーム |
| ウーファー | 4.5インチ PPコーン |
| 周波数特性 | 50Hz~40kHz |
| 最大音圧レベル | 98dB(1m距離) |
| Bluetooth | v6.0・LDAC対応・マルチポイント2台同時接続 |
| 入力端子 | XLRバランス・TRSバランス・RCAアンバランス・AUX(3.5mm) |
| ヘッドホン出力 | 3.5mm |
| 本体重量 | 約6.63kg(スピーカー) |
| 外形寸法 | アクティブ側140×229×244mm/パッシブ側140×208×244mm |
数字が示す意味を補足します。
入力端子4系統 — XLRとTRSはどちらもバランス接続で、ノイズに強く長い配線でも音質が落ちにくい方式です。RCAはアンバランスで家電寄りの機材向け、AUXはスマホやパソコンの3.5mmジャック向けです。この4つが同時に生きているため、機材を挿し替える作業自体が要りません。
Bluetooth v6.0・LDAC対応 — LDACはソニーが開発した高ビットレートのBluetoothコーデックです。標準のSBCよりも多くの情報量を無線で送れるため、圧縮による音質の劣化が少なくなります。マルチポイントは2台の機器を同時にペアリングしたまま保持できる機能で、スマホとパソコンを両方つないでおいて、鳴らす側だけをその都度選ぶ、という使い方ができます。
出力80W RMS — RMSは連続的に出せる実効出力の目安です。4.5インチクラスのアクティブスピーカーとしては大きめの数字で、音量を上げたときの余裕につながります。ただし出力が大きいこと自体が音質の良さを保証するわけではなく、あくまで音量方向の余裕を示す数字です。
周波数特性50Hz~40kHz — 人の可聴域はおおむね20Hz~20kHzとされているため、上限の40kHzは可聴域を超えています。実際の聴感に効くのは主に低域側の下限50Hzで、4.5インチウーファーとしては低音がある程度沈む設計だと分かります。
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|---|---|---|---|
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デスク上に置く小型モニターの枠には、性格の異なる機種がそろっています。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| PreSonus Eris 3.5 2nd Gen | ¥17,325(ペア)最安 | とにかく初期費用を抑えたい人。入力はTRS/RCA中心で足りる人 |
| YAMAHA HS3 | ¥29,400(ペア) | YAMAHAの「素の音」基準で作業したい人。入力はTRS/RCAで十分な人 |
| IK Multimedia iLoud Micro Monitor | ¥37,400(ペア) | Bluetoothよりも音の正確さを優先し、DSP補正を使いたい人 |
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入力端子の多さと無線の使い勝手を優先するならMR4 MKII、とにかく安さを取るならEris 3.5 2nd Gen、モニターとしての音の正確さを取るならiLoud Micro Monitor、という住み分けです。YAMAHA HS3はBluetoothを持たないため、無線接続が前提にある人にはそもそも比較対象になりません。
評価の中心はBluetooth再生です。PHILE WEBのレビュー(2026.06.26公開)は、LDAC接続のBluetooth音質を価格に対して期待以上と評価しています。中低域と高域を別のアンプで駆動する構成のまとまりのよさ、背面のバランス調整ノブ、前面のヘッドホン出力にも好意的で、デスクトップオーディオの1台目として勧められるという結論です。
不満点も具体的に挙がっています。同レビューは、音量ノブにクリック感や目印がなく、現在の位置が分かりにくい点を挙げています。USBのデジタル入力がなく、外付けDACを介したアナログ入力ではLDACのBluetoothほどの解像感が出なかったとも述べており、有線で使うなら前段の機器の影響が大きいという示唆です。仕様が一致する海外モデルMR4.5を扱ったStereoNETの記事(ニュース記事)も、USBオーディオ入力がないことを欠点とし、自動の部屋補正がない点と、50Hz-40kHzという周波数特性に許容差の記載がなく「再生できる範囲」を示すにとどまる点を指摘しています。
低域については、MKII本体を測定したレビューは確認できていません。初代MR4(60Hz-20kHz、42W)を測定したfrieveは、60Hz以下の再生ができず、測定性能は価格相応と評価しています。MKIIは下限が50Hzに広がり出力も増えましたが、低域の量感がどこまで改善したかは裏が取れていません。
実務的には、パソコン側にDACかオーディオインターフェースを用意する前提で、Bluetoothと有線を使い分ける人なら気になりにくい機種です。
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