配信用インターフェイスの検討で必ず候補に挙がるYAMAHA AGシリーズには、AG03MK2とAG06MK2という2つの入口があります。両方ともループバックとDSPエフェクトを内蔵していますが、入力数と価格が違います。AG03MK2は、その中で「マイク1本の配信で足りる人」向けに絞られた機種です。
AG03MK2を選ぶ理由は3つです。
1. AG06MK2と同じ配信機能を、より小さく安く使える。 ループバック機能とDSPエフェクト(COMP/EQ・REVERB・AMP SIM)は、上位機種のAG06MK2と共通です。マイク入力を1系統に絞ることで、価格とサイズを抑えています。
2. 60mmフェーダーで画面を見ずに音量調整できる。 配信中にトークが盛り上がっている最中でも、手元のフェーダーを見ずに触れる操作感は、ソフトウェア側のミキサー画面を都度開くより速く済みます。
3. 机の上を圧迫しない。 外形寸法は126(W)×63(H)×201(D)mm・0.8kgです。AG06MK2のような複数チャンネルのミキサーに比べ、設置面積が小さく済みます。
一方で、マイク入力は1系統(ヘッドセットマイクと排他利用)しかありません。2本のマイクを同時に使う配信や、複数のゲストを同じ機材で扱いたい場合は入力数が足りません。
配信用インターフェイスを選ぶときの軸は3つです。
マイク1本の配信で完結する人は、この時点でAG03MK2に絞り込めます。
YAMAHA公式製品ページと、公式スペックシート(PDF)に記載された数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入力チャンネル | モノラル(MIC/LINE、ヘッドセットマイク入力兼用)1、ステレオ(LINE)/モノラル(Guitar)1、USB IN 1、AUX INPUT 1 |
| 出力チャンネル | MONITOR OUT 2、PHONES 2(ヘッドホン出力とヘッドセット出力は同時使用不可)、AUX OUT 1 |
| USBオーディオ | 2 IN / 2 OUT、USB Audio Class 2.0準拠、対応サンプリング周波数最大192kHz、対応量子化ビット数24bit |
| DSP | CH1: COMP/EQ・REVERB・MUTE、CH2G: COMP/EQ・AMP SIM・REVERB |
| PAD | 26dB |
| ファントム電源 | +48V |
| 接続・電源 | USB Type-C・バスパワー(DC5V、900mA)、消費電力最大4.5W |
| サイズ・重量 | 126(W)×63(H)×201(D)mm・0.8kg |
| カラー展開 | ホワイト・ブラックの2色 |
マイクゲインは、公式スペックシートにPAD・SWポジションごとの入力レベル表(感度・規定レベル・最大ノンクリップレベル)として記載がありますが、他機種の記事で使っている「ゲイン◯dB」という単一の数値では示されていません。単純な比較値としては未確認とし、推測での穴埋めはしていません。
ループバック機能 — YAMAHA公式の説明では「ループバックに対応した2チャンネルUSBオーディオインターフェース機能」とされています。パソコンの再生音と自分の声を混ぜて配信ソフトに送れる機能で、配信用途ではほぼ必須です。
DSP(CH1: COMP/EQ・REVERB・MUTE、CH2G: COMP/EQ・AMP SIM・REVERB) — ハードウェア側でコンプ・EQ・リバーブをかけられるため、配信ソフト側でエフェクトチェーンを組む手間を省けます。CH2G(ギター/ライン入力)にはアンプシミュレーターも搭載されています。
サイズ126×63×201mm・0.8kg — AG06MK2(152×63×201mm・0.9kg)よりひとまわり小さく軽い筐体です。入力チャンネル数が少ない分、幅と重量が抑えられています。
60mmフェーダーによる物理操作。 マイクの音量をソフトウェアのスライダーではなく、手元のフェーダーで直接動かせます。配信中に画面を見ずに操作できる点は、トークが乗っている最中の運用で効いてきます。
ワンタッチのCOMP/EQとREVERB。 声の音量差をならすコンプレッサーと、簡易的なイコライザーを、ボタン1つでオン/オフできます。REVERBも同様にワンタッチで、配信ソフト側での設定を作り込まずに音作りが完結します。
CH2GのAMP SIM。 ギターやライン楽器を接続する入力(CH2G)には、アンプシミュレーターが搭載されています。弾き語り配信で、小型アンプを別途用意しなくても音作りができます。
ヘッドセットマイク入力の兼用。 CH1のマイク入力は、ヘッドセットマイク(プラグインパワー)と排他利用です。配信スタイルによっては、コンデンサーマイクとヘッドセットを使い分ける運用も選べます。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥25,100 | 2026.09.22 取得時点の実売価格(ホワイト・新品) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 4957812677318(ホワイト)での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「YAMAHA AG03MK2 W」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
ブラックモデル(AG03MK2 B、JAN 4957812677332)も同水準の価格(¥25,100〜¥25,300)で流通しています。価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
| 機種 | 税込目安 | 向いている人 |
|---|---|---|
| YAMAHA AG06MK2 | ¥30,280 | マイクを2系統以上使う、あるいはRCA出力でスピーカーに直結したい人。詳しくはAG06MK2の記事で解説しています |
| Focusrite Scarlett 2i2 (4th Gen) | ¥28,600 | 配信より録音の質とゲインの余裕を優先したい人。詳しくは単体レビューで解説しています |
| M-Audio M-Track Duo HD | ¥8,797最安 | 配信機能は不要で、まず録音を安く始めたい人 |
(AG06MK2・Scarlett 2i2の価格は各記事掲載時点、M-Track Duo HDは2026.09.22時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は単純です。マイクを複数扱うか、スピーカーに直結したいならAG06MK2。配信より録音の質を優先するならScarlett 2i2。マイク1本の配信機能だけで足りるなら、価格とサイズの両方でAG03MK2に分があります。
海外メディアの評価では、AG03MK2は画面のメニューを掘らずに素早く調整できる物理ノブとフェーダーを持つ点が、配信中のながら作業との相性の良さとして挙げられています。ループバック機能についても、マイク入力とシステム音を複雑なソフトウェアルーティングなしに1本の信号としてまとめられる点が評価されています。Frieveのレビューは、D-PREマイクプリアンプのノイズ性能(EIN -128dBu)を強みと位置づけ、同価格帯で同等以上の機能を持つ製品が見当たらないとしてコストパフォーマンスを高く評価しています。
一方で、同レビューは周波数特性(+0.5dB/-1.5dB)がトランスペアレントとされる範囲をわずかに超えるとし、OBSとの互換性問題やAG Controllerの接続不良、配信中のUSB切断が報告されていることを弱点として挙げています。また、繰り返し指摘されるのはマイク入力が1系統しかない制約です。複数のマイクや楽器を同時に使いたい場面では入力が足りず、上位機種のAG06MK2(マイク入力2系統・RCA出力対応)のほうが拡張性の面で優れるという比較が定番になっています。
このモデルは楽天のレビューが8件・平均4.63です(取得日2026.09.22、ホワイトモデル)。件数はまだ少なく、参考程度の位置づけです。実務的には、マイク1本の配信で完結する運用ならAG03MK2で十分という評価が主流で、USB切断等のソフトウェア面の不具合が報告されている点は、購入後にドライバとAG Controllerを最新化しておくのが無難です。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.09.22時点)。
評判の参照元: