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コンデンサーマイク / REVIEW

指向性を3種類切り替えられるので、録る場所と用途で使い分けられます|
カーディオイド・無指向性・双指向性を1本で切り替えられる

2026.09.20 公開 / WARM AUDIO
指向性を3種類切り替えられるので、録る場所と用途で使い分けられます
MODEL
WA-47jr
I/O
XLR出力(バランス3ピン、ゴールドコンタクト)/48Vファンタム電源必須
実売(税込)
¥44,693
CONCLUSION
用途に応じて指向性を切り替えたいなら、Warm Audio WA-47jrが候補になります。カーディオイド・無指向性・双指向性の3パターンを切り替えられること、ビンテージの47系マイクと同じ孔配置・周波数特性を再現したK47スタイルカプセルを積んでいること、-10dBパッドと70Hzハイパスフィルターで大音量の楽器にも対応できること。この3点が理由です。

1本で複数の録り方に対応できる理由CONCLUSION

コンデンサーマイクを選ぶとき、多くの入門機はカーディオイド専用です。声や楽器を1方向から録る用途では困りませんが、部屋の響きごと録りたい、2つの音源を同時に録りたい、といった場面には対応できません。Warm Audio WA-47jrは、この制約を切り離したマイクです。

選ばれる理由は3つです。

1. 指向性を3パターン切り替えられる。 カーディオイド(前方重視)・無指向性(全方位)・双指向性(前後2方向)を、本体のスイッチひとつで選べます。用途ごとにマイクを買い替える必要がありません。

2. ビンテージ47系マイクと同じ設計のカプセルを積む。 K47スタイルのデュアルバックプレート・大型ダイアフラムカプセルは、往年の「47」マイクと同じ孔配置・周波数特性で作られています。真空管を使わないFET回路で、手が届く価格に抑えています。

3. -10dBパッドと70Hzハイパスフィルターを内蔵する。 大音量の楽器や近接マイキングでは-10dBパッドが歪みを防ぎ、70Hzハイパスフィルターは録音前に低域の被りやカブりを減らします。

コンデンサーマイクに求める条件CRITERIA

比較の軸を先に決めます。指向性切り替え型のコンデンサーマイクに求められる条件は、実はそう多くありません。

  • 1本で何通りの録り方をしたいか。 声だけ、楽器だけと決まっているならカーディオイド専用機で十分です。部屋の響きも録りたい、2人の演奏を同時に録りたいという用途があるなら、指向性を切り替えられる機種が有利です。
  • ファンタム電源を用意できるか。 コンデンサーマイクは基本的に48Vファンタム電源が必須です。手持ちのオーディオインターフェースやミキサーにこの機能があるかを、先に確認しておく必要があります。
  • 大音量の音源を録る予定があるか。 管楽器やドラムの近接マイキングのように音圧が高い音源を録る予定があるなら、パッドスイッチの有無が結果を左右します。

WA-47jrはこの3つのうち、「指向性の切り替え」「48Vファンタム対応」「-10dBパッドによる高音圧対応」という組み合わせをそろえた機種です。

スペックの要点SPEC

数値はすべてWarm Audio公式サイト・公式ユーザーマニュアルの記載です。

項目内容
マイクタイプラージダイアフラムFETトランスフォーマーレス・コンデンサーマイク
指向性カーディオイド・無指向性・双指向性(切り替え式)
カプセルK47スタイル・デュアルバックプレート・ゴールドスパッタリング仕上げ
周波数特性20Hz~20kHz
セルフノイズ9dBA
ダイナミックレンジ138dBA
最大SPL147dB(パッドなし)/157dB(-10dBパッド使用時)
感度10mV/Pa(-40dB)
出力インピーダンス100Ω
電源48Vファンタム電源必須
出力端子XLR(バランス3ピン、ゴールドコンタクト)
付属品ショックマウント、ハードマウント、レザー収納ポーチ

数字のままでは判断しづらい項目を訳します。

最大SPL 147dB/157dB(パッド使用時) — 「歪まずに録れる音の大きさの上限」のことです。147dBの時点ですでにドラムの近接マイキングにも十分な余裕があり、-10dBパッドを使えばさらに大きな音圧の楽器にも対応できます。

セルフノイズ9dBA — マイク自体が生み出すノイズの小ささです。数字が小さいほど、静かな音源を録ったときにマイクのノイズが目立ちません。同価格帯のFETコンデンサーマイクとしては十分に低い水準です。

指向性3パターン — カーディオイドは前方の音を中心に拾い、側面や背面のノイズを抑えます。無指向性はあらゆる方向から均等に音を拾うため、部屋の響きごと録りたいときに向きます。双指向性は前後2方向を拾い、側面を強く抑えるため、2つの音源を1本で同時に録るミッドサイド的な使い方に対応できます。

70Hzハイパスフィルター — 70Hz以下の低域をあらかじめ除去するスイッチです。ボーカルやアコースティックギターを多重録音する曲では、この帯域がキックやベースと帯域を奪い合うため、録音の時点で削っておくとミックスが楽になります。

どこで買うかPRICE

ストア税込状況購入
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同価格帯の3台と比べるALTERNATIVES

WA-47jrが唯一の選択肢ではありません。優先したい音の傾向が違えば答えも変わります。

機種税込向いている人
AKG C214¥46,860指向性切り替えは不要で、価格を抑えたい人
RODE NT1 5th Generation¥44,000最安セルフノイズの低さを最優先したい人
NEUMANN TLM 102¥112,860定番ブランドの音を予算より優先したい人

分かれ目は単純です。指向性を切り替えて使い方の幅を広げたいならWA-47jr、カーディオイド専用でよいので価格を抑えたいならAKG C214やRODE NT1、予算よりブランドと定評を優先するならNEUMANN TLM 102という並びになります。

価格差で見ると、WA-47jrはAKG C214やRODE NT1より2〜3万円高い代わりに指向性の選択肢を得られ、NEUMANN TLM 102より4万円以上安い代わりにブランドの実績値を手放す、という中間の立ち位置です。

使った人は何と言っているかREPUTATION

WA-47jrは、真空管モデルWA-47の廉価版という立ち位置から、海外メディアのレビューでも比較対象として扱われることが多いマイクです。MusicTechのレビューは、3種類の指向性を切り替えられる点について、同価格帯の多くの機種より用途の幅が広いと評価し、上位機のWA-47にはない-10dBパッドとハイパスフィルターを備える実用性、そして1本で複数の録り方に対応できる価格対効果を評価しています。

一方で、真空管モデルのWA-47と聴き比べた際の評価は厳しめです。同レビューは、切り替えた瞬間に物足りなさを感じたと述べ、FET版には真空管モデルにあるような聴いた瞬間の押し出しの強さがないと指摘しています。具体的には、ボーカルでやや鼻づまり気味の中高域が出ることと、WA-47の特徴である豊かな低域がほとんど感じられないことを挙げ、目指していたはずのFET版U47的な音の再現としても低域の厚みが足りないとしています。総評としては、強い個性を持つ1本というより、実用本位のよくできた廉価コンデンサーマイクという位置づけです。

実務的には、47系マイクの系譜や見た目に惹かれて選ぶより、指向性の切り替えや-10dBパッドといった機能面のメリットを目的に選ぶと、期待とのずれが少なくなります。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • 真空管モデルWA-47と同じ音の厚みを期待している人。 FET回路のWA-47jrは、真空管モデルが持つ豊かな低域や独特の存在感とは別物です。47系の音の厚みそのものが目的なら、上位機のWA-47を検討したほうが期待に近づきます。
  • カーディオイド専用でよく、価格を最優先したい人。 指向性切り替えを使わないなら、AKG C214やRODE NT1 5th Generationのほうが2〜3万円安く済みます。
  • 48Vファンタム電源を用意できない人。 WA-47jrはファンタム電源が必須です。手持ちのインターフェースやミキサーにこの機能がない場合は、先に電源の確保から検討する必要があります。

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スペックの出典SOURCES

  • Warm Audio公式製品ページ https://warmaudio.com/wa47jr
  • Warm Audio公式ユーザーマニュアル(PDF) https://assets.ctfassets.net/h4x5uvaoia7v/6gSKSHOtWCxXY6SarS1Rf/8f25c8dd6f1dcac9fe5a538f65b20b9d/WA-47jr_WA-47jrSE_UserManual-WEB.pdf

価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は表に記載しています。

評判の参照元:

  • MusicTech「Warm Audio WA-47 & WA-47jr Review - Neu Kid on the Block」 https://musictech.com/reviews/warm-audio-wa-47-wa-47jr-review/
  • MusicRadar「Warm Audio WA-47jr SE review」 https://www.musicradar.com/music-tech/microphones/warm-audio-wa-47jr-se-review
  • Gearspace「Warm Audio Introduces WA-47jr FET Condenser Microphone」 https://gearspace.com/board/product-alerts-older-than-2-months/1186808-warm-audio-introduces-wa-47jr-fet-condenser-microphone.html

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