コンデンサーマイクの比較では、audio-technicaやRODEと並んでAKGの名前がよく挙がります。C214はAKGのラインナップの中で、価格と性能のバランスを取った大型ダイアフラムコンデンサーマイクです。
選ばれる理由は3つです。
1. 最大SPL156dBという余裕。 20dBのアッテネーター(減衰)パッドを使った状態での数値です。大きな声量のボーカルや、音圧の高いアコースティック楽器を録るときにも音割れしにくい設計になっています。
2. 幅広いファンタム電源に対応。 9〜52V DCのファンタム電源で動作するため、オーディオインターフェイスの機種による電源仕様の違いをあまり気にせず使えます。
3. 160Hzのローカットフィルターを内蔵。 マイク本体のスイッチで低音域をカットできます。部屋の低い環境音や、マイクに息がかかることで生じる低音のノイズを、後処理ではなく録音時点で減らせます。
比較の軸を先に決めます。コンデンサーマイクを選ぶときに効いてくる条件は主に3つです。
公式ページの記載に基づいて並べます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイクタイプ | 大型ダイアフラム・カーディオイド(単一指向性)コンデンサーマイク |
| 周波数特性 | 20Hz〜20,000Hz |
| 感度 | 20mV/Pa |
| 最大SPL | 156dB(20dB減衰パッド使用時) |
| S/N比 | 81dB-A |
| 等価ノイズレベル(自己ノイズ) | 13dB-A |
| 必要電源 | 9〜52V DC(ファンタム電源) |
| インピーダンス | 200Ω(推奨負荷インピーダンス1000Ω) |
| ローカットフィルター | 160Hz |
| 出力 | XLR(3ピン)バランス出力 |
S/N比81dB-A、自己ノイズ13dB-Aは、マイク自体が発生させるノイズの少なさを示す数値です。数字だけでは実感しにくいですが、静かな部屋でアカペラやアコースティック楽器を録るときほど、この差が聞き取りやすくなります。
最大SPL156dB(パッド使用時)は、大太鼓やギターアンプの至近距離のような大音量の音源にも対応できる余裕を意味します。宅録ボーカル用途では、この上限まで使い切る場面はほとんどありません。
160Hzローカットフィルター。 スイッチ1つで低音域を減衰させます。エアコンの駆動音や、マイクスタンドを伝って届く振動など、低い周波数のノイズを録音時点で抑えられます。ミックス時にEQで削る手間を減らせます。
20dB減衰パッド。 大音量の音源を録るとき、マイク側であらかじめ信号レベルを下げておく機能です。オーディオインターフェイスのゲインを上げすぎずに済むため、録音全体のS/N比を保ちやすくなります。
幅広いファンタム電源対応。 9〜52V DCという範囲は、一般的なオーディオインターフェイスのファンタム電源(48V前後)を広くカバーします。機材選びで電源仕様を気にする場面が少なくなります。
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|---|---|---|---|
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C214が唯一の正解ではありません。接続方法や上位機種との差で答えが変わります。
| 機種 | 傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|
| RODE NT1 5th Generation | C214と近い価格帯 | XLRだけでなくUSB接続の選択肢も残しておきたい人 |
| AKG C414 XLII | C214より高価 | 指向性を切り替えられる上位機種の柔軟性が欲しい人 |
| audio-technica AT2020 | C214より安価 | まずXLRのコンデンサーマイクを1本試したい人 |
分かれ目は単純です。将来USBでも使いたいならNT1 5th Generation、指向性の切り替えまで求めるならC414 XLII、価格を抑えて試すならAT2020、という並びになります。
AKG C214はコストパフォーマンスの高さで一致した評価を得ている一方、音のキャラクターについては意見が割れています。Gearspaceのレビューでは「価格を考えると強い競争力を持つ」「ボーカルのクリアさを引き出す」と評価される一方、別スレッド「The controversy of the AKG C214」では、8kHz付近にシェルビングで持ち上がる高域が音色全体を支配しがちで「耳に刺さる」「甲高い」と感じるユーザーが一定数いると報告されています。すでに高域成分の多い声や楽器に使うと、この持ち上がりが強調されすぎるという指摘です。
上位機種C414の廉価版として売られていることについても賛否があり、「別物として比較すべきで、廉価版という売り方自体が誤解を招く」という声がGearspaceで見られます。一方、実用面では-20dBパッドでヘッドルームを20dB稼げる点や低域ロールオフフィルターは支持されており、ドラムのオーバーヘッドやホーンなど音量の大きい音源に向くという評価は複数のレビューで一致しています。近接効果がこのクラスの平均よりやや強く、背面の音を遮る量も一般的なカーディオイドコンデンサーより少ないという指摘もあります。高域が持ち上がる前提で、EQでの微調整を厭わない人向けの機種だと考えるのが実情に近いでしょう。逆に、すでに硬めの声や楽器を柔らかく録りたい用途では、この持ち上がりが不利に働く場合もあります。
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