コンデンサーマイクを検討するとき、最初にぶつかる壁が接続方法です。XLR端子のマイクはオーディオインターフェイスとファンタム電源が必要になり、USBマイクはパソコンに直接つながる代わりにXLR運用への拡張がしにくくなります。RODEのNT1 5th Generationは、この2つの接続方法を1本のマイクで両立させています。
選ばれる理由は3つです。
1. XLRとUSBの両方に対応するDual Connect出力。 マイク本体にXLR端子とUSB-C端子の両方が搭載されており、オーディオインターフェイスがあればXLRで、無ければUSBで、同じマイクをそのまま使えます。環境が変わってもマイクを買い替える必要がありません。
2. 自己ノイズ4dBA。 マイク自体が発生させるノイズの少なさを表す数値です。RODEはこれを「世界で最も静かなスタジオコンデンサーマイク」と説明しています。小さな声や繊細な演奏を録るとき、マイク由来のノイズに悩まされにくくなります。
3. USB接続時は32bitフロート出力。 録音レベルの設定を多少間違えても、後からデジタル処理で音割れを実質的に回避できる仕組みです。USBで手軽に録りたい人ほど恩恵があります。
比較の軸を先に決めます。コンデンサーマイクを選ぶときに効いてくる条件は主に3つです。
公式ページの記載に基づいて並べます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイクタイプ | 大型ダイアフラム・カーディオイド(単一指向性)コンデンサーマイク |
| 出力 | Dual Connect(XLRとUSB-Cの両方に対応) |
| 自己ノイズ | 4dBA |
| デジタル出力(USB接続時) | 32bitフロート、最大192kHzのアナログ・デジタル変換 |
| USB接続時の対応OS | macOS 11以降/Windows 10 バージョン1803以降 |
自己ノイズ4dBAとデジタル出力32bitフロートは、どちらも「録音の失敗を減らす」方向に効く数値です。周波数特性や最大SPLといった数値は公式ページに具体的な記載がなく、本記事では扱っていません。
USB接続時はWindowsで専用ASIOドライバーの導入が推奨されています。公式ページによると、32bitフロート録音や入力ゲインの調整、バッファサイズの変更を使うために必要なドライバーです。USB運用を前提にする場合は、事前に導入手順を確認しておくとスムーズです。
XLR運用。 オーディオインターフェイスとファンタム電源(48V)を使う、従来型のコンデンサーマイクとしての接続です。既にオーディオインターフェイスを持っている人は、これまでと同じ運用に組み込めます。
USB運用。 パソコンにUSB-Cケーブル1本で直接つなぎ、ファンタム電源やオーディオインターフェイスなしで録音できます。32bitフロート出力のため、録音後にレベルを大きく調整しても音質の破綻が起きにくい設計です。
接続方法の切り替え。 同じマイク本体のまま、XLRケーブルかUSBケーブルかを差し替えるだけで運用方法を変えられます。環境が変わるたびにマイクを買い直す必要がありません。
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|---|---|---|---|
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NT1 5th Generationが唯一の正解ではありません。接続方法や用途が違えば答えが変わります。
| 機種 | 傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|
| AKG C214 | NT1 5th Genと近い価格帯 | XLR運用に固定してよく、AKGらしい高域の質感を求める人 |
| audio-technica AT2020 | NT1 5th Genより安価 | まずXLRのコンデンサーマイクを1本試したい人 |
| RODE NT1-A | NT1 5th Genより安価 | USB接続は不要で、XLR専用のコンデンサーマイクで十分な人 |
分かれ目は単純です。接続方法を将来も含めて選びたいならNT1 5th Generation、XLR運用と割り切れるならAKG C214やAT2020、という並びになります。
RODE NT1は歴代モデルから「好みが分かれるマイク」と評されてきた系譜で、5th Generationにもその評価はそのまま引き継がれています。TechRadarはセッティングが合えば音質は高いと評価する一方、別のレビュー(higherhz.org)では、合う使い方では魅力的だが合わないと平板に聞こえることがあるとして、セッティング依存の強さを指摘しています。Podcastageのレビューでは中低域がニュートラルで、AT2020や旧モデルのNT1aと比べても解像感の高い高域が出ると評価されています。技術面では意見が割れておらず、自己ノイズ4dBAという数値そのものは各レビューで一致して高評価を得ており、XLR接続のままUSB経由で32bitフロート録音ができる新設計も、クリップしても後から音量を戻せる実用的な機能として歓迎されているようです。
不満点として挙がるのは近接効果です。同じPodcastageのレビューでは、至近距離で使うと低域が過剰に持ち上がりやすいと指摘されており、マイクとの距離管理が必要になる場面があるとされています。主観的な「音の好み」が割れる一方、自己ノイズやダイナミックレンジといった測定値には異論が出ていない点が特徴です。距離を調整しながら使う前提を許容できるか、セッティングに時間をかけられるかどうかが、購入判断の分かれ目になりそうです。
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