LEWITT LCT 240 PROはこのサイトでも紹介した、ボーカル以外の音源にも強い価格帯コンデンサーです。LCT 440 PUREは同じLEWITTのラインナップで、その上に位置する機種になります。型番だけ見ると近い印象ですが、中身のダイアフラム設計が違います。
選ぶ理由は3つです。
1. 自己ノイズが7dB(A)と非常に低い。 LCT 240 PROの19dB(A)と比べると10dB以上の差があります。自己ノイズはマイク自体が発するサーというノイズの大きさを示す数値で、小さいほど静かな部屋で無音を録ったときにそのノイズが気になりません。アコースティック楽器の余韻や、ボーカルの息づかいのような小さな音を扱うほど、この差が効いてきます。
2. ダイナミックレンジが133dB(A)。 LCT 240 PROの123dB(A)より10dB広く、一番静かな音と一番大きな音の差をより幅広くカバーできます。
3. ショックマウント・マグネット式ポップフィルター・ウィンドスクリーン・キャリーバッグが標準付属。 LCT 240 PROの製品ページにはこれらの付属品の明記がなく、LCT 440 PUREは録音環境を一式揃えやすい構成になっています。
これらはすべて「静けさ」に関わる差です。価格差の大部分は、この静けさへの投資だと考えると分かりやすくなります。
比較の軸を先に決めます。
静けさを取るか、価格を取るか。LCT 240 PROとLCT 440 PUREの分かれ目はここに尽きます。
LEWITT公式サイトに記載されている数値です。LCT 240 PROの数値は同サイトの製品ページから、比較のために併記します。
| 項目 | LCT 440 PURE | LCT 240 PRO |
|---|---|---|
| ダイアフラム | 25.4mm(1インチ)・3ミクロン金蒸着マイラー | 17mm・3ミクロン金蒸着マイラー |
| 指向性 | 単一指向性(カーディオイド) | 単一指向性(カーディオイド) |
| 周波数特性 | 20Hz〜20,000Hz | 20Hz〜20,000Hz |
| 感度 | 27.4mV/Pa(-31.2dBV/Pa) | 16.7mV/Pa(-35.5dBV/Pa) |
| 自己ノイズ | 7dB(A) | 19dB(A) |
| 最大入力音圧レベル | 140dB SPL(0.5% THD) | 142dB SPL(0.5% THD) |
| ダイナミックレンジ | 133dB(A) | 123dB(A) |
| S/N比 | 87dB(A) | (公式ページに記載なし) |
| 内部インピーダンス | 110Ω | 100Ω |
| 電源 | ファンタム電源48V±4V・消費電流2.63mA | ファンタム電源48V±4V・消費電流3.1mA |
| コネクタ | 金メッキ3ピンXLR | 金メッキ3ピンXLR |
| 筐体 | 亜鉛ダイキャスト | 亜鉛ダイキャスト |
| サイズ・重量 | 138×52×36mm・310g | 138×52×36mm・310g |
数字のままでは判断できないので、効いてくる項目を訳します。
ダイアフラム25.4mm(1インチ) — LCT 240 PROの17mmより一回り大きい振動板です。ダイアフラムが大きいマイクは一般に感度が高く、静かな音源でも余裕を持って拾えます。感度の数値がLCT 240 PROの16.7mV/Paに対し27.4mV/Paと明確に高いのは、この違いによるものです。
自己ノイズ7dB(A) — 「静かな部屋で無音を録ってもサーというノイズがほとんど気にならない水準」です。プロ用スタジオコンデンサーの中でも低い部類に入る数値で、LCT 240 PROとの最大の違いがここに現れています。
S/N比87dB(A) — 目的の音とノイズの比率です。この数値もLCT 240 PROの製品ページには記載がなく、440 PUREのカタログでのみ明示されています。数値が大きいほど、録った音の中でノイズが相対的に目立ちません。
電源消費電流2.63mA — LCT 240 PROの3.1mAよりわずかに少なく、非力なUSBバスパワーのオーディオインターフェイスでも安定して動作しやすい水準です。
ショックマウント。 マイクスタンドを通じて伝わる振動や机を叩く音の混入を軽減します。単品で買うと数千円かかる付属品です。
マグネット式ポップフィルター。 破裂音(パ行・バ行)の風圧を防ぎます。磁石で着脱できる方式のため、ネジ式より取り付けが簡単です。
ウィンドスクリーンとキャリーバッグ。 屋外や近接での収録時に風切り音を抑えるスクリーンと、持ち運び・保管用のバッグが付属します。
LCT 240 PROの製品ページにはこれらの付属品が明記されていません。本体価格だけを比べるとLCT 440 PUREは高く見えますが、周辺機材を別途揃えるコストと手間を考えると、価格差の一部はここで相殺されます。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥44,000 | 2026.09.28 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 4533940072708 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「LEWITT LCT 440 PURE」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
LCT 440 PUREが唯一の正解ではありません。目的が違えば答えも変わります。
| マイク | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| LEWITT LCT 240 PRO | ¥18,920 | 静けさより価格を優先したい人。詳しくは単体レビュー |
| audio-technica AT2035 | ¥18,260 | 同価格帯でより広く実績のある機種から選びたい人。詳しくは単体レビュー |
| audio-technica AT2020 | ¥6,600最安 | 最大入力音圧レベルや自己ノイズにこだわらず、まず価格を抑えたい人。詳しくは単体レビュー |
(LCT 240 PROとAT2035は2026.08.26、AT2020は2026.08.26時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は「自己ノイズへの投資をどこまでするか」です。静かな環境で細かい表現まで録りたいならLCT 440 PURE、価格と性能のバランスを取るならLCT 240 PROかAT2035、とにかく価格を抑えたいならAT2020という並びになります。LCT 240 PROとLCT 440 PUREの価格差はおよそ2万円強で、この差の大半が自己ノイズ7dB(A)対19dB(A)という数字に置き換わります。
英語圏のレビューでは、音質面での評価が特に高い機種です。Sound on Soundのレビューでは、声が明瞭で「プレゼンス」がありながら耳障りにならず、低域もしっかりしていると評価されており、クリアさに助けが欲しいボーカリスト向けの良い選択肢だとまとめられています。音の性格は自然でありながらニュートラルよりわずかに空気感のある方向で、ポップス制作において悪くない特徴だという指摘もあります。
Gearspaceのユーザーレビューでは、ローカット・パッドのようなスイッチ機能を必要としない人にとって、価格を考えれば十分に満足できる大口径コンデンサーだという評価が見られます。別の投稿では、LCT 240 PROと比べて出力が高くよりニュートラルな鳴り方で、LEWITTらしい滑らかさとクリアさを両立していると評価されています。
不満点としては、価格帯の割に機能がシンプルな点(ローカットフィルターやパッドスイッチが本体に付いていない)が挙がることがあります。多機能な上位コンデンサーと比べると、録音環境や外部機材側で音作りを補う前提の設計です。とはいえ、音質そのものへの否定的な評価は目立たず、価格に対する満足度は総じて高い傾向にあります。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は表に記載しています。
評判の参照元: