宅録用コンデンサーマイクの比較では、audio-technica AT2020のような定番機がまず候補に挙がります。LEWITT LCT 240 PROは、その隣に並べて検討されることが多いオーストリアメーカーの機種です。
選ぶ理由は3つです。
1. 最大入力音圧レベルが142dB SPLと高い。 ボーカル用に設計されたエントリー帯のコンデンサーマイクは、大きな音源に弱いものが少なくありません。LCT 240 PROは142dB SPLまで音割れせずに耐えるため、アコースティックギターのサウンドホール近くや、控えめな音量のアンプなど、ボーカルより音圧の高い音源にも近づけて使えます。
2. 自己ノイズが19dB(A)、ダイナミックレンジが123dB(A)。 自己ノイズは数字が小さいほど、マイク自体が発するサーというノイズが目立ちません。静かなパートやアコースティック楽器の細かいニュアンスを録るとき、この静かさが効いてきます。
3. 亜鉛ダイキャストの筐体。 価格帯だけで判断すると軽く扱われがちですが、金属ボディでしっかりした重さと剛性があります。長く使う前提のマイクとして、作りの良さは無視できないポイントです。
比較の軸を先に決めます。
LCT 240 PROは1つ目の条件で優位に立つ機種です。
LEWITT公式サイトに記載されている数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイク方式 | コンデンサー(パーマネントポラライズド) |
| 指向性 | 単一指向性(カーディオイド) |
| ダイアフラム | 17mm・3ミクロン金蒸着マイラー |
| 周波数特性 | 20Hz〜20,000Hz |
| 感度 | 16.7mV/Pa(-35.5dBV/Pa) |
| 自己ノイズ | 19dB(A) |
| 最大入力音圧レベル | 142dB SPL(0.5% THD) |
| ダイナミックレンジ | 123dB(A) |
| 内部インピーダンス | 100Ω |
| 電源 | ファンタム電源48V±4V・消費電流3.1mA |
| コネクタ | 金メッキ3ピンXLR |
| 筐体 | 亜鉛ダイキャスト |
| サイズ・重量 | 138×52×36mm・310g |
数字のままでは判断できないので、効いてくる項目を訳します。
最大入力音圧レベル142dB SPL — 「歪まずに録れる一番大きな音量」の目安です。人の声で歪む心配はまずありませんが、この数字が高いと、ボーカル以外の用途にも使い回しが利きます。エントリー帯のコンデンサーマイクとしては余裕のある数字です。
自己ノイズ19dB(A)・ダイナミックレンジ123dB(A) — 自己ノイズは数字が小さいほど、マイク自体のノイズが目立ちません。ダイナミックレンジは「一番静かな音と一番大きな音の差」で、数字が大きいほど幅広い音量を1本でカバーできます。どちらも価格帯の割に良い数字です。
亜鉛ダイキャストの筐体・310g — プラスチック筐体のマイクより重く、剛性があります。スタンドやアームでの固定運用が前提の重さです。
カーディオイド(単一指向性)。 正面の音を重視し、背面・側面の音を拾いにくくする設計です。マイクの正面に向かって声や楽器を置く、基本に忠実な使い方が前提になります。
金メッキXLRコネクタ。 接点の劣化を抑え、長期間の使用でも接触不良が起きにくい仕様です。頻繁に抜き差しする環境でも安心して使えます。
ファンタム電源3.1mA。 消費電流が比較的小さいため、非力なUSBバスパワーのオーディオインターフェイスでも安定して動作しやすい水準です。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥18,920 | 2026.08.26 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 4533940072692 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「LEWITT LCT 240 PRO」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
LCT 240 PROが唯一の正解ではありません。目的が違えば答えも変わります。
| マイク | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| audio-technica AT2035 | ¥18,260 | 同価格帯でより広く実績のある機種から選びたい人。詳しくは単体レビュー |
| audio-technica AT2020 | ¥6,600最安 | 最大入力音圧レベルにこだわらず、まず価格を抑えたい人。詳しくは単体レビュー |
| RODE NT-USB Mini | ¥17,330 | オーディオインターフェイスを持たず、USB接続だけで完結させたい人 |
(価格はいずれも2026.08.26時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は「音圧耐性」と「接続方式」です。ボーカル以外の音源も見据えるならLCT 240 PRO、実績重視で選ぶならAT2035、価格を最優先するならAT2020、USBだけで完結させたいならNT-USB Miniという並びになります。
評価が一致しているのは、音圧に強い万能型であることと、高域が持ち上がった音であることです。MusicTechのレビューは、中域が前に出て低域が緩やかに落ちる音と説明し、アコースティックギターやパーカッションでは手を加えなくても使いやすいと評価しています。LEWITT自身のブログに載ったChris Milnesのレビューは、ドラムのオーバーヘッドとギターキャビネットを特に良いとしています。Recording Hacksも、周波数特性の8kHz付近に目立つ山があると説明しています。
不満もこの高域に集まります。MusicTechは、男性の低い声ではこもり気味で低域が薄く、上位のLCT 440 PUREに近づけるにはEQが必要だったとしています。Milnesも女性ボーカルとの相性には否定的です。ボーカル専用機というより、楽器向きの個性を持つマイクだという見方です。LEWITTのブログはメーカー運営なので、割り引いて読む必要があります。Recording Hacksは、パッドとローカットのスイッチを省いた構成だとも指摘しています。一方、Thomannの購入者レビューには、宅録の入門用として価格に見合うという声があります。
楽天のレビューは確認できていません(取得日2026.10.18)。ボーカルより楽器、特にギターアンプやドラムを録る人なら、この癖は気になりにくいでしょう。声を主に録る場合は、EQで高域を整える前提で考えると失敗が減ります。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.08.26時点)。2026.10.18に再確認し、¥18,920で変わりありませんでした。
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