楽器用ダイナミックマイクを調べると、SHURE SM57が真っ先に候補に挙がります。AUDIXのi5は、そのSM57と長年比較され続けてきた対抗馬です。海外のフォーラムでは「SM57キラー」と呼ばれることもあるほど、性能面での比較対象として名前が挙がります。
選ばれる理由は3つです。
1. 全金属ボディの頑丈さ。 ダイキャスト亜鉛合金ボディに、SM57より高い耐久性があるとされています。ライブでの頻繁な設置・撤収を繰り返す用途でも壊れにくい構造です。
2. 140dB以上の耐音圧。 ギターアンプやドラムの至近距離のような大音量の音源でも、音割れせずに収音できます。
3. タイトな指向性によるかぶりの少なさ。 カーディオイド(単一指向性)の指向性が比較的タイトで、ドラムセットのように複数の音源が近くにある環境でも、狙った楽器以外の音を拾いにくくなっています。
比較の軸を先に決めます。楽器の近接収音でマイクを選ぶときに効いてくる条件です。
AUDIX公式の仕様書(スペックシート)に記載された数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイク方式 | ダイナミック型 |
| 指向性 | カーディオイド(単一指向性) |
| 周波数特性 | 50Hz〜16,000Hz |
| 出力インピーダンス | 280Ω |
| 感度 | 1.6mV/Pa(1kHz時) |
| オフアクシス除去 | 23dB超 |
| 最大SPL | 140dB以上 |
| 重量 | 248g |
| 全長 | 141mm |
| コネクタ | XLR(3ピン、オス) |
| カプセル | VLM(Very Low Mass)ダイアフラム、VLM Type B |
| 電源 | 不要 |
VLM(Very Low Mass)ダイアフラムは、振動板を極めて軽く作ることで、音源の動きに素早く追従させる設計です。AUDIX公式は「クリアで正確、自然な音の再現」につながる技術だとしています。
出力インピーダンス280Ω・感度1.6mV/Paは、SHURE SM57(310Ω・-56.0dBV/Pa=約1.6mV/Pa)とほぼ同水準です。オーディオインターフェイス側で必要なゲイン量に大きな差はありません。
オフアクシス除去23dB超は、マイクの正面以外から届く音をどれだけ減衰させるかを示す数値です。この数字が大きいほど、隣接する楽器の音を拾いにくくなります。ドラムセットのように音源が密集する環境で効いてくる項目です。
楽器用ダイナミックマイクを検討する人の多くが、最終的にSM57とi5のどちらかで迷います。海外のGearspaceフォーラムで実施された周波数特性の比較テストでは、i5は3.5kHz付近に約2.5dBのピークがあり、SM57よりわずかに明るい(高域寄りの)特性を持つと報告されています。一方SM57は中域がまとまった、より素直な特性です。
用途による向き不向きも報告されています。スネアドラムのトップマイクとして使う場合、i5は隣接するハイハットやシンバルの音を拾いにくい(かぶりが少ない)という評価が複数あり、多マイクのドラムセット収録ではこの差が録音の扱いやすさに直結します。一方、歪んだギターアンプのような音源では、SM57のまとまった中域を好むエンジニアも一定数います。
ボディの作りにも違いがあります。SM57はグリル部分を除くとポリカーボネート樹脂を含む構成である一方、i5は全体が金属製です。持ち運びや現場での取り扱いの頻度が高いほど、この差が実感しやすくなります。
結論として、どちらが正解ということはありません。 ドラムセットのような多マイク環境でのかぶりの少なさを重視するならi5、業界標準としての実績と素直な中域を重視するならSM57、という選び方になります。SM57そのものの特性はSHURE SM57の単体レビューで解説しています。
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|---|---|---|---|
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i5が唯一の正解ではありません。用途や環境が違えば答えも変わります。
| マイク | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| SHURE SM57-LCE | ¥15,950(2026.09.19時点) | 業界標準としての実績と、素直な中域の特性を重視する人。詳しくはSHURE SM57の単体レビューで解説しています |
| SHURE SM58 | — | 楽器ではなく声を録りたい人。詳しくはSHURE SM58の単体レビューで解説しています |
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分かれ目は単純です。多マイクのドラムセットでかぶりを抑えたいならi5、業界標準の実績と中域のまとまりを取るならSM57、静かな部屋でコンデンサーマイクの解像度を取るならAT2020、という並びになります。
AUDIX i5は、SM57との比較企画がGearspaceで繰り返し行われてきたマイクです。周波数特性の実測比較では、i5が3.5kHz付近で約2.5dB高域寄りに持ち上がる一方、500Hz付近と1.5kHz付近でわずかに凹む特性が報告されています。この特性差から、i5のほうが明るく前に出て聞こえるという評価がある一方、中域が痩せて聞こえるとしてSM57のまとまりを支持する声も見られ、意見は割れています。
用途別では傾向がはっきりしています。スネアドラムのトップマイクとして使う比較テストでは、i5がハイハットなど隣接する音源からのかぶりをSM57より抑えられるという報告が複数あり、多マイクのドラムセット収録における実用上の優位性として評価されています。一方、歪んだロック・メタル系のギターアンプでは、SM57のまとまった中域を好むエンジニアも根強く、用途次第で評価が入れ替わる関係です。ボディについては、i5の全金属構造がSM57(グリル以外にポリカーボネートを含む構成)より頑丈という指摘があります。
複数のソースで一致しているのは、どちらも水準は高く、収録する音源と状況によって優劣が入れ替わるという見方です。i5の3kHz付近の持ち上がりは、ギター録音では硬さとして出る場合があるとの指摘もあり、EQでの微調整や設置位置の調整でカバーする運用が実務的な落としどころです。
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