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ダイナミックマイク / REVIEW

距離を詰めても音色が変わりにくいから、声にもキックドラムにも使い回せるマイク|
Variable-D構造で近接効果を抑え、声にも太鼓にも同じ1本で対応できる

2026.09.17 公開
距離を詰めても音色が変わりにくいから、声にもキックドラムにも使い回せるマイク
MODEL
RE20
CONCLUSION
声も低音楽器も同じマイクで録りたいなら、Electro-Voice RE20が候補になります。理由は3つです。Variable-D構造によってマイクに近づいても音色が大きく変わらないこと、45Hz〜18,000Hzの幅広い周波数特性と大型ダイアフラムでキックドラムのような低音楽器にも対応できること、スチール筐体とハムバッキングコイルで電磁ノイズに強いことです。ただしダイナミックマイクのためXLR入力を持つオーディオインターフェイスが別途必要で、感度1.5mV/Pascalはコンデンサーマイクより低いため、ゲインに余裕のある機材が前提になります。

「近づいても音が変わらない」放送用マイクの理由CONCLUSION

Electro-Voiceの RE20 は、1968年から作り続けられている放送用のダイナミックカーディオイドマイクです。ラジオ局のアナウンスブースだけでなく、キックドラムやギターアンプの収録用としても長く使われてきました。

このマイクが評価される理由は3つあります。

1. Variable-D構造による近接効果の抑制。 公式資料によれば、指向性マイクに近づくほど低音が持ち上がる「近接効果」を、独自のVariable-D構造によって抑えています。声を近づけて収録しても音色が大きく変わりません。

2. 45Hz〜18,000Hzの幅広い周波数特性。 大型のAcoustalloyダイアフラムと低質量アルミボイスコイルの組み合わせで、キックドラムのような低音楽器の収録にも対応する特性を持っています。

3. スチール筐体とハムバッキングコイルによる電磁シールド。 パソコンやモニターの近くにマイクを置く配信・放送環境でも、電源由来のハムノイズを拾いにくい設計です。

ただし、ダイナミックマイクという構造上の前提があります。RE20はXLR接続のダイナミックマイクで、USB接続はできません。 マイクプリアンプかXLR入力を持つオーディオインターフェイスが別途必要です。また感度は1.5mV/Pascalで、一般的なコンデンサーマイク(10mV/Pascal前後が多い)より低いため、ゲインに余裕のある機材との組み合わせが前提になります。

放送用ダイナミックマイクを選ぶ基準CRITERIA

比較の軸を先に決めます。

  • XLR入力とゲインに余裕のあるオーディオインターフェイスを用意できるか。 ダイナミックマイクはUSB接続ができないため、これが無いと単体では使えません。
  • 声だけでなく低音楽器にも使い回したいか。 Variable-D構造と45Hz〜18,000Hzの特性は、キックドラムやアンプ収録との兼用を考える人ほど効いてきます。
  • パソコン・モニターの近くで使うか。 電磁シールド性能の高いマイクは、配信デスクでのハムノイズに悩まされにくくなります。

スペックの要点SPEC

Electro-Voice公式データシートの記載です。

項目内容
マイク方式ダイナミック型
指向性カーディオイド
周波数特性45Hz〜18,000Hz
インピーダンス150Ω(バランス)
感度(開放電圧・1kHz)1.5mV/Pascal
ハムピックアップレベル-130dBm(60Hz・1ミリエルステッド磁界、標準値)
極性ピン2がピン3に対して正極性(振動板に正圧時)
ケース素材スチール
仕上げフォーンベージュ
外形寸法全長216.7mm・最大径54.4mm・本体径49.2mm
重量正味737g
付属品スタンドクランプ81715
別売品ショックマウント式スタンドアダプター309A

数字のままでは判断できないので、意味を訳します。

感度1.5mV/Pascal。 コンデンサーマイク(10mV/Pascal前後が多い)よりかなり低い出力です。ダイナミックマイク全般に共通する傾向として、コンデンサーマイクよりゲインを多めに要求します。オーディオインターフェイス側のゲイン上限を確認したうえで組み合わせてください。

ハムピックアップレベル-130dBm。 電源由来のハムノイズをどれだけ拾うかの指標で、値が低いほど電磁シールドの効果が高いことを意味します。スチール筐体とハムバッキングコイルによる遮蔽性能が数値として裏付けられています。

周波数特性45Hz〜18,000Hz。 低域が45Hzまで伸びており、キックドラムのような低音楽器の収録にも対応する特性です。

重量737g。 手持ちで使うマイクではなく、ブームアームやマイクスタンドに固定して使う前提の重さです。

近接効果とシールド性能の実際FEATURES

Variable-Dが近接効果を打ち消す。 一般的な指向性マイクは音源に近づくほど低音が過剰に持ち上がりますが、RE20はVariable-D構造によってこの現象を抑えています。歌声を近づけて録っても、低音楽器に近接させても、音色の破綻が起きにくい設計です。

大型ダイアフラムでコンデンサーマイク並みのレンジを、無電源で実現。 Acoustalloyダイアフラムと低質量アルミボイスコイルの組み合わせにより、ダイナミックマイクでありながらコンデンサーマイクに匹敵する特性を持ちます。ファンタム電源が不要なため、電源トラブルによる音割れの心配もありません。

バスチルトスイッチで低域を調整できる。 本体のスイッチで低域を400Hz〜100Hzの範囲でなだらかに下げられます。近接収録で低音が膨らみすぎたときに、その場で調整できます。

どこで買うかPRICE

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楽天市場¥192,5002026.10.12 取得時点の実売価格楽天市場で見る
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同じ用途で比べられる3本ALTERNATIVES

RE20が唯一の正解ではありません。価格と用途で答えが変わります。

マイク税込向いている人
SHURE SM7B¥60,940価格を抑えつつ放送用の定番を選びたい人。詳しくはSHURE SM7Bの単体レビューで解説しています
SHURE SM58¥15,950放送用途ではなく、歌ってみたや弾き語りの録音をメインにしたい人
audio-technica AT2020¥13,200最安静かな部屋があり、ゲイン不足を気にせず使いたい人。違いはコンデンサーマイクとダイナミックマイクの違いで解説しています

(SM7Bは2026.08.27、SM58は2026.09.14、AT2020は2026.09.07、RE20は2026.09.17時点の楽天市場での実売価格)

分かれ目は価格と用途です。同じ放送用ダイナミックでも価格を抑えたいならSM7B、歌ってみたや弾き語りが中心ならSM58、静かな部屋でゲイン不足を気にせず使いたいならAT2020、キックドラムなど低音楽器との兼用まで考えるならRE20、という並びになります。RE20とSM7Bの価格差はおよそ17万円あり、この差の大半はキックドラムのような低音楽器まで守備範囲に収める汎用性に対する価格です。

使った人は何と言っているかREPUTATION

海外のレコーディング・放送関連のフォーラムでは、RE20はキックドラムやギターアンプなど太い音の近接録りにおける定番として繰り返し名前が挙がり、Variable-D構造によって距離を詰めても音色が大きく変わらない点が高く評価されています。ある投稿では「ほぼ何にでも合う、最良のダイナミックマイクの一つ」という評価まで見られ、数十年にわたって設計が変わっていないにもかかわらず現役の定番として扱われている点も繰り返し触れられています。Podcastageのレビューは、背景ノイズの遮断性能と刺さらない伸びやかな高域を評価する一方、非常に歯擦音の強い声には不向きな場合があると指摘しています。

ゲインについては、Gearspaceのフォーラムでは、SM7Bほどではないものの相応のゲインが要るという見方が出ており、公式データシートの感度1.5mV/Pascal(SM7Bは1.12mV/Pascal)とおおむね整合する内容です。声との相性は万能ではないという指摘もあり、放送用途を離れると評価ほどの万能さはないとする辛口のレビューもあります。同じレビューでは、価格の高さと本体の重さ・かさばりを、他のダイナミックマイクと比べたときの弱点として挙げています。

実務的には、キックドラムやナレーションなど太い低音を活かしたい用途で評価が高く、声質によっては試聴してから判断するのが無難です。ゲインに余裕のあるオーディオインターフェイスの用意と、スタンド固定を前提にした設置場所の確保も、購入前に見込んでおく点になります。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • XLR入力とゲインに余裕のあるオーディオインターフェイスを用意できない人。 ダイナミックマイクはUSB接続ができず、単体では使えません。
  • 手持ちで動きながら収録したい人。 重量737gでブームアームやスタンドへの固定が前提の形状です。
  • 価格を抑えて放送用マイクを揃えたい人。 本体だけで23万円前後です。予算を抑えたいならSHURE SM7Bのような機種のほうが総額を読みやすくなります。

次に読むNEXT

スペックの出典SOURCES

  • Electro-Voice公式製品ページ https://products.electrovoice.com/na/es/re20
  • Electro-Voice RE20データシート(PDF) https://products.electrovoice.com/download/970110

価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.10.12時点)。

評判の参照元:

  • Podcastage「Electro Voice RE20 Review / Test」 https://podcastage.com/rev/re202
  • Gearspace「re-20 vs re-320」 https://gearspace.com/threads/re-20-vs-re-320.647185/
  • Gearspace「Electro-Voice RE-20, current or vintage?」 https://gearspace.com/threads/electro-voice-re-20-current-or-vintage.452565/
  • Microphone Geeks「Electro-Voice RE20 Broadcast Dynamic Microphone Review」 https://microphonegeeks.com/electro-voice-re20-broadcast-dynamic-microphone-review/

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