配信・ポッドキャストのマイク特集で必ず登場する機種のひとつが、SHUREのSM7Bです。放送・ナレーション用に設計されたダイナミックマイクで、ラジオブースや報道番組の卓上マイクとしても使われてきました。
このマイクが評価される理由は3つあります。
1. 電磁ノイズへの遮蔽性。 Shure公式は「電磁ハム・ノイズに対する遮蔽性の向上により、コンピュータ・モニターによって生じる放送干渉をシャットアウト」すると説明しています。パソコン・モニターのそばにマイクを置く配信環境と相性が良い設計です。
2. 内蔵ポップフィルターが強力。 Shure公式によれば「高性能なポップ・フィルタを搭載」しており、「突発的なブレス・ノイズに対する保護対策を追加する必要がまったくない」設計です。別売りのポップガードなしでも吹かれ対策ができています。
3. 周波数特性を切り替えられる。 背面のスイッチで低音域ロールオフとミッドレンジ強調(プレゼンスブースト)を切り替えられ、声質や部屋の環境ノイズに応じて特性を調整できます。
ただし、この評価には前提条件があります。SM7Bは感度が低く、多くの入門〜中位クラスのオーディオインターフェイスでは音量が足りません。 Shure公式も「SM7Bの感度は-59dBで、多くの入門・中位クラスのプリアンプが供給できるより多くのゲインを必要とします。プリアンプのゲインが60dB未満の場合は、インラインブースターアンプかより強力なプリアンプを使用してください」と明記しています。買う前に、手持ちのオーディオインターフェイスのゲイン上限を確認してください。
比較の軸を先に決めます。
Shure公式のユーザーガイドに記載された数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイク方式 | ダイナミック型(ムービングコイル) |
| 指向性 | カーディオイド(単一指向性) |
| 周波数特性 | 50Hz〜20,000Hz |
| 出力インピーダンス | 150Ω |
| 感度 | -59dBV/Pa(1.12mV、1kHz時) |
| ハムノイズ拾得量 | 11dB(60Hz、typical) |
| 重量 | 0.764kg |
| 筐体 | ダークグレーのエナメル塗装アルミ+スチール製ケース、ダークグレーのフォーム製ウインドスクリーン付属 |
数字のままでは判断できないので、意味を訳します。
感度-59dBV/Pa — SM58(-56.0dBV/Pa)やSM57(-56.0dBV/Pa)よりさらに低い出力です。Shure公式が「多くの入門・中位クラスのプリアンプが供給できるより多くのゲインを必要とする」と明記しているとおり、ゲイン不足のオーディオインターフェイスでは音量が小さすぎ、ノイズが目立つ結果になります。60dB以上のゲインが出せる機材か、インラインブースターアンプの併用が前提です。
ハムノイズ拾得量11dB(60Hz) — 電源由来のハムノイズをどれだけ拾うかの指標です。パソコンやモニターの近くにマイクを置く配信・宅録環境で、電磁シールドの効果が数値として裏付けられています。
重量0.764kg — SM58(0.33kg)やSM57(0.284kg)と比べてかなり重量があります。手持ちで使うマイクではなく、ブームアームやマイクスタンドに固定して使う前提の重さです。
周波数特性 50Hz〜20,000Hz — SM58・SM57(いずれも上限15,000Hz)より高域まで伸びています。ナレーションや歌声の高域の空気感まで拾いやすい特性で、放送・レコーディング用途に向いた設計です。
背面の周波数特性切り替えスイッチ。 フラット(標準設定)・ベースロールオフ(エアコンや交通ノイズ由来の低音ハムを抑える)・プレゼンスブースト(中音域を持ち上げて声の明瞭感を上げる)の3つを、マイクを使用中でも切り替えられます。
エアーサスペンション式の衝撃アイソレータ。 Shure公式は「メカニカル・ノイズの伝達を事実上完全に排除」すると説明しています。デスク上での操作音やケーブルの取り回しによる振動音を拾いにくくなっています。
標準ウインドスクリーンに加えA7WSが付属。 通常のウインドスクリーンに加えて、より接近して話す用途向けの大型ウインドスクリーンA7WSが同梱されます。距離を詰めて収録するナレーション用途でも、吹かれ対策を追加購入せずに始められます。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥69,300 | 2026.08.25 取得時点の実売価格(本体単品) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | 「SHURE SM7B」での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | 未掲載 | 取り扱いあり。価格はリンク提携後に掲載します | — |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
SM7Bが唯一の正解ではありません。ゲイン不足の悩みを避けたいなら、他の選択肢もあります。
| マイク | 種類 | 向いている人 |
|---|---|---|
| SHURE MV7+ | ダイナミック(USB/XLR両対応) | ゲイン不足を気にせずデジタルで音量を確保したい人。詳しくはSHURE MV7+の単体レビューで解説しています |
| audio-technica AT2020 | コンデンサー | 静かな部屋があり、追加のゲインブースターなしで十分な音量を得たい人。違いはコンデンサーマイクとダイナミックマイクの違いで解説しています |
| SHURE SM58 | ダイナミック(ボーカル向け) | 放送用途ではなく、歌ってみたや弾き語りの録音がメインの人 |
分かれ目はゲインです。手持ちの機材で60dB以上のゲインを確保できるならSM7B、確保できないかインラインブースターアンプを追加購入したくないならMV7+のようなUSB接続で音量を確保できるマイク、という並びになります。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.08.25時点)。カタログ記載価格(¥39,800)は本体単品の実売価格(¥69,300)と大きく乖離していたため、本体単品出品で価格を再検証しました。