JBL 305P MkIIは、上位モデル306P MkIIと同じくImage Control Waveguideという導波管構造を採用しながら、ウーファーを5インチ(126mm)に抑えたモデルです。同じ設計思想を、より小さく・より手頃な価格で使える立ち位置になります。
選ばれる理由は3つです。
1. 306P MkIIより一回り小さい。 306P MkIIのウーファーは6.5インチですが、305P MkIIは5インチです。外形寸法も298×185×231mmと、306P MkIIよりコンパクトで、デスクの上に常設しやすいサイズです。
2. 聞く位置による音の変化が少ない。 Image Control Waveguideの効果で、正面から外れた位置でも音の印象が大きく崩れにくい設計です。1人で正面に座って作業するだけでなく、複数人で確認する場面がある人に向いています。
3. 壁際設置への配慮がある。 背面にHFトリムとバウンダリEQのスイッチを備えており、壁に近い場所に置かざるを得ない環境でも低域の膨らみを抑えやすくなっています。
モニタースピーカーは音を心地よく聞かせる機材ではなく、録音のアラをそのまま聞くための機材です。この前提の詳しい違いは別記事に譲ります。
すべてJBL公式ページ(jblpro.com)の記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ユニット構成 | 5インチ(126mm)ロングスロー・ウーファー+1インチ(25mm)織り込み複合素材ネオジムソフトドームツイーター |
| クロスオーバー | 1725Hz(4次 Linkwitz-Riley) |
| アンプ出力 | 41W+41W(デュアルClass-D、トータル82W) |
| 最大音圧レベル | 連続94dB/ピーク108dB |
| 再生周波数帯域 | 49Hz-20kHz(±3dB)/拡張レンジ 43Hz-24kHz(-10dB) |
| 入力感度 | 92dB@1m(-10dBV入力時) |
| S/N比 | 75dBA(A-Weighted) |
| 全高調波歪率 | 0.2%(1kHz/2.83Vrms出力時) |
| 入力端子 | XLR(バランス)×1、TRS(バランス)×1、入力感度切替(+4dBu/-10dBV) |
| 外形寸法 | 298(高さ)×185(幅)×231(奥行き)mm |
| 質量 | 約4.73kg(1本あたり) |
Image Control Waveguide — ツイーターの周囲に成形されたガイドを配置し、音の広がり方(指向性)を制御する構造です。一般的な小型モニターは正面から外れるほど高域が減衰しますが、この構造によって減衰の度合いが緩やかになります。306P MkIIと同じ設計思想を、5インチサイズのボディに収めています。
アンプ出力 トータル82W — 306P MkII(トータル112W)よりは控えめですが、同クラスの5インチモニター(YAMAHA HS5のトータル70W)と比べると同等かやや余裕がある水準です。出力の大きさは音量の上限に関わる数字であり、音質の良し悪しとは別軸の指標です。
入力感度切替 +4dBu/-10dBV — 業務用機器の標準的な信号レベル(+4dBu)と、民生用機器の信号レベル(-10dBV)を切り替えられます。オーディオインターフェースとの組み合わせで音量バランスが極端に変わる場合、この設定が合っていない可能性があります。
背面のHFトリム・バウンダリEQ — HFトリムは高域を±2dB、バウンダリEQは50Hz付近の低域を最大-3dB調整できるスイッチです。壁に近い場所へ設置したときに低域が過剰に膨らむのを抑えるなど、設置環境に応じた微調整に使います。
| 販売形態 | ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|---|
| 1本 | 楽天市場 | ¥32,450 | 2026.09.09 取得時点の実売価格(mask dB) | 楽天市場で見る |
| ペア(2本) | 楽天市場 | ¥52,580 | 2026.09.09 取得時点の実売価格(ミュージックランドKEY EAST) | 楽天市場で見る |
| — | Amazon | リンク先で確認 | JAN 0691991007705 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| — | サウンドハウス | リンク先で確認 | 「JBL 305P MkII」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
1本とペアは別店舗の出品で、1本価格を2倍すると¥32,450×2=¥64,900となり、この時点ではペア売り(¥52,580)のほうが2本買いより安くなっています。出品と時期で逆転するため、購入時に両方を見比べてください。中古市場では相場が大きく変動するため、中古を検討する場合は別途価格を確認してください。
305P MkIIが唯一の正解ではありません。同じ5インチクラスの主要機種と比べます。
| 機種 | 税込(1本) | 向いている人 |
|---|---|---|
| YAMAHA HS5 | ¥24,200最安 | 価格を抑えつつ味付けの少ない基準器が欲しい人 |
| ADAM Audio T5V | ¥28,600 | 高域の解像感を重視したい人 |
| KRK RP5 G5(Rokit 5 Generation Five) | ¥39,600 | 低域の量感を重視し、部屋補正アプリも使いたい人 |
(価格はいずれも2026.09.09時点の楽天市場での実売価格、1本あたり)
305P MkIIはこの3機種のほぼ中間の価格帯です。価格を抑えたいならHS5、高域の解像感を求めるならT5V、低域の量感を重視するならRP5 G5という住み分けになります。305P MkIIは、Image Control Waveguideによる指向性の広さと、上位機と共通の設計思想を持ちながら価格を抑えたい人に向いた選択です。
305P MkIIは価格帯を考えると評価が高いモデルです。allthingsgearのレビューは、この価格帯の中では音質面で上位に位置づけられる一台だと評価しており、背面のHFトリムとバウンダリEQのスイッチで、壁際設置時の低域の膨らみを実務的に抑えられる点も評価されています。
一方、測定を伴うerinsaudiocornerのレビューでは、1.6〜1.8kHz付近に約+3dBのピークがあり、ボーカルが前に張り出して聞こえる傾向があると指摘されています。225Hz付近のディップも報告されており、中低域のバランスにクセがあるという評価です。allthingsgearも、5インチウーファーという構成上、低域には限界があるとしてサブウーファーとの併用を勧めています。出力についても、内蔵DSPのリミッターにより1m実測で96〜102dB程度に制限されており、大音量でのファーフィールド用途には向かないという分析があります。同じ測定データを扱うAudio Science Reviewのフォーラムでは、100〜300Hz帯域の共鳴を指摘する声がある一方、前モデルからの改善を評価するコメントもあり、実売価格の上昇に見合う進化かどうかで意見が分かれています。
楽天のユーザーレビューは2件・平均4.0です(2026.09.09取得)。5点と3点が1件ずつという内訳で、件数として傾向を読める段階ではありません。総じて、価格を踏まえれば十分な解像感を持つ一方、中域のピークと限られた低域は、ニアフィールドでの近接使用を前提に受け止めるのが実務的です。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は各表に記載しています。
評判の参照元: