JBL 306P MkIIは、スタジオモニターの中でも「Image Control Waveguide」という独自の導波管構造を前面に押し出したモデルです。ツイーターの周りに専用の形状のガイドを設けることで、音の広がり方をコントロールしています。
選ばれる理由は3つです。
1. 聞く位置による音の変化が少ない。 一般的なスピーカーは正面から外れるほど高域が減って聞こえます。306P MkIIはウェーブガイドの効果で、この変化が比較的緩やかです。1人で正面に座って作業するだけでなく、複数人で確認する場面がある人に向いています。
2. アンプ出力に余裕がある。 トータル112Wと、同クラスの他機種より高い出力を積んでいます。音量を上げたときの余裕につながる数字です。
3. 壁際設置への配慮。 背面ポートの位置や、低域を調整するスイッチが用意されており、壁に近い場所に置かざるを得ない環境でも低域の膨らみを抑えやすくなっています。
モニタースピーカーは音を心地よく聞かせる機材ではなく、録音のアラをそのまま聞くための機材です。この前提の詳しい違いは別記事に譲ります。
306P MkIIは「聞く位置の自由度」と「壁際設置のしやすさ」を優先したい人に向いた選択です。
すべてJBL公式ページ(jblpro.com)の記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ユニット構成 | 6.5インチ(165mm)ウーファー+1インチ(25mm)ソフトドームツイーター |
| 再生周波数帯域 | 47Hz-20kHz(±3dB)/拡張レンジ 39Hz-24kHz(-10dB) |
| アンプ出力 | HF 56W+LF 56W(デュアルClass-D、トータル112W) |
| 最大音圧レベル | 連続92dB/ピーク110dB |
| 外形寸法 | 約361(高さ)×224(幅)×282(奥行き)mm |
| 質量 | 約6.1kg(1本あたり) |
| 入力端子 | XLR(バランス)×1、TRS(バランス)×1、入力感度切替(+4dBu/-10dBV) |
Image Control Waveguide — ツイーターの周囲に成形されたガイドを配置し、音の広がり方(指向性)を制御する構造です。一般的な小型モニターは正面から外れるほど高域が減衰しますが、この構造によって減衰の度合いが緩やかになります。1人で座って作業する分にはメリットを感じにくい一方、部屋の中を動き回りながら確認する、複数人で聞く、といった使い方では実用的な差になります。
アンプ出力 トータル112W — 同クラスの他機種(HS5のトータル70W、ROKIT 5のトータル55W)と比べると出力に余裕があります。ただし出力の大きさは音量の上限に関わる数字であり、音質の良し悪しとは別軸の指標です。
入力感度切替 +4dBu/-10dBV — 業務用機器の標準的な信号レベル(+4dBu)と、民生用機器の信号レベル(-10dBV)を切り替えられます。オーディオインターフェースとの組み合わせによって音量バランスが極端に変わる場合、この設定が合っていない可能性があります。
背面の低域調整スイッチ — 壁に近い場所へ設置したときに低域が過剰に膨らむのを抑えるためのスイッチです。棚や壁際にしか置けない環境では、この機能の有無が実用性に直結します。
| 販売形態 | ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|---|
| 1本 | 楽天市場 | ¥37,400 | 2026.08.27 取得時点の実売価格(mask dB) | 楽天市場で見る |
| ペア(2本) | 楽天市場 | ¥80,960 | 2026.08.25 取得時点の実売価格(サンミューズ) | 楽天市場で見る |
| — | Amazon | リンク先で確認 | JAN 0691991007828 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| — | サウンドハウス | リンク先で確認 | 「JBL 306P MkII」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
1本とペアは別店舗の出品で、1本価格を2倍すると¥37,400×2=¥74,800となり、この時点ではペア売り(¥80,960)より2本買いのほうが安くなっています。出品と時期で逆転するため、購入時に両方を見比べてください。中古市場では相場が大きく変動するため、中古を検討する場合は別途価格を確認してください。
306P MkIIが唯一の正解ではありません。同じ価格帯の主要機種と比べます。
| 機種 | 税込(1本) | 向いている人 |
|---|---|---|
| YAMAHA HS5 | ¥19,250最安 | 価格を抑えつつ味付けの少ない基準器が欲しい人 |
| KRK ROKIT 5 Generation Five | ¥24,750 | 低域の量感を重視し、部屋補正アプリも使いたい人 |
| ADAM Audio T5V | ¥28,600 | 高域の解像感を重視したい人 |
(価格はいずれも2026.08.25時点の楽天市場での実売価格、1本あたり)
306P MkIIはウーファーが6.5インチとこの3機種の中で最も大きく、価格も最も高めです。低域の物理的な余裕と指向性の広さに対価を払う機種だと考えると位置づけが分かりやすくなります。価格を抑えたいならHS5、低域の味付けを求めるならROKIT 5、という住み分けです。
306P MkIIは価格帯を考えると評価が高い機種です。Gearspaceのレビューでは「サイズから想像できないほど広いステレオイメージ」「Image Control Waveguideのおかげで、聞く位置が中心からずれても定位が崩れにくい」という評価が繰り返され、この点はメーカーが謳う設計思想と実際の評判が一致しています。
一方で不満点もあります。Gearspaceには「1.6kHz付近にディップ(落ち込み)があるのでは」という投稿があり、実際にこの帯域の落ち込みは中立性に影響すると評価するレビューもあります。ただしEQで比較的簡単に補正できる程度という見方が多く、致命的な欠陥として扱われてはいません。本体にはBoundary EQ(低域補正)とHF Trim(高域補正)のスイッチが備わっており、設置環境や好みに応じて特性を調整できる設計になっています。
このモデルは楽天のレビュー件数が確認できず、国内での評価傾向は不明です。総じて「価格のわりに十分な情報量と広い音場」という評価が多く、中域のクセを許容できるかどうかが判断の分かれ目になります。実務的には、中域の楽器(ボーカルやギター)を扱う際に不自然な張り出しがないか、意識して聞く習慣が有効です。他社の基準器と併用して聞き比べれば、この帯域のクセを把握したうえで使いこなせます。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は各表に記載しています。
評判の参照元: