スタジオでもDTM系の動画でも頻繁に映り込む、黄色いウーファーのスピーカー。それがKRKのROKITシリーズです。ROKIT 5 Generation Fiveは現行の第5世代で、5インチウーファーを積んだ標準的なサイズのモデルです。
選ばれる理由は3つです。
1. 低域の下限が広い。 ±3dBで54Hz、拡張レンジでは43Hzまでの再生をうたっています。同クラスの他機種と比べても低域方向への余裕があり、キックやベースの土台を確認しやすい特性です。
2. 無料アプリでの簡易補正。 KRKは自社アプリでスピーカーの周波数特性を測定し、部屋の影響をある程度補正する機能を無料で提供しています。専用の測定機材がなくても、置き場所による音の偏りを減らす手段があるのは、他の同価格帯の機種にはあまりない強みです。
3. 世代を重ねた実績。 Generation Fiveという名前の通り、世代交代を繰り返しながら作り続けられています。設置や設定でつまずいたときの情報が探しやすいのは、長く売れているモデル共通の利点です。
モニタースピーカーは音を心地よく聞かせる機材ではなく、録音のアラをそのまま聞くための機材です。この前提の詳しい違いは別記事で扱います。
ROKIT 5 Generation Fiveは「低域の量感」と「部屋補正のしやすさ」を優先したい人に向いた選択です。
すべてKRK公式ページの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ユニット構成 | 5インチ ケブラー系アラミド繊維コーンウーファー+1インチシルクドームツイーター |
| 再生周波数帯域 | 54Hz-30kHz(±3dB)/拡張レンジ 43Hz-40kHz |
| アンプ出力 | LF 35W+HF 20W(トータル55W、ダイナミックピーク130W) |
| 最大音圧レベル | 104dB |
| 外形寸法 | 288(高さ)×191(幅)×242(奥行き)mm |
| 質量 | 4.95kg(本体、1本あたり)/6.5kg(梱包時) |
| 入力端子 | バランスXLR/1/4インチTRSコンボ×1 |
再生周波数帯域 43Hz-40kHz(拡張レンジ) — ±3dBの基準では54Hzからですが、拡張レンジの表記では43Hzまで伸びています。43Hzはピアノの最低音域に近い低さで、この帯域まで再生できると、ベースの一番低い成分まで機材のせいで聞こえない、という事態が起きにくくなります。ただし拡張レンジの数値は基準がゆるい分、体感差ほど大きくは開かない点も踏まえておいてください。
アンプ出力 トータル55W、ダイナミックピーク130W — 通常時の出力は55Wですが、瞬間的な音の強弱に対応するピーク出力は130Wと余裕を持たせています。ドラムの一撃のような瞬発的に大きい音でも、音が潰れにくい設計だと理解しておくとよい数字です。
最大音圧レベル104dB — 「機材が歪まずに出せる音量の上限」の目安です。宅録・自宅DTMで必要になる音量を大きく上回っており、この項目で不足を感じる場面はまずありません。
ケブラー系アラミド繊維コーン — 一般的な紙製コーンより硬く軽い素材です。振動板が変形しにくいため、大きな音量でも音が濁りにくいという特性があります。黄色い色はこの素材そのものの色で、着色による演出ではありません。
| 販売形態 | ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|---|
| 1本 | 楽天市場 | ¥39,600 | 2026.08.27 取得時点の実売価格(サンミューズ) | 楽天市場で見る |
| ペア(2本) | 楽天市場 | ¥79,200 | 2026.08.25 取得時点の実売価格(アイキョク) | 楽天市場で見る |
| — | Amazon | リンク先で確認 | JAN 0711106142234 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| — | サウンドハウス | リンク先で確認 | 「KRK RP5G5」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
ROKIT 5 Generation Fiveは1本価格(¥39,600)を2倍するとペア価格(¥79,200)とほぼ一致しており、まとめ買いによる割引はほぼ見られませんでした。1本ずつ買い足す予定がある場合でも、価格面での不利は小さいです。
ROKIT 5 Generation Fiveが唯一の正解ではありません。同じ5インチクラスの主要機種と比べます。
| 機種 | 税込(1本) | 向いている人 |
|---|---|---|
| YAMAHA HS5 | ¥19,250最安 | 味付けの少ない基準器としてまず1台欲しい人 |
| JBL 306P MkII | ¥37,400 | 部屋の中で聞く位置が変わりやすく、定位の安定を重視したい人 |
| ADAM Audio T5V | ¥28,600 | 高域の伸びや解像感を重視したい人 |
(価格はいずれも2026.08.25時点の楽天市場での実売価格、1本あたり)
分かれ目は「低域に味付けがあってもいいか」です。HS5は低域を持ち上げずに素直に鳴らす方向、ROKIT 5は低域の量感をやや前に出す方向と考えると選びやすくなります。低域の迫力を感じながら作業したい人はROKIT 5、基準を作ることを優先したい人はHS5、という住み分けです。
ROKIT 5シリーズは代を重ねても評価の構図があまり変わらない機種です。MusicRadarなどのレビューでは「EDMやヒップホップ向けに低域が前に出る」と評価される一方、Gearspaceでは「最初は迫力があると感じても、使い込むほど低域が不自然に持ち上がっているだけだと分かってくる」という指摘が繰り返されています。第一印象の良さと、慣れたあとの評価が食い違いやすい機種だという見方です。
具体的な不満としては、低域が誇張されているぶん、部屋の音響処理が甘い環境ではブーミー(こもった低音)になりやすいという声が目立ちます。KRKはスマートフォンアプリによる部屋補正機能を搭載していますが、これを使わずに素の特性のまま鳴らすと低域の膨らみが強く出るという報告もあります。一方で「タイトで温かみのある低域」「パンチが効いている」と好意的に評価するレビューも一定数あり、低域の量感そのものは好みが分かれる要素になっています。
このモデルは楽天のレビュー件数が確認できず、国内での評価傾向は不明です。実務的には、低域の判断に自信が持てない場合は、まずアプリの部屋補正機能を使ったうえで評価するのが妥当です。低域の迫力を魅力に感じて選ぶこと自体は否定されるものではありませんが、その迫力がミックスの正確な低域判断を妨げる可能性は理解したうえで使う必要があります。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は各表に記載しています。
評判の参照元: