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モニタースピーカー / REVIEW

YAMAHA HS5|
宅録の「とりあえずこれ」が、なぜ今も正解であり続けるのか

2026.07.03 公開 / YAMAHA / JAN 4957812532921
楽天レビュー 5.0(2件)
YAMAHA HS5
MODEL
HS5
I/O
XLR3-31(バランス)×1、フォーン(バランス)×1
実売(税込)
¥21,870
CONCLUSION
初めてのモニタースピーカーを1台選ぶなら、YAMAHA HS5が今も第一候補です。理由は3つ。5インチウーファーで低域までひと通り確認できる余裕があること、白いコーンの「素の音を出す」思想が長年変わっていないこと、そして情報量が多く困ったときの手がかりが豊富なことです。

白いウーファーが宅録の定番であり続ける理由CONCLUSION

DTM機材を調べ始めると、ほぼ必ず候補に挙がるのがこのHS5です。YAMAHAが長年作り続けているHSシリーズの中核モデルで、白いウーファーのコーンが目印になっています。

長く定番であり続ける機材には理由があります。HS5の場合は3つです。

1. 低域まで確認できるサイズ感。 5インチ(約13cm)ウーファーを積んでおり、宅録用の小型モニターの中では低音の見通しが利くほうです。ベースラインやキックの土台を、机の上に置けるサイズのまま確認できます。

2. 「素の音を出す」という一貫した思想。 モニタースピーカーは音を心地よく加工するための機材ではなく、録った音をそのまま聞くための機材です。HSシリーズは発売以来この方向性を変えていません。低域を持ち上げて気持ちよく鳴らす一般的なスピーカーとは、そもそも目的が違います。

3. 情報量の多さ。 長く売れているモデルなので、設置や調整でつまずいたときの解説記事や動画が大量にあります。スペック表には出てこない価値ですが、初めての1台では実際に効いてきます。

なお、モニタースピーカーとリスニング用スピーカーの違いをもう少し詳しく知りたい方向けの解説は別記事に譲ります。ここでは「アラを隠さずに聞くための機材」とだけ押さえておけば十分です。

モニタースピーカー選びで見るべき軸CRITERIA

比較の軸を先に決めます。初めてのモニタースピーカーに必要な条件は次の3つです。

  • 低域がどこまで見えるか。 ウーファーが小さいほど低音の再現に限界が出ます。特にキックやベースの処理をする人ほど、ここでの余裕が作業効率に直結します。
  • 設置場所に収まるか。 モニタースピーカーは基本的に机の上、耳の高さ、左右対称の位置に置きます。奥行きや重さが設置環境に合わなければ、良い音以前の問題になります。
  • 1本か、ペアか。 モニタースピーカーは1本単位で販売されることが多いジャンルです。ステレオで使うには2本必要になるため、価格を見るときは常に「これは1本の値段か、ペアの値段か」を確認する必要があります。

HS5はこの中で「低域の余裕」を優先したいDTM初心者に向いた選択です。

スペックの要点SPEC

まず数値を並べます。すべてYAMAHA公式ページの記載です。

項目内容
ユニット構成5インチウーファー+1インチドームツイーター(2way・バスレフ型)
再生周波数帯域54Hz-30kHz(-10dB)/74Hz-24kHz(-3dB)
アンプ出力LF 45W+HF 25W(バイアンプ、トータル70W)
外形寸法170(幅)×285(高さ)×222(奥行き)mm
質量5.3kg(1本あたり)
入力端子XLR3-31型(バランス)×1、フォーン型(バランス)×1
最大音圧レベル公式ページに記載なし(未確認)

数字のままでは判断できないので、効いてくる項目を訳します。

再生周波数帯域 54Hz〜 — 「どこまで低い音を再現できるか」の目安です。人の可聴域は20Hzからですが、54Hzという数値は一般的な男性ボーカルの低いほうの音域や、キックドラムの芯の周波数帯とほぼ重なります。つまりベースやキックの輪郭を、加工せずそのまま確認できる下限がここにある、という意味です。これより低い超低域(サブベースの一番下など)は別途サブウーファーが必要になります。

バイアンプ トータル70W — 低域用と高域用に別々のアンプを積む方式です。1つのアンプで全帯域を鳴らすより、それぞれの帯域に適した増幅ができるため、音量を上げたときの音の崩れが少なくなります。「大きい音を出すための数字」ではなく「音を歪ませずに鳴らすための数字」だと考えると実感が近づきます。

質量5.3kg — スピーカースタンドや棚の耐荷重を確認する際に必要な数字です。木製のカラーボックスや薄い棚に置くと、低音再生時の振動で棚自体が共振し、余計なノイズの原因になることがあります。

最大音圧レベルが未確認 — HS5は公式ページに最大音圧レベルの記載がありません。近い設計のHS8では別途数値が示されているモデルもありますが、HS5については断定できる公式数値がないため、ここでは「未確認」とだけ記載します。

どこで買うかPRICE

モニタースピーカーは1本売りとペア売りが混在するジャンルです。HS5は両方の販売形態があります。

販売形態ストア税込状況購入
1本楽天市場¥21,8702026.10.20 取得時点の新品実売価格(ワタナベ楽器 楽天SHOP)楽天市場で見る
ペア(2本)楽天市場¥34,0002026.10.20 取得時点の実売価格(島村楽器の2台セット)楽天市場で見る
—Amazonリンク先で確認JAN 4957812532921 での検索結果を開きますAmazonで見る
—サウンドハウスリンク先で確認「YAMAHA HS5」での検索結果を開きますサウンドハウスで見る

ステレオで使うにはペアで2本必要です。1本の価格を2倍しても、ペア売りの実売価格とは一致しないことがあります(HS5の場合、1本¥21,870×2=¥43,740に対し、島村楽器の2台セットは¥34,000とペアのほうが割安でした。ほかの店のペア売りは¥42,700〜¥48,400の出品が中心です)。購入前に、表のボタンから最新の価格と組み合わせをご確認ください。

同価格帯の3台と比べるALTERNATIVES

HS5が唯一の正解ではありません。同じ5インチクラスには個性の異なる機種がそろっています。

機種税込(1本)向いている人
KRK ROKIT 5 Generation Five¥24,750最安低域の量感を重視したい人。黄色いウーファーで低音が前に出る味付け
JBL 306P MkII¥37,400定位(音の位置)をはっきり聞き分けたい人。指向性の広いウェーブガイド搭載
ADAM Audio T5V¥28,600高域の伸びや解像感を重視したい人。リボン型に近い質感のツイーター

(価格はいずれも2026.08.25時点の楽天市場での実売価格、1本あたり)

分かれ目は「素の音を基準にしたいか、それとも味付けを含めて判断材料にしたいか」です。HS5は味付けを抑えた基準器としての性格が強く、これから曲を作り始める人が最初に基準を作るのに向いています。低域の迫力を先に感じたいならKRK、広い部屋で複数人が音を聞く機会が多いならJBL、という選び方になります。

使った人は何と言っているかREPUTATION

YAMAHA HS5は定番だけに賛否も含めて情報が多い機種です。Gearspaceのフォーラムでは「高域がきつい」という声が一定数あり、上位機種のHS7のほうがバランスが良いと比較する投稿も見られます。一方、測定を伴う海外レビュー(Sonarworksのブログなど)では、高域は直線性が高く癖が少ないと評価されており、実際に指摘の的になっているのは1kHz付近の中域のピークだという分析が示されています。つまり「高域が耳につく」という主観的な感想と、測定上の原因(中域の張り出し)は必ずしも一致していないという見方です。

複数のレビューで共通しているのは、長時間のミキシング作業でこの中域の張り出しが疲労感につながりやすいという指摘です。ハイハットやスネアの倍音が前に出やすく、ミックスで高域を下げすぎる判断をしてしまう恐れがあるという指摘も見られます。低域については5インチウーファーとしては十分という評価が多く、この点での不満は目立ちません。

楽天のレビューは2件・平均5.0とサンプルが極端に少なく、否定的な声を拾える件数ではありません(取得日2026.08.26)。

実務的には、HS5を基準に長時間作業をする場合、中域の張り出しを前提に「気持ちよく聞こえる高域」を信用しすぎない判断が求められます。定番だからといって無条件にフラットとは限らない、という前提で使うのが実情に近い姿勢です。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • すでに他社のモニタースピーカーで作業に慣れている人。 音の基準は一度体に馴染むと、機種を変えることでかえって判断が狂います。今の機材で不満が出ていないなら、買い替える理由は薄いです。
  • 極端に狭いデスクで使う予定の人。 HS5は奥行き222mm、質量5.3kgとやや大きめです。デスクの奥行きが浅い、あるいは複数モニターを並べる余白がない場合は、次に紹介するHS3のような小型モデルのほうが収まりが良くなります。
  • ヘッドホンだけで完結させたい人。 モニタースピーカーは部屋の反響や左右のスピーカー間隔まで含めて音を評価する機材です。作業環境が確保できず、ヘッドホンのみで完結させる方針なら、この投資の優先度は下がります。

次に読むNEXT

スペックの出典SOURCES

  • YAMAHA公式 HSシリーズ製品ページ https://jp.yamaha.com/products/proaudio/speakers/hs_series/index.html
  • YAMAHA公式 HSシリーズ仕様ページ https://jp.yamaha.com/products/proaudio/speakers/hs_series/specs.html

価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は各表に記載しています。

評判の参照元:

  • Gearspace「Yamaha HS5」レビュー掲示板 https://gearspace.com/board/reviews/1008453-yamaha-hs5.html
  • Sonarworks Blog「Yamaha HS5 Studio Monitor Review」 https://www.sonarworks.com/blog/gear-reviews/yamaha-hs5-studio-monitor-review
  • Soundphile Review「Yamaha HS5 review」 https://www.soundphilereview.com/reviews/yamaha-hs5-review-44832/
  • 楽天ユーザーレビュー 2件・平均5.0(data/reviews.json、2026.08.26取得)

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