楽器用ダイナミックマイクの定番であるSHURE SM57には、上位モデルとしてBETA 57Aがあります。同じダイキャスト構造を持ちながら、指向性と出力の面でSM57より一段ステージ向きに調整されたモデルです。
選ばれる理由は3つです。
1. スーパーカーディオイド(超単一指向性)。 SM57のカーディオイドよりも指向性が鋭く、正面以外からの音を拾いにくい設計です。Shure公式は、この特性がハウリングまでのゲインの余裕(gain before feedback)を高め、他の音源からの回り込みを抑えると説明しています。
2. SM57よりおよそ5dB高い感度。 ネオジムマグネットを採用し、感度は-51dBV/Pa(2.8mV)です。SM57の-56.0dBV/Pa(1.6mV)と比べておよそ5dB高く、同じ入力ゲインでもより大きな出力が得られます。
3. SM57と共通の頑丈な作り。 空気式のショックマウント機構と、へこみに強いスチールメッシュグリルを備えています。SM57シリーズと同じ設計思想の耐久性を引き継いでいます。
比較の軸を先に決めます。
Shure公式の仕様表に記載された数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイク方式 | ダイナミック型(ムービングコイル) |
| 指向性 | スーパーカーディオイド(超単一指向性) |
| 周波数特性 | 50Hz〜16,000Hz |
| 出力インピーダンス | 150Ω |
| 感度 | -51dBV/Pa(2.8mV、1kHz時) |
| 重量 | 0.275kg |
| コネクタ | XLR(3ピン、オス) |
数字のままでは判断できないので、意味を訳します。
周波数特性50Hz〜16,000Hz — SM57(40Hz〜15,000Hz)と比べると、下限がやや高く上限がやや広い特性です。低域の伸びよりも、中高域のプレゼンスを重視した調整になっています。
出力インピーダンス150Ω・感度-51dBV/Pa — SM57(310Ω・-56.0dBV/Pa)と比べてインピーダンスは低く、感度はおよそ5dB高くなっています。同じゲイン設定でもSM57よりわずかに大きな出力が得られます。
重量0.275kg — SM57(0.284kg)とほぼ同じ重量です。金属製の頑丈な作りはSM57シリーズ共通の特徴です。
同じSHUREのダイナミックマイクでも、SM57とBETA 57Aは指向性と出力の面で違いがあります。
指向性が違う。 SM57はカーディオイド、BETA 57Aはスーパーカーディオイドです。BETA 57Aのほうが正面以外の音を拾いにくく、ステージでのハウリング耐性を重視した指向性になっています。
出力が違う。 BETA 57Aの感度は-51dBV/Pa、SM57は-56.0dBV/Paです。BETA 57Aのほうがおよそ5dB高い出力を持ちます。
周波数特性が違う。 BETA 57Aは50Hz〜16,000Hz、SM57は40Hz〜15,000Hzです。SM57のほうが低域がわずかに伸び、BETA 57Aのほうが高域がわずかに伸びています。
用途の重なりは大きい。 どちらもギターアンプやスネアドラムの近接収音を主な用途としており、Shure公式もBETA 57Aの適用例としてドラム・ギターアンプ・ブラス・木管楽器・ボーカルを挙げています。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥21,780 | 2026.09.25 取得時点の実売価格(本体単品) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | 「SHURE BETA 57A」での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「SHURE BETA 57A」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。ブームマイクスタンドやケーブルとのセット品、中古・展示品は今回の価格調査から除外しています。
BETA 57Aが唯一の正解ではありません。予算や指向性の違いで答えは変わります。
| マイク | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| SHURE SM57 | ¥15,598最安 | 定番の実績と入手性を優先し、価格も抑えたい人。詳しくはSM57の単体レビューで解説しています |
| AUDIX i5 | ¥17,380 | 価格を抑えつつ、カーディオイドの楽器用ダイナミックで比較検討したい人。詳しくはAUDIX i5の単体レビューで解説しています |
| SENNHEISER MD 421-II | ¥57,750 | 予算に余裕があり、低域の再現性を重視した上位機種を検討したい人。詳しくはMD 421-IIの単体レビューで解説しています |
(SHURE SM57は2026.08.27、AUDIX i5は2026.09.19、SENNHEISER MD 421-IIは2026.09.18時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は「ハウリング耐性」と「予算」です。価格を最優先するならSM57、別ブランドのカーディオイドと比較したいならAUDIX i5、予算に余裕がありさらに上を求めるならMD 421-II、SM57からハウリング耐性を上げて乗り換えるならBETA 57A、という並びになります。
BETA 57Aは、SM57の後継というより別の性格を持つ上位モデルとして語られることが多いマイクです。Sound on SoundはShure Betaシリーズのレビューで、音質と頑丈な作りを両立した設計だと評価し、シリーズの中からオールラウンドに1本選ぶならBETA 57Aが有力だとしています。タムやスネアへの適性が高く、ライブ・スタジオのどちらでも使える汎用性を評価するコメントも見られます。
Podcastageのレビューでは、スーパーカーディオイドによる周辺ノイズの遮断性能がSM57からの明確な進化点だと評価される一方、SM57と比べてローカットがやや強めにかかり、高域の華やかさ(air感)がやや控えめになるという音色面の違いも指摘されています。SM57の音がそのまま欲しい人にとっては、単純な上位互換ではなく傾向が変わったマイクだと捉えたほうがよいという趣旨です。
Gearspaceのフォーラムでは、スネアに使うと中高域が前に出すぎて硬く感じるという声がある一方、ハイハットの被りを抑えやすい・ボーカルに使うと価格の高いコンデンサーマイクに迫る仕上がりになるという肯定的な評価も見られます。SM57と比べて劇的な進化ではなく小さな改善だと評するベテランエンジニアの声もあり、用途によって評価が割れやすいマイクだという印象です。
複数のソースで一致しているのは、スーパーカーディオイドによるノイズ遮断性能の高さです。逆に意見が割れるのは音色の好みで、SM57の素直な音を好む人と、BETA 57Aの前に出る中高域を好む人に分かれます。実務的には、PAの音量が大きいステージや周辺ノイズを避けたい録音で選ばれやすいマイクです。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.09.25時点)。alternatives表の価格は各機種の直近取得日を併記しています。
評判の参照元: