USB接続とXLR接続の両方に対応したダイナミックマイクは何機種もありますが、AT2005USBには小さいながら実用的な特徴があります。本体側面のON/OFFスイッチが、USB出力とXLR出力の両方を同時にミュートするという点です。
このマイクが候補になる理由は3つです。
1. スイッチ1つで両出力が止まる。 USBでもXLRでも、ON/OFFスイッチの位置がそのまま両方の出力に反映されます。会議やカラオケ、簡易なライブでマイクを人に渡すとき、接続方式を意識せずにミュートできるのは地味に便利です(本体のLEDはこのスイッチの影響を受けず、USB給電の有無だけを示します)。
2. スタンドとケーブルが標準で付属する。 卓上三脚スタンド、XLRケーブル(3m)、USBケーブル(2m)が同梱されています。届いたその日にUSBでもXLRでも試せる状態になっており、周辺機材を別途揃える必要がありません。
3. カーディオイド単一指向性で周囲の音を拾いにくい。 ダイナミック型かつ単一指向性のため、正面以外からの音を拾いにくい設計です。防音していない部屋やオフィスでの利用と相性が良いタイプです。
ただし裏返しの面もあります。USB接続時のデジタル変換は16bit・44.1/48kHzが上限です。同社のATR2100x-USBは最大24bit/192kHz・USB Type-C接続に対応しており、数値上のスペックはそちらが上です。国内の実売価格もATR2100x-USBのほうが低いことがあるため、予算とスペックを最優先するならATR2100x-USBを先に比較することをおすすめします。
USB/XLR両対応のダイナミックマイクを選ぶときの軸は3つです。
すべてaudio-technica公式の取扱説明書に記載された数値です(AT2005USBは日本国内向け公式サイトには掲載されていない、海外仕様の製品です)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイクロホン形式 | ダイナミック型 |
| 指向特性 | カーディオイド(単一指向性) |
| 周波数特性 | 50Hz〜15,000Hz |
| 出力端子 | USB-type/XLR-type |
| サンプリングレート・ビット深度 | 44.1kHz/48kHz・16bit |
| 電源 | USB電源(DC5V) |
| ヘッドホン出力 | 10mW at 16Ω、φ3.5mm TRSステレオミニジャック |
| コントロール | ON/OFFスイッチ、ヘッドホン音量調整 |
| 質量・寸法 | 266g・全長183.6mm/最大胴径51.0mm |
| 付属品 | スタンドクランプ(5/8"-27ネジ)、卓上三脚スタンド、USBケーブル(2m)、XLRケーブル(3m) |
数字のままでは判断できないので、効いてくる3項目を訳します。
周波数特性 50Hz〜15,000Hz — コンデンサーマイクの20Hz〜20kHzと比べて範囲が狭めです。声の帯域からあまりはみ出さない分、机を叩く低い振動音や機械の高い駆動音を拾いにくい特性でもあります。
サンプリングレート 44.1kHz/48kHz・16bit — USB接続時の録音品質の上限です。配信や会議の音声用途では十分な水準ですが、音楽制作で高いビット深度・サンプルレートを必要とする用途には向きません。
電源 USB電源(DC5V) — USB接続時はパソコンからの給電のみで動作します。XLR接続時はファンタム電源を必要としないダイナミック型のため、対応するミキサーやオーディオインターフェイスであれば電源設定を気にせず使えます。
AT2005USBの実用面での特徴は、主に2つに集約されます。
卓上三脚スタンドが可倒式である。 ネジを緩めて角度調整ができる可倒式のスタンドクランプが、卓上三脚に組み込まれた状態で届きます。別途マイクアームやスタンドを買わなくても、机の上に置いてすぐ収録を始められます。
ヘッドホン出力の音量調整が本体側にある。 USB接続時、本体下部のダイヤルでヘッドホン音量を直接調整できます。ソフトウェア側の設定を開かなくても、マイク本体だけでモニター音量を変えられるということです(このダイヤルはマイクの入力レベルには影響しません)。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥21,978 | 2026.09.23 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | 「audio-technica AT2005USB」での検索結果を開きます(日本国内向けJANが確認できないため製品名検索) | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「audio-technica AT2005USB」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。なお楽天市場の一部出品には「(リニューアル)」の記載がある海外整備品(リファービッシュ品)が混在しています。上記の価格は「リニューアル」表記のない新品出品のものです。
AT2005USBが唯一の正解ではありません。特に同じaudio-technicaのATR2100x-USBとは、必ず比較してから決めるべき関係にあります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| audio-technica ATR2100x-USB | ¥10,790最安 | 数値上のスペックと価格を優先したい人。USB Type-C・最大24bit/192kHzに対応 |
| RODE PodMic USB | ¥39,600 | マイク単体にコンプレッサーやノイズゲートなどの処理を任せたい人 |
| SHURE MV7+ | ¥47,000 | タッチパネルでの設定やアプリ連携まで含めて、上位機種で揃えたい人 |
(価格はいずれも 2026.08.31〜2026.09.21 時点の楽天市場での実売価格)
正直に言うと、価格と数値上のスペックだけで比べるならATR2100x-USBのほうが有利です。AT2005USBを選ぶ理由があるとすれば、物理スイッチでUSB・XLR両方を同時にミュートできる点と、スタンド・両ケーブルが標準で付属している点です。マイク単体に音声処理を任せたいならPodMic USB、設定の細かさまで求めるならMV7+、という並びになります。
AT2005USBは発売から年数が経った定番の廉価機で、海外の複数のレビューサイトで評価が積み上がっています。レビュー集約サイトGearankのスコアは100点中91点で、この価格帯なら買って後悔しにくいという趣旨の評価とともに、Blue Yetiのような上位USBマイクから乗り換えたユーザーがいることが紹介されています。専門レビューサイトMusician Nerdは10点満点中9.0点を付け、頑丈な金属製ボディとカーディオイド特性による周囲音の遮断を評価する一方、出力レベルが低めでゲインを上げる必要が出やすい点と、ショックマウントが付属しないため机の振動音対策が不足する点を欠点として挙げています。
出力の小ささについては複数のレビューで共通して指摘されており、単発の個体差ではなく機種としての傾向とみてよさそうです。用途によっては録音ソフト側やオーディオインターフェイス側でゲインを上げる調整が前提になります。マイク解説サイトRecordingHacksは、AT2005USBとATR2100x-USBが同じムービングコイル型カプセルを採用しているという指摘をしており、XLR接続時の素の音の傾向は両機種で近いと考えられます。楽天のレビューはまだ集まっていません(取得日2026.09.23)。
実務的には、購入後に「思ったより音が小さい」と感じた場合は、まずゲイン設定を見直すのが最初の一手です。机に直接置いて使う場合は、簡易的な防振対策(ゴム製のマットなど)を足すとハンドリングノイズを抑えやすくなります。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は各表に記載しています。
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