グルーヴボックスを探していると、たいてい「パソコンとつないで設定してから」という前提にぶつかります。Novation Circuit Rhythmは、その前提を外した機種です。バッテリーで動き、画面がなくても迷わない設計になっています。
選ばれる理由は3つです。
1. 内蔵バッテリーで最大4時間動く。 リチウムイオンバッテリーを内蔵し、USB-Cで充電します。電源のない場所でも、外に持ち出してもそのまま音を作り始められます。
2. 8トラック分のサンプルをその場で録音・加工できる。 マイクやライン入力からステレオで録音し、スライス・ピッチ変更・エフェクトをパッドとノブだけで操作します。パソコンのDAWを開く手間がありません。
3. 画面がなくても迷わない操作性。 32個のRGB照明付きパッドと8個のエンコーダーが、テンポやスウィングといった情報をパッド自体の光り方で示します。見て操作するのではなく、触って確認する設計です。
比較の軸を先に決めます。パソコンなしで完結するサンプラーに求められる条件は、実はそう多くありません。
Circuit Rhythmはこの3つのうち、「バッテリー駆動」「オンボードサンプリング」「画面なしの割り切った操作」という組み合わせを選んだ機種です。
数値はすべてNovation公式サイト・公式ユーザーガイドの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トラック数 | 8サンプルトラック(最大同時8ボイス) |
| パッド・ボタン | 32個のRGB照明付きベロシティ対応パッド、28個のRGB照明付きボタン |
| サンプルメモリ | 最大4,096サンプル(32パック×128サンプル)、1パックあたり最大228秒(1パッドあたり最大32秒) |
| ストレージ | microSDカードスロット(別売、最大31パック追加) |
| 対応フォーマット | WAV・MP3のインポートに対応 |
| バッテリー | 内蔵リチウムイオン、最大4時間駆動 |
| 接続端子 | USB-C、MIDI DIN(IN/OUT/THRU)、3.5mmシンク出力、ステレオサンプル入力、ステレオ出力、ヘッドホン出力 |
| サイズ | 240×210×45mm(長さ×奥行き×高さ) |
| 画面 | なし(スクリーンレス設計) |
数字のままでは判断しづらい項目を訳します。
最大4,096サンプル・1パックあたり228秒 — 「32個のプリセットの入れ替えセット(パック)ごとに、合計約4分弱のサンプルを詰め込める」という意味です。1パッドの上限は32秒なので、ループ素材だけでなく短いボーカルフレーズやワンショットも扱いやすい設計です。microSDカードを足せば、パックの数自体をさらに増やせます。
バッテリー最大4時間 — 「電源を確保できない場所でも1回のセッション分は動く」という余裕です。ライブや外出先での即興制作を想定した数字で、長時間のスタジオ作業ではUSB-C給電に切り替える使い方が前提になります。
画面なし・32パッド+28ボタン — メニューを深く掘る操作がない代わり、機能はパッドの光り方と組み合わせ操作で把握します。最初は説明書やNovation純正ソフト「Components」での確認が必要になりますが、覚えたあとはパソコンなしで完結します。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥57,200 | 2026.09.20 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 0815301001300 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
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Circuit Rhythmが唯一の選択肢ではありません。目的が違えば答えも変わります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Novation Circuit Tracks | ¥57,200 | サンプリングよりシンセ音源とMIDIシーケンスを中心に組みたい人 |
| Teenage Engineering EP-133 K.O. II | ¥55,000最安 | より小型で、電池駆動の携帯性を最優先したい人 |
| Elektron Model:Samples | ¥72,900 | 画面付きで情報を見ながら操作したい人 |
分かれ目は単純です。サンプリングそのものを主役にしたいならCircuit Rhythm、シンセ音源中心の打ち込みならCircuit Tracks、とにかく小さく持ち歩きたいならEP-133、画面を見ながら操作したいならModel:Samplesという並びになります。
Circuit RhythmとCircuit Tracks、EP-133は5万円台に並び、Model:Samplesだけが1万5千円ほど上にあります。それでも選択を決めるのは価格差より、画面の有無と、音源がサンプルかシンセかという設計思想の違いです。
Circuit Rhythmは主要な海外メディアのレビューが揃っており、評価の傾向がつかみやすい機種です。Sound on Soundのレビューは、電池でもUSBでも動く軽さと持ち運びやすさを高く評価し、Elektron Model:Samplesのような競合にはないオンボードサンプリング機能や、4・8・16分割のスライス、コードモードでの半音階再生といった機能の幅を評価しています。総評としては、見た目の簡素さに比べて機能に奥行きがあり、扱いやすいドラムサンプラーだという位置づけで、可搬性と即興性を優先する人に向くとまとめています。
一方で不満点として繰り返し挙がるのが、画面がないことに起因する制約です。同レビューは、各トラックで調整できるのがピッチ・サンプルの開始位置と長さ・簡易的なエンベロープ程度にとどまり、LFOやフィルターエンベロープのような作り込みができない点について、音作りの自由度は限られると指摘しています。二次機能の文字表示が暗い場所では読みにくいことや、タイムストレッチ機能がなく長めのループの扱いに制約がある点も、具体的な弱点として挙げられています。
実務的には、細かい音作りより「その場でサンプルを録って即座に曲の形にする」使い方に向いた機種だと理解しておくと、期待値がずれません。
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