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シーケンサー・リズムマシン / REVIEW

つまみ1つに機能1つ、Elektronの深いシーケンサーを最初の1台で試す|
6トラックのサンプル再生に、パラメータロックとマイクロタイミングを載せる

2026.09.08 公開 / ELEKTRON / JAN 7350049240206
つまみ1つに機能1つ、Elektronの深いシーケンサーを最初の1台で試す
MODEL
Model:Samples
実売(税込)
¥72,900
CONCLUSION
Elektronの作り込んだシーケンサーを、最初の1台として無理のない価格帯で試したいならModel:Samplesが候補になります。理由は3つです。6つのオーディオトラックすべてをMIDIトラックとしても使え、外部機材との併用にも道が開かれていること、パラメータロック・マイクロタイミング・トリグコンディションといったElektron上位機と共通のシーケンサー機能を備えていること、64MBのサンプルメモリと1GBのストレージに300種類のプリセット音を収録し、購入直後から曲作りを始められることです。

Elektronのシーケンサーを最初の1台で試す理由CONCLUSION

グルーブボックスの中には、プリセット音色の量で勝負する機種と、シーケンサーの作り込みで勝負する機種があります。ElektronのModel:Samplesは後者です。同社の上位機(Digitakt・Octatrackなど)で培われたシーケンサーの考え方を、6トラックのサンプルベース機に落とし込んでいます。

選ぶ理由は3つです。

1. 6トラック全てがMIDIトラックにもなる。 公式仕様によれば、6つのオーディオトラックはすべてMIDIトラックとしても使えます。内蔵のサンプル再生に使うか、外部のシンセや音源モジュールを鳴らすMIDIトラックとして使うかを、トラックごとに切り替えられます。

2. パラメータロック・マイクロタイミング・トリグコンディションを備える。 これらはElektron機種に共通するシーケンサー機能です。ステップごとに異なるパラメータ値を仕込んだり、タイミングを微妙にずらしたり、条件付きで発音させたりできます。単純な16ステップの打ち込みでは作れない展開を組めます。

3. 300種類のプリセット音とストレージを最初から内蔵。 Splice提供の300種類のプリセットサウンドに加え、64MBのサンプルメモリと1GBのストレージを持ちます。購入直後からキック・スネア・ハイハットに加え、変わった質感の音まで一通り揃った状態で始められます。

サンプルベースのグルーブボックスで何を優先するかCRITERIA

比較の軸を先に決めます。

  • シーケンサーの作り込みを優先するか、プリセット音色の量を優先するか。 展開の作り方そのものにこだわりたいならシーケンサー機能が厚い機種、ジャンルに合った音をすぐ鳴らしたいならプリセットが豊富な機種が向きます。
  • 外部のMIDI機材と連携させたいか。 トラックをMIDI出力に転用できる機種なら、内蔵音源と外部機材を同じシーケンサーで管理できます。
  • サンプルの自由度がどこまで必要か。 本体だけでのタイムストレッチや細かいサンプル編集を求めるか、あらかじめ用意されたサンプルを並べて鳴らす使い方で十分かで、必要な機能が変わります。

スペックの要点SPEC

Elektron公式製品ページの記載です。

項目内容
トラック構成6オーディオトラック(全トラックMIDIトラックへの切り替え可)
パッド6ベロシティ感知パッド
サウンドエンジン1トラックにつきサンプル再生エンジン1・LFO1・ベロシティモジュレーション1・レゾナントマルチモードフィルター1
メモリ・ストレージサンプルメモリ64MB・ストレージ1GB
シーケンサーElektronシーケンサー・最大64ステップ、トラックごとに長さとスケールを個別設定可、パラメータロック・マイクロタイミング・トリグコンディション対応
プロジェクト96プロジェクト・1プロジェクトあたり96パターン
エフェクトディレイ・リバーブ(センドエフェクト)
接続端子1/4"ヘッドホン出力、1/4"バランス出力×2、Hi-Speed USB 2.0(micro-B)、3.5mm MIDI IN、3.5mm MIDI OUT/THRU
同梱プリセットSplice提供の300種類のプリセットサウンド
重量約0.8kg

数字が意味するところを訳します。

6トラック全てMIDIトラック化可能 — 内蔵音源だけで完結させることも、外部シンセ・音源モジュールを2〜3台まとめて鳴らす司令塔として使うこともできます。曲を作りながら外部機材を後から足していく組み方に向いています。

最大64ステップ・トラックごとに長さとスケールを個別設定 — 一般的な16ステップの4倍の長さのフレーズを組めるうえ、トラックごとにステップ数を変えられるため、ドラムは16ステップ・ベースは12ステップといった非対称なポリリズムも作れます。

サンプルメモリ64MB・ストレージ1GB — ドラムやパーカッションの短い音を並べる用途では十分な容量です。長尺のボーカルやシンセのフレーズを丸ごと録り込む使い方には向きません。

MIDI端子が3.5mmミニジャック — 一般的な5ピンDINではなく3.5mmのTRS規格です。既存のMIDI機材と接続するには変換アダプターが必要になる場合があります(本体にはMIDIアダプターが同梱されます)。

パラメータロックとトリグコンディションが実際にやっていることFEATURES

パラメータロック — ステップごとに音を作り替える。 特定のステップだけピッチやフィルターの値を変える機能です。同じサンプルを並べているだけなのに、ステップごとに違う音として鳴らせます。単純な打ち込みでは表現できないニュアンスを、1トラックの中に仕込めます。

マイクロタイミング — グリッドから微妙にずらす。 ステップの発音タイミングを、グリッドぴったりの位置から前後にずらせます。機械的になりがちな打ち込みに、人力に近いタイミングのゆらぎを加えられます。

トリグコンディション — 条件付きで発音させる。 「4回に1回だけ鳴らす」「前のステップが鳴った時だけ鳴らす」といった条件をステップに設定できます。同じパターンをループさせながら、聴くたびに違う展開に感じさせる仕込みができます。

どこで買うかPRICE

ストア税込状況購入
楽天市場¥72,9002026.09.08 取得時点の実売価格楽天市場で見る
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価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。中古品は今回の価格調査から除外しています。

同じ用途で比べる3台ALTERNATIVES

Model:Samplesが唯一の正解ではありません。何を優先するかで答えは変わります。

機種税込向いている人
Roland MC-101¥69,300プリセット音色の量を優先したい人。3,000以上の音色を内蔵しています。詳しくはRoland MC-101の単体レビューで解説しています
Novation Circuit Tracks¥57,200シンセ音源を内蔵しつつ、外部MIDI機材も同じシーケンサーで動かしたい人。詳しくはNovation Circuit Tracksの単体レビューで解説しています
KORG volca sample2¥19,990最安シーケンサーの作り込みより、まず価格を抑えて始めたい人。詳しくはKORG volca sample2の単体レビューで解説しています

(Roland MC-101は2026.09.21、Novation Circuit Tracksは2026.09.06、KORG volca sample2は2026.09.07時点の楽天市場での実売価格)

分かれ目は「シーケンサーの作り込み」と「価格」です。プリセットの量で選ぶならMC-101、内蔵音源と外部MIDI機材を両方育てたいならCircuit Tracks、価格を最優先するならvolca sample2、パラメータロックのような深い打ち込みを最初から求めるならModel:Samples、という並びになります。

使った人は何と言っているかREPUTATION

MusicRadarのレビューは、価格を抑えつつもElektron上位機と共通する、深く作り込まれたクリエイティブなシーケンサー機能を維持している点を評価し、パラメータロックとトリグコンディションはこの価格帯では珍しい装備だと評しています。ノブ1つに機能1つを割り当てた操作系についても、音作りが分かりやすいと好意的です。SonicScoopも音質そのものは高品質と評価しており、フィルターの質感やエフェクトの出来を評価する声が複数のレビューで一致しています。

一方で、サンプル再生エンジン自体はシンプルだという指摘が繰り返されています。MusicRadarは、本体だけでの直接サンプリングやタイムストレッチができない点、エンベロープの作り込みが基本的な範囲にとどまる点を弱点として挙げ、予算に余裕があるなら上位機のDigitaktへの追加投資を検討する価値があると評しています。Gearspaceのユーザーからは、サンプルのブラウザ管理やメモリ整理がやや複雑という声がある一方、使い始めてすぐに楽しく満足しているという好意的な第一印象の投稿も見られます。ファイル管理やメニューの奥にある設定を掘る操作(メニューダイブ)に癖があるという指摘も、Elektron機に共通する傾向として挙がっています。

実務的には、あらかじめ用意されたサンプルを並べて曲を組み立てる使い方には向いていますが、本体だけでサンプリングから完結させたい人には別売りの機材か上位機の検討が要ります。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • 本体だけでサンプリングから完結させたい人。 Model:Samplesは直接サンプリング機能を持たず、サンプルはパソコンや外部機器から転送する前提です。この手順を挟みたくないなら、内蔵マイクを持つ機種のほうが向いています。
  • プリセット音色の量をまず優先したい人。 収録プリセットは300種類です。数千単位のプリセットからジャンルに合う音をすぐ探したいなら、Roland MC-101のような音色数の多い機種のほうが早く音が出ます。
  • 予算を最優先で抑えたい人。 本体価格は7万円台です。価格を最優先するなら、KORG volca sample2のような2万円前後の機種から始めるほうが無理がありません。

次に読むNEXT

スペックの出典SOURCES

  • Elektron公式製品ページ https://www.elektron.se/product/modelsamples
  • Elektron公式解説ページ https://www.elektron.se/explore/modelsamples

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評判の参照元:

  • MusicRadar「Elektron Model:Samples review」 https://www.musicradar.com/reviews/elektron-modelsamples
  • SonicScoop「New Gear Review: Model:Samples from Elektron」 https://sonicscoop.com/new-gear-review-modelsamples-from-elektron/
  • Gearspace「What do you think about elektron model samples sound?」 https://gearspace.com/board/electronic-music-instruments-and-electronic-music-production/1251786-what-do-you-think-about-elektron-model-samples-sound.html

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