小型グルーブボックスを探していくと、本体だけで音が鳴る機種と、外部のシンセやモジュラーを鳴らす専用機に分かれることに気づきます。NovationのCircuit Tracksはその中間です。本体に音源を持ちながら、外部のMIDI機材まで同じ画面の中で操作できます。
選ぶ理由は3つです。
1. 本体だけで音源が完結している。 6ボイスポリフォニックのシンセトラックを2つ、サンプルベースのドラムトラックを4つ内蔵しています。外部に音源を用意しなくても、この1台だけでビートとメロディを組み立てられます。
2. 外部のMIDI機材も同じシーケンサーで動かせる。 6ボイスポリフォニックのMIDIトラックが2つあり、外部のシンセや音源モジュールを内蔵トラックと同じタイミングで走らせられます。手持ちの機材を増やすたびに、Circuit Tracksが司令塔として使えます。
3. バッテリー内蔵でACアダプターが要らない。 内蔵のリチウムイオン電池で駆動し、USB-C1本で充電もバスパワー駆動もできます。電源を探す手間なく、思い立った場所で音を出せます。
比較の軸を先に決めます。
Circuit Tracksは、内蔵音源で完結させつつ、外部のMIDI機材も同時に育てていきたい人向けの機種です。
Novation公式製品ページの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トラック構成 | 6ボイスポリフォニックシンセ×2、サンプルベースドラム×4、6ボイスポリフォニックMIDI×2 |
| 操作系 | 32個のRGBバックライト付きベロシティ感知パッド、24個のエンドレスエンコーダー(RGB LED付き)、28個のRGBバックライト付きボタン |
| シーケンサー | 32ステップ、内蔵スケール16種 |
| ストレージ | microSDカードスロット(最大32サウンドパック) |
| バッテリー | 内蔵リチウムイオン電池・4時間駆動、USB-C充電/バスパワー対応(具体的容量は未確認) |
| 接続端子 | USB-C、5ピンMIDI IN/OUT/THRU、3.5mmシンク出力、1/4"モノラル入力×2、1/4"L&R出力、3.5mmヘッドホン出力 |
| サイズ | 240×210×45mm |
| 重量 | 0.78kg |
数字のままでは判断できないので、効いてくる項目を訳します。
シンセ2・ドラム4・MIDI2の計8トラック — 音源を持つトラックと、外部機材を操作するだけのトラックが役割分担されています。内蔵音源で骨格を作りながら、外部機材を後から足していく組み方に向いています。
32ステップ・スケール16種 — 一般的な16ステップの倍の長さのフレーズを組めます。スケール機能は、選んだ音階の外の音をパッドが自動で除外する仕組みで、鍵盤に不慣れでも外れた音を弾きにくくなります。
バッテリー4時間駆動 — 外出先での使用を想定した数字です。長時間のセッションでは、USB-C経由での給電を併用する運用が現実的です。
MIDIトラック2系統で外部機材を制御。 5ピンMIDIのIN/OUT/THRUを備え、外部のシンセや音源モジュールを2系統ぶん、内蔵のシンセ・ドラムトラックと同じテンポで走らせられます。CV/Gate出力は持たないため、Eurorackモジュラーなどアナログ規格の機材を直接鳴らす用途にはMIDI-CV変換が別途必要です。
オーディオ入力でミキサーとエフェクトを共有。 1/4"のモノラル入力を2系統持ち、外部の音声をCircuit Tracks内部のミキサーやエフェクトに通せます。外部シンセの音を録り込んで一緒に鳴らす、といった使い方ができます。
microSDで最大32サウンドパック。 パソコンを介さずカードを差し替えるだけで、音色一式を丸ごと入れ替えられます。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥57,200 | 2026.09.06 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 0815301001294 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「Novation Circuit Tracks」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。中古・未使用品は今回の価格調査から除外しています。
Circuit Tracksが唯一の正解ではありません。何を内蔵させたいかで答えは変わります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Roland MC-101 | ¥69,300 | プリセット音色の数を優先したい人。3,000以上の音色と80以上のドラムキットを内蔵しています |
| Arturia BeatStep Pro | ¥29,120最安 | 音源を持たず、手持ちのアナログシンセやモジュラーをCV/Gateで直接鳴らしたい人。詳しくはArturia BeatStep Proの単体レビューで解説しています |
| YAMAHA SEQTRAK | ¥55,000 | マイクとスピーカーを内蔵し、その場でサンプリングまで完結させたい人 |
(Roland MC-101は2026.09.21、Arturia BeatStep Proは2026.09.05、YAMAHA SEQTRAKは2026.08.27時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は「音源を内蔵させたいか」と「外部機材をどう鳴らすか」です。プリセットの量で選ぶならMC-101、すでに持っているアナログ機材をCV/Gateで鳴らしたいならBeatStep Pro、内蔵音源と外部MIDI機材を両方育てたいならCircuit Tracks、という並びになります。
Sound on SoundとMusicRadarのレビューはどちらも、初代Circuitからの進化点として、内蔵バッテリーとUSB-C充電による取り回しの良さ、そして新設された2系統のMIDIトラックを高く評価しています。内蔵シンセを保持したまま外部のシンセをコントロールできる設計は、MusicRadarが「賢い選択」と評した点です。デュアルオシレーターのシンセエンジンについても、モジュレーションの選択肢が豊富で見た目以上に作り込める、という評価が両誌に共通しています。
一方で不満点も両誌が挙げています。4チャンネルのドラムマシンは音色を重ねる自由度が低く、ピッチを変えたサンプル再生やループ・スライスといった編集機能を持たない点が指摘されています。画面を持たないため、4ページに渡って並ぶ名前のないパッドから目当ての音を探す作業は楽ではない、という評価もあります。取り消し(アンドゥ)機能が無く、危険な編集の前にはプロジェクトを保存しておく運用が要る点も共通の指摘です。MusicTechのレビューはさらに、初代にあった内蔵スピーカーが省かれたこと、テンポ表示がパッドの点灯パターンで示される仕様が分かりにくく、この点ではRoland MC-101のほうがワークフローを明示的に説明していると比較しています。
実務的には、外部MIDI機材を持たずビート作りだけに使うなら不満は出にくく、複雑なドラムの重ね録りや細かい編集を求める場合は物足りなさを感じやすい機種です。
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評判の参照元: