Elektron Digitaktは、サンプルベースのドラムマシンとして定番の地位を築いた機種です。Digitakt IIはその後継機で、全16トラックがステレオのサンプル再生とMIDI出力のどちらにも使える構成になっています。
選ばれる理由は3つです。
1. 16トラック、すべてステレオ対応。 公式仕様によれば、16トラックはすべてオーディオトラックまたはMIDIトラックとして使え、オーディオトラックはモノラルだけでなくステレオのサンプル再生に対応します。ステレオのループ素材やフィールドレコーディングをそのまま鳴らせます。
2. メモリとストレージの拡張。 サンプルメモリは400MB、内蔵ストレージは20GB(+Drive)です。1トラックあたりに使えるサンプルの量と、保存しておけるプロジェクトの数がどちらも広がっています。
3. 128ステップのシーケンサーと条件付け機能。 1パターンあたり最大128ステップまで組め、トラックごとに個別のパターン長を設定できます。Euclidean(ユークリッド)ジェネレーターが1基ずつ搭載され、規則的でありながら人力では組みにくいリズムパターンを生成できます。
比較の軸を先に決めます。
Elektron公式製品ページの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トラック構成 | 16トラック(オーディオ/MIDIをトラックごとに切替可能。オーディオトラックはモノラル・ステレオ両対応) |
| サンプルエンジン | 5種類切替(Oneshot・Werp・Stretch・Repitch・Grid) |
| メモリ・ストレージ | サンプルメモリ400MB・内蔵ストレージ20GB(+Drive) |
| シーケンサー | 1パターン最大128ステップ、トラックごとに個別のパターン長を設定可、Euclideanジェネレーター1基/トラック |
| フィルター | トラックごとにベース幅フィルター1基+Multi-mode・Low pass 4・Comb-・Comb+・EQ・Legacy LP/HPから1基 |
| エフェクト | センド: Saturator Delay・Supervoid Reverb・Panoramic Chorus。トラックごと: デジタルオーバードライブ・ビットリダクション・サンプルレートリダクション |
| LFO | トラックごとにアサイン可能なLFO×3 |
| ディスプレイ | 128×64ピクセルOLED |
| 変換 | 48kHz/24bit D/A・A/D |
| 入出力 | 1/4"バランス入力×2、1/4"バランス出力×2、1/4"ステレオヘッドホン出力×1、Hi-Speed USB 2.0、MIDI In/Out/Thru(DIN Sync出力対応) |
| サイズ・重量 | W215×D176×H63mm・約1.48kg |
| 同梱物 | 電源アダプターPSU-3c、Elektron USBケーブル |
数字が意味するところを訳します。
16トラック、全トラックがステレオ対応。 内蔵音源だけで完結させることも、一部トラックをMIDI出力に回して外部シンセを鳴らすことも、トラックごとに選べます。ステレオのループ素材を、左右の広がりを保ったまま鳴らせます。
サンプルメモリ400MB・ストレージ20GB。 短いドラムサンプルだけでなく、尺の長いフレーズやフィールドレコーディングを複数トラックに読み込んでも余裕があります。
128ステップ・トラックごとに個別のパターン長。 一般的な16ステップの8倍の長さを1パターンに組めるうえ、トラックごとにステップ数を変えられるため、パートごとに異なる周期のポリリズムを作れます。
入力端子からのサンプリングに対応。 背面の1/4インチ入力2系統に外部の音を入れ、本体でサンプリングできます。パソコンから転送した素材だけでなく、手元のシンセやレコードの音をその場で取り込めます。マイクは内蔵していないため、声や環境音を録るならマイクとプリアンプなど入力側の機材が別に要ります。初代Digitaktとの詳細な比較表は、Elektronの製品ページには掲載されていません。
フィルターは2段構成。 トラックごとに帯域幅を決めるベース幅フィルターが1基あり、そこへMulti-mode・Low pass 4・Comb-・Comb+・EQ・Legacy LP/HPから1つを選んで重ねます。パートごとに違う質感のフィルターを割り当てられます。
センドエフェクト3種とトラックごとの歪み系。 センドにはディレイ・リバーブ・コーラスの3種があり、トラックごとにはオーバードライブ・ビットリダクション・サンプルレートリダクションを掛けられます。空間系は共有のセンドで、汚し系はパートごとに、という役割分担です。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥189,900 | 2026.09.13 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 7350049240435 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「Elektron Digitakt II」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。専用の保護カバー・キャリングケースは別売りです。
Digitakt IIが唯一の正解ではありません。予算とサンプリングへのこだわりで答えが変わります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Teenage Engineering EP-133 K.O. II | ¥55,000最安 | 価格を抑えつつ本体だけでサンプリングから完結させたい人 |
| Roland SP-404 MKII | ¥72,800 | ライブサンプリング・パフォーマンス寄りの使い方を重視する人 |
| Elektron Syntakt | ¥189,900 | サンプル素材ではなく、アナログ・デジタルのシンセ音源を中心に組みたい人 |
(価格はいずれも2026.09.13時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は「価格」と「音の出し方」です。予算を抑えて本体サンプリングも欲しいならEP-133、パフォーマンス中心ならSP-404 MKII、同じElektronのシーケンサーでシンセ音源を組みたいならSyntakt、幅広いトラック数とステレオ素材の扱いやすさを重視するならDigitakt II、という並びになります。
Sound on SoundとMusicRadarのレビューは、いずれもDigitakt IIを初代からの正当な進化と評価しています。Sound on Soundは、音の抜けの良さとクラブで鳴らしたときの力強さの両方を挙げて本体の音質を高く評価し、トリグ確率・フィル・条件付けを独立して設定できるシーケンサーの拡張を大きな進歩と位置づけています。MusicTechも満点に近い評価を付け、20GBのストレージと400MBのメモリによって扱えるサンプル数が初代の8倍程度に増えた点を評価しています。
一方で不満点も繰り返し挙がっています。MusicRadarはOS自体の操作系が複雑なままで、階層の深いメニュー操作(メニューダイブ)が残っている点を指摘し、サンプル再生の基本的な仕組み自体は大きく変わっていないとしています。Sound on SoundはUSBホスト端子が無く外部ストレージを直接つなげない点、MPCのような手動でのグリッド編集ほど細かいスライスができない点を挙げています。MusicTechは初代より価格が上がったことをはっきり弱点として挙げており、価格上昇をどう見るかで評価が分かれています。
実務的には、初代の操作感を維持したまま規模を拡張した機種という位置づけで、初代の規模で運用に不満が無い人には過剰投資になり得ます。
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評判の参照元: