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シーケンサー・リズムマシン / REVIEW

16トラックすべてを、ステレオのサンプルにも外部機材のMIDIにも振り分けられるドラムマシン|
ステレオ対応の16トラックと128ステップのシーケンサーを、1台に収めたサンプラー

2026.09.13 公開
16トラックすべてを、ステレオのサンプルにも外部機材のMIDIにも振り分けられるドラムマシン
MODEL
Digitakt II
CONCLUSION
ステレオのループ素材も外部シンセの制御も、1台のドラムマシンにまとめたいならElektron Digitakt IIが候補になります。理由は3つです。16トラックすべてをステレオ/モノラルのオーディオトラックかMIDIトラックとして使えること、サンプルメモリ400MBと内蔵ストレージ20GBで長いサンプルも複数読み込めること、トラックごとに長さを変えられる128ステップのシーケンサーとユークリッド・ジェネレーターを備えていることです。

ステレオ16トラックを1台に収めたサンプラーCONCLUSION

Elektron Digitaktは、サンプルベースのドラムマシンとして定番の地位を築いた機種です。Digitakt IIはその後継機で、全16トラックがステレオのサンプル再生とMIDI出力のどちらにも使える構成になっています。

選ばれる理由は3つです。

1. 16トラック、すべてステレオ対応。 公式仕様によれば、16トラックはすべてオーディオトラックまたはMIDIトラックとして使え、オーディオトラックはモノラルだけでなくステレオのサンプル再生に対応します。ステレオのループ素材やフィールドレコーディングをそのまま鳴らせます。

2. メモリとストレージの拡張。 サンプルメモリは400MB、内蔵ストレージは20GB(+Drive)です。1トラックあたりに使えるサンプルの量と、保存しておけるプロジェクトの数がどちらも広がっています。

3. 128ステップのシーケンサーと条件付け機能。 1パターンあたり最大128ステップまで組め、トラックごとに個別のパターン長を設定できます。Euclidean(ユークリッド)ジェネレーターが1基ずつ搭載され、規則的でありながら人力では組みにくいリズムパターンを生成できます。

サンプルベースのドラムマシンで何を優先するかCRITERIA

比較の軸を先に決めます。

  • モノラルで足りるか、ステレオ素材を扱いたいか。 ステレオのループ・アンビエンス素材を中心に組むなら、全トラックステレオ対応は効いてきます。
  • 1台に収めたいトラック数はどれくらいか。 少ないパート数で完結する曲作りなら、より小型で安い機種でも足ります。パート数が増えるほど16トラックの余裕が生きます。
  • シーケンサーの作り込みにどこまで時間をかけたいか。 トリグ確率・フィル・条件付けといった機能は使いこなすほど展開の幅が広がりますが、覚える操作も増えます。

スペックの要点SPEC

Elektron公式製品ページの記載です。

項目内容
トラック構成16トラック(オーディオ/MIDIをトラックごとに切替可能。オーディオトラックはモノラル・ステレオ両対応)
サンプルエンジン5種類切替(Oneshot・Werp・Stretch・Repitch・Grid)
メモリ・ストレージサンプルメモリ400MB・内蔵ストレージ20GB(+Drive)
シーケンサー1パターン最大128ステップ、トラックごとに個別のパターン長を設定可、Euclideanジェネレーター1基/トラック
フィルタートラックごとにベース幅フィルター1基+Multi-mode・Low pass 4・Comb-・Comb+・EQ・Legacy LP/HPから1基
エフェクトセンド: Saturator Delay・Supervoid Reverb・Panoramic Chorus。トラックごと: デジタルオーバードライブ・ビットリダクション・サンプルレートリダクション
LFOトラックごとにアサイン可能なLFO×3
ディスプレイ128×64ピクセルOLED
変換48kHz/24bit D/A・A/D
入出力1/4"バランス入力×2、1/4"バランス出力×2、1/4"ステレオヘッドホン出力×1、Hi-Speed USB 2.0、MIDI In/Out/Thru(DIN Sync出力対応)
サイズ・重量W215×D176×H63mm・約1.48kg
同梱物電源アダプターPSU-3c、Elektron USBケーブル

数字が意味するところを訳します。

16トラック、全トラックがステレオ対応。 内蔵音源だけで完結させることも、一部トラックをMIDI出力に回して外部シンセを鳴らすことも、トラックごとに選べます。ステレオのループ素材を、左右の広がりを保ったまま鳴らせます。

サンプルメモリ400MB・ストレージ20GB。 短いドラムサンプルだけでなく、尺の長いフレーズやフィールドレコーディングを複数トラックに読み込んでも余裕があります。

128ステップ・トラックごとに個別のパターン長。 一般的な16ステップの8倍の長さを1パターンに組めるうえ、トラックごとにステップ数を変えられるため、パートごとに異なる周期のポリリズムを作れます。

サンプリング・フィルター・エフェクトの実際FEATURES

入力端子からのサンプリングに対応。 背面の1/4インチ入力2系統に外部の音を入れ、本体でサンプリングできます。パソコンから転送した素材だけでなく、手元のシンセやレコードの音をその場で取り込めます。マイクは内蔵していないため、声や環境音を録るならマイクとプリアンプなど入力側の機材が別に要ります。初代Digitaktとの詳細な比較表は、Elektronの製品ページには掲載されていません。

フィルターは2段構成。 トラックごとに帯域幅を決めるベース幅フィルターが1基あり、そこへMulti-mode・Low pass 4・Comb-・Comb+・EQ・Legacy LP/HPから1つを選んで重ねます。パートごとに違う質感のフィルターを割り当てられます。

センドエフェクト3種とトラックごとの歪み系。 センドにはディレイ・リバーブ・コーラスの3種があり、トラックごとにはオーバードライブ・ビットリダクション・サンプルレートリダクションを掛けられます。空間系は共有のセンドで、汚し系はパートごとに、という役割分担です。

どこで買うかPRICE

ストア税込状況購入
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価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。専用の保護カバー・キャリングケースは別売りです。

同じ用途で比べる3台ALTERNATIVES

Digitakt IIが唯一の正解ではありません。予算とサンプリングへのこだわりで答えが変わります。

機種税込向いている人
Teenage Engineering EP-133 K.O. II¥55,000最安価格を抑えつつ本体だけでサンプリングから完結させたい人
Roland SP-404 MKII¥72,800ライブサンプリング・パフォーマンス寄りの使い方を重視する人
Elektron Syntakt¥189,900サンプル素材ではなく、アナログ・デジタルのシンセ音源を中心に組みたい人

(価格はいずれも2026.09.13時点の楽天市場での実売価格)

分かれ目は「価格」と「音の出し方」です。予算を抑えて本体サンプリングも欲しいならEP-133、パフォーマンス中心ならSP-404 MKII、同じElektronのシーケンサーでシンセ音源を組みたいならSyntakt、幅広いトラック数とステレオ素材の扱いやすさを重視するならDigitakt II、という並びになります。

使った人は何と言っているかREPUTATION

Sound on SoundとMusicRadarのレビューは、いずれもDigitakt IIを初代からの正当な進化と評価しています。Sound on Soundは、音の抜けの良さとクラブで鳴らしたときの力強さの両方を挙げて本体の音質を高く評価し、トリグ確率・フィル・条件付けを独立して設定できるシーケンサーの拡張を大きな進歩と位置づけています。MusicTechも満点に近い評価を付け、20GBのストレージと400MBのメモリによって扱えるサンプル数が初代の8倍程度に増えた点を評価しています。

一方で不満点も繰り返し挙がっています。MusicRadarはOS自体の操作系が複雑なままで、階層の深いメニュー操作(メニューダイブ)が残っている点を指摘し、サンプル再生の基本的な仕組み自体は大きく変わっていないとしています。Sound on SoundはUSBホスト端子が無く外部ストレージを直接つなげない点、MPCのような手動でのグリッド編集ほど細かいスライスができない点を挙げています。MusicTechは初代より価格が上がったことをはっきり弱点として挙げており、価格上昇をどう見るかで評価が分かれています。

実務的には、初代の操作感を維持したまま規模を拡張した機種という位置づけで、初代の規模で運用に不満が無い人には過剰投資になり得ます。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • 初代Digitaktの運用で特に不満が無い人。 レビューでも、操作の考え方は初代を引き継いだまま規模を広げた機種だという見方が中心です。トラック数やステレオ素材の扱いでいま困っていないなら、買い替えの優先度は高くありません。
  • マイク1本もつながずに、その場の音をすぐ録りたい人。 Digitakt IIは入力端子からのサンプリングに対応していますが、マイクは内蔵していません。本体だけで声や物音を録って組み立てたいなら、Teenage Engineering EP-133 K.O. IIのようなマイク内蔵の機種のほうが手軽です。
  • 予算を抑えて始めたい人。 本体価格は19万円前後です。価格を最優先するなら、EP-133のような5万円台の機種から始めるほうが無理がありません。

次に読むNEXT

スペックの出典SOURCES

  • Elektron公式製品ページ https://www.elektron.se/product/digitakt-ii

価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.09.13時点)。

評判の参照元:

  • Sound on Sound「Elektron Digitakt II」 https://www.soundonsound.com/reviews/elektron-digitakt-ii
  • MusicRadar「Elektron Digitakt II review」 https://www.musicradar.com/music-tech/samplers/an-all-round-upgrade-to-the-formula-of-the-original-but-its-unlikely-to-convince-any-sceptics-elektron-digitakt-ii-review
  • MusicTech「Elektron Digitakt II review: try and reach its limitations」 https://musictech.com/reviews/hardware-instruments/elektron-digitakt-ii-review/

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