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モニタースピーカー / REVIEW

部屋の癖をマイクで測って自動補正する、宅録向けの終着点|
壁の反響やデスクの置き方まで、機材側で測って合わせるという発想

2026.08.22 公開 / IK MULTIMEDIA / JAN 4530027194919
部屋の癖をマイクで測って自動補正する、宅録向けの終着点
MODEL
iLoud Precision 6 MKII
I/O
XLR/フォーン(1/4インチ)コンボジャック×1
実売(税込)
¥154,000
CONCLUSION
部屋の音響条件を自分で追い込む時間が取れない人には、IK Multimedia iLoud Precision 6 MKIIが候補になります。付属マイクで部屋の特性を測定し自動補正するARC室内音響キャリブレーションを内蔵していること、150W RMSの出力と37Hzまでの低域拡張を持つこと、1本から購入できペアと同じ入力仕様で買い替えにも対応できること。この3点が理由です。

部屋の音響を、機材側で測って合わせるCONCLUSION

モニタースピーカーの音は、部屋の壁や家具の反射に大きく影響を受けます。同じスピーカーでも置く部屋が変われば聞こえ方が変わり、本来は測定と手動のEQ調整で補正する作業が必要です。

iLoud Precision 6 MKIIは、この作業の一部を機材側に持たせた設計です。理由は3つです。

1. 付属マイクで部屋を測定し、自動で補正するARCを内蔵している。 ARC(Advanced Room Correction)という室内音響キャリブレーション機能を内蔵しており、専用マイクで部屋の特性を測定すると、スピーカー側のDSPが自動で補正をかけます。手動でパラメトリックEQを追い込む前提の知識がなくても、測定した分だけ部屋の癖を減らせます。

2. 出力と低域の両方に余裕がある。 総合150W RMSのアンプと6.5インチウーファーを組み合わせ、-4dB基準で37Hzまで低域を拡張しています。近接した距離で音量を上げても余裕を持たせやすい設計です。

3. DSPによる線形位相クロスオーバーで、時間軸のズレを抑えている。 6次の線形位相クロスオーバーを96kHzサンプリングのDSPで処理しており、ウーファーとツイーターの音が届くタイミングのズレ(位相差)を抑える設計です。ミックスの定位判断で基準にしやすい特性です。

モニタースピーカー選びで「部屋への対応」を軸にする理由CRITERIA

比較の軸をここで固定します。

  • 部屋の補正を自分でやるか、機材に任せるか。 手動のEQ調整に慣れているなら不要な機能ですが、測定や補正の知識がない場合はここで差がつきます。
  • 出力と低域の余裕。 近接distanceで音量を上げる場面が多いなら、アンプ出力と低域拡張の数値を確認する価値があります。
  • 価格に見合う機能か。 ルームキャリブレーション機能は便利ですが、その分だけ価格も上がります。手動調整で十分な環境なら、他機種のほうがコスト効率は良くなります。

スペックの要点SPEC

すべてIK Multimedia公式製品ページの記載です。

項目内容
ウーファー6.5インチ 超軽量コーテッド・ペーパーコーン
ツイーター1.5インチ グラフェン強化テキスタイル・ドーム
アンプ出力総合150W RMS(低域120W・高域30W)
周波数特性45Hz-22.5kHz(±1dB)、低域拡張37Hz(-4dB)
最大音圧レベル連続103dB/ピーク115.2dB(フリーフィールド)
DSP96kHzサンプリング・6次線形位相クロスオーバー(1.35kHz)
室内音響補正ARC内蔵(ARC X技術・マイク付属)
入力端子XLR/フォーン(1/4インチ)コンボジャック
外形寸法高さ35.3cm・幅20.1cm・奥行き28.2cm
質量7.9kg(1本あたり)

数字が示す意味を補足します。

ARC室内音響補正 — 付属のマイクをリスニングポジションに置いて測定すると、部屋の反射や定在波による周波数特性の乱れをDSPが検出し、自動で補正カーブをかける機能です。手動でのEQ調整には測定機材と経験が必要ですが、ARCはその工程をマイク1本と付属ソフトに置き換えています。

アンプ出力150W RMS — 低域120W・高域30Wという配分は、6.5インチウーファーを余裕を持って駆動するための出力です。数値が大きいこと自体が音質を保証するわけではなく、音量を上げた際の余裕に効いてきます。

線形位相クロスオーバー — 一般的なクロスオーバーはウーファーとツイーターの間で位相のズレ(音が届くタイミングの差)が生じますが、線形位相型はこのズレを設計上抑える方式です。定位や奥行きの判断をシビアに行う作業で利点になります。

低域拡張37Hz(-4dB) — 通常の周波数特性表記(45Hz、±1dB)より緩い基準(-4dB)で、より低い帯域まで音が出ていることを示す補助的な数値です。基準が異なる点に注意しつつ、低域の沈み込みの目安として見てください。

どこで買うかPRICE

販売形態ストア税込状況購入
1本楽天市場¥154,0002026.08.27 取得時点の実売価格(イケベ楽器店)楽天市場で見る
ペア(2本)楽天市場¥187,0002026.08.26 取得時点の実売価格(イケベ楽器店)楽天市場で見る
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1本¥154,000×2=¥308,000に対し、ペア売りは¥187,000と大幅に割安です(この価格差なら、ステレオで使う予定があるなら最初からペアを選ぶ理由になります)。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。

同価格帯の3台と比べるALTERNATIVES

自動補正や高価格帯を含めると、比較対象は次のような機種になります。

機種税込向いている人
IK Multimedia iLoud MTM MKII¥154,000(ペア)同ブランドの補正機能を、より小型の筐体で使いたい人
ADAM Audio T7V¥35,900(1本)自動補正は不要で、価格を優先したい人
YAMAHA HS7¥35,200(1本)最安手動のEQスイッチで十分な、素の音を基準にしたい人

(価格はいずれも2026.08.26時点の楽天市場での実売価格。iLoud MTM MKIIのみペア表記)

分かれ目は「部屋の補正を機材に任せるか、自分で追い込むか」です。ARCによる自動補正に価値を感じるならPrecision 6一択に近くなりますが、手動のEQ調整で十分な環境なら、T7VやHS7のほうが同じ予算でより多くの選択肢に手が届きます。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • すでに測定機材とEQ調整の知識がある人。 ARCが自動でやることを手動でも同水準に追い込めるなら、この機能に対する価格差を払う理由が薄くなります。
  • 予算を10万円以下に収めたい人。 1本でも10万円近く、ペアでは18万円台になります。同価格帯でも他の選択肢のほうが広く、まず1組そろえる段階なら合わない場合があります。
  • 部屋の音響がすでに整っている環境で使う人。 吸音・拡散処理がすでに施された部屋であれば、ARCの補正量自体が小さくなり、価格差に見合う効果を感じにくくなります。

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スペックの出典SOURCES

  • IK Multimedia公式製品ページ https://www.ikmultimedia.com/products/iloudprecision/
  • IK Multimedia公式スペックページ https://www.ikmultimedia.com/products/iloudprecision/index.php?p=specs

価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は表に記載しています。

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