コンデンサーマイクを選ぶとき、本体価格とは別にショックマウントやポップフィルターの費用がかさむことがあります。Aston MicrophonesのOriginは、この2つの役割を本体のマイクヘッドに内蔵することで差別化している大型ダイアフラムコンデンサーマイクです。
選ばれる理由は3つです。
1. 波型メッシュヘッドがショックマウントとポップフィルターを兼ねる。 Aston Microphones公式は、独自の波型メッシュヘッドが振動を吸収する機構とポップノイズを抑える機構を兼ねていると説明しています。スタンドへの直付けを前提にした設計で、別売りのショックマウントやポップフィルターを必ずしも必要としません。
2. 本体スイッチで収音を調整できる。 -10dBの減衰パッドと80Hzのローカットフィルターを、マイク本体のスイッチで切り替えられます。
3. 英国製で競争力のある価格。 Aston Microphonesは英国のブランドで、同価格帯の大型ダイアフラムコンデンサーマイクと比較しても競争力のある価格に抑えられています。
比較の軸を先に決めます。
Aston Microphones公式ページの記載に基づいて並べます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイクタイプ | 大型ダイアフラム・カーディオイド(単一指向性)コンデンサーマイク |
| カプセル | 1インチ、金蒸着マイラー振動板 |
| 周波数特性 | 20Hz〜20,000Hz |
| 感度 | 23.7mV/Pa |
| 最大SPL | 127dB |
| 自己ノイズ | 18dB A特性 |
| 減衰パッド | -10dB |
| ローカットフィルター | 80Hz |
| 必要電源 | 48V ファンタム電源 |
最大SPL 127dBは、音割れせず収音できる音圧の上限を示す数値です。大きな声量のボーカルやアコースティック楽器の近接録りでは、パッドスイッチと組み合わせて余裕を確保できます。
自己ノイズ18dB A特性は、マイク自体が発生させるノイズの少なさを示す数値です。数字だけでは実感しにくいですが、静かな部屋でアカペラや繊細な楽器を録るときほど、この差が聞き取りやすくなります。
1インチカプセル・金蒸着マイラー振動板は、大型ダイアフラムコンデンサーマイクに共通する構成です。トランスレスの回路設計と組み合わせ、素直な特性を狙った作りになっています。
なお、本体の重量・外形寸法・インピーダンスはAston Microphones公式ページに記載が見当たらず、本記事には掲載していません。
内蔵ショックマウント。 マイクヘッドの波型メッシュ構造が、スタンドや床を伝わる振動を吸収する役割を持ちます。別売りのクレードル型ショックマウントを追加しなくても、ある程度の振動対策ができる設計です。
内蔵ポップフィルター。 同じ波型メッシュ構造が、吐息による低周波のポップノイズを抑える役割も兼ねています。ボーカル録りで別売りのポップフィルターを省略できる場合があります。
-10dBパッドと80Hzローカット。 音量の大きい音源にはパッドで信号レベルを下げ、低音域のノイズが気になる環境ではローカットフィルターで対処できます。どちらも本体スイッチでの切り替えです。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥55,000 | 2026.09.25 取得時点の実売価格(本体単品) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | 「Aston Microphones Origin」での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「Aston Microphones Origin」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。「BLACK BUNDLE」等のセット品、および中古・展示品は今回の価格調査から除外しています。
Originが唯一の正解ではありません。ブランドや価格帯で答えは変わります。
| マイク | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| audio-technica AT4040 | ¥39,600最安 | 価格を抑えつつ定番ブランドのXLRコンデンサーを選びたい人。詳しくはAT4040の単体レビューで解説しています |
| AKG C214 | ¥49,326 | Originと近い価格帯で、上位機種C414と共通の技術を持つ機種を比較したい人。詳しくはAKG C214の単体レビューで解説しています |
| NEUMANN TLM 102 | ¥112,860 | 価格よりもNeumannのブランドと評価の高さを優先したい人。詳しくはTLM 102の単体レビューで解説しています |
(audio-technica AT4040は2026.09.21、AKG C214は2026.09.21、NEUMANN TLM 102は2026.09.18時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は「ショックマウント/ポップフィルターを別途揃える手間を省きたいか」と「予算」です。価格を抑えるならAT4040、C414系の技術を持つ機種と比較したいならC214、ブランドを優先するならTLM 102、別売り機材を減らして1本で始めたいならOrigin、という並びになります。
Aston Originは、価格の割に完成度が高いという評価が専門メディアで一致しています。Sound on Soundのレビューは、クリーンでわずかに華やかさを加えつつも過度な硬さを持たない音の傾向を評価し、波型メッシュヘッドの構造が衝撃を吸収しつつ内部反射を抑える設計だと分析しています。一方で、内蔵の80Hzローカットフィルターが低音を削りすぎる傾向があり、フィルターを使わずソフトウェア側でカットしたほうが調整の自由度が高いという指摘もあります。
MusicRadarのレビューは、色付けの少ない素直な音の傾向を評価し、ボーカルでは近接時も距離を取った場合でも扱いやすいと評価しています。自己ノイズの低さや感度の高さもアコースティックギターやサックスなどの倍音を拾う場面で強みになるとしていますが、ギターアンプの収音には必ずしも向かないという指摘もあり、これは価格帯を問わずコンデンサーマイク全般に言える傾向だとも補足しています。
Gearspaceのフォーラムでは、本体下部のマイクスタンド用ネジ山が亜鉛素材で作られている点が話題になっており、締め込みすぎるとネジ山を傷める懸念を指摘する投稿があります。ただしAston Microphones側はネジ山の設計上クロススレッド(ネジ山の噛み合わせ不良)が起きにくいとしており、実際に大量出荷されている中で目立った不具合報告は少ないという趣旨のやり取りも見られます。もう一つの指摘として、マイクの向きや距離にかなり敏感で、アコースティックギターに使う場合はネックの12フレット付近に正確に正面を向けないと音が変わりやすいという報告もあります。
複数のソースで一致しているのは、価格に対して音質・作り込みのバランスが良いという評価です。逆に意見が分かれるのは、内蔵ローカットフィルターの効き方の強さで、これは録音対象や好みによって評価が変わる部分です。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.09.25時点)。alternatives表の価格は各機種の直近取得日を併記しています。
評判の参照元: