ビートメイクの道具は数多くありますが、多くはパソコンかタブレットが前提です。SP-404MKIIは違います。単3電池6本、もしくはモバイルバッテリーでも動くので、電源コンセントを探す時間そのものが省けます。思いついた瞬間に電源を入れ、サンプリングを始められることが、この機種の一番の価値です。
前モデルからの強化点もはっきりしています。視認性の高いOLED画面がつき、内蔵ストレージは16GBに拡大、同時発音数は32ボイスまで増えました。パッドも16個から17個(サブパッド含む)に増え、演奏中の手の動きが窮屈になりにくくなっています。
一方で、この機種は「演奏して作る」ことに寄せた設計です。ノブは3つだけで、緻密な多段階シーケンスを組みたい人や、複数トラックを同時に扱いたい人には物足りなさが残ります。そこは割り切りが必要です。
サンプラー・グルーヴボックスを選ぶときの比較軸は、主に3つです。
SP-404MKIIは1つ目と2つ目に強みがあり、3つ目は意図的に割り切られています。
Roland公式サイトの製品ページに記載された数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最大同時発音数 | 32ボイス |
| 内蔵ストレージ | 16GB |
| 最大サンプリング時間 | 16分(1サンプルあたり約185MB) |
| サンプリング周波数 | 48kHz |
| 内部データ形式 | 16bitリニア |
| エフェクト | マルチエフェクト41種・入力エフェクト17種 |
| パッド | 16パッド+サブパッド1(ベロシティ対応) |
| ディスプレイ | グラフィックOLED |
| 外部ストレージ | SDカード(SDHC/SDXC対応) |
| 電源 | ACアダプター/USBバスパワー(USB Type-C)/単3電池6本 |
| 外形寸法 | 177.5(W)×275.8(D)×70.5(H)mm |
| 質量 | 1.1kg(ACアダプター含まず) |
数字が示す実際の使い勝手を訳します。
内蔵ストレージ16GB・最大同時発音数32ボイス — 前モデルからの伸び幅が大きい項目です。サンプルを積み重ねて厚みのある音を作っても発音が足りなくなりにくく、ストレージも余裕があるので長時間のセッションでも容量切れを気にしにくくなっています。
サンプリング周波数48kHz・16bitリニア — 一般的な音楽制作の水準を満たす仕様です。ハイレゾ録音のような超高音質の収録機ではなく、実践的なビートメイク用の解像度と考えるとちょうど合います。
電源を選ばない設計 — ACアダプター、USB Type-Cのバスパワー、単3電池6本のいずれでも動きます。電池使用時の駆動時間はアルカリ電池で約2.5時間、ニッケル水素電池で約3.5時間です。外に持ち出して屋外でセッションする、電源のない場所でライブをする、といった使い方に現実的に対応できます。
エフェクト41種類・入力エフェクト17種類 — Vinyl SimulatorやDJFX Looperといった歴代SPシリーズの定番に加え、Lo-fiやCassette Simulator、Resonatorなどが新しく加わっています。マイク・ギター入力向けにはボコーダーやオートピッチ、ギターアンプシミュレーターも用意されており、サンプリング以外の用途でも遊べる幅があります。
操作ノブは3つだけ — シーケンサーやミキサーのような多ノブ機とは対照的に、SP-404MKIIのハンズオン操作は最小限です。これは携帯性と直感的な操作を優先した結果で、細かいパラメータの同時操作をしたい人には手数が足りないと感じる場面があります。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥72,800 | 2026.09.18 取得時点の実売価格(本体単品) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 4957054517793 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「Roland SP-404MKII」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
楽天市場では本体単品のほかに、純正キャリング・ケース(CB-404)やケーブルを同梱したセット品が¥75,900前後で並んでいます。上の価格は本体単品のものです。持ち運びを前提にするなら、差額でケースが付くセット品も比較対象に入れてください。
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
SP-404MKIIが唯一の正解ではありません。作りたい音楽のスタイルによって答えは変わります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| teenage engineering EP-133 K.O. II | ¥55,000最安 | 価格と携帯性を最優先したい人。カセットテープ風の操作感を楽しみたい人 |
| Elektron Model:Samples | ¥72,900 | シーケンサーの作り込みを重視したい人。パラメータロックなど深い打ち込みをしたい人 |
| AKAI MPC One G2 | ¥139,800 | サンプリングとシーケンスの両方を1台で本格的に組みたい人。画面での編集を重視する人 |
(価格はいずれも2026.09.18時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目はこうです。とにかく安く小さく始めたいならEP-133、シーケンスの緻密さを取るならModel:Samples、サンプリングと打ち込みの両方を本格的に1台でやりたいならMPC One G2。演奏主体のビートメイクを、電源を選ばずどこでもやりたいならSP-404MKIIが候補に残ります。
海外の専門メディアでは、SP-404MKIIは前モデルからの正常進化として評価されています。MusicTechのレビューでは、幅広い音楽的用途に対応できる柔軟さ、サンプル編集のしやすさ、エフェクトのルーティングの自由度、携帯性の高さが強みとして挙げられています。一方で、ボタンやノブに割り当てられた機能の表示が分かりにくく、メニューのどこに何があるか把握しにくいという指摘もあり、操作を覚えるまでの学習コストは小さくないという評価です。
シーケンサー機能については、AKAI MPC Oneのような機種と比べると作り込みの深さでは見劣りするという指摘があります。緻密な多段階シーケンスや本格的な多重録音を求める人には、他機種の方が向くという評価です。
前モデルSP-404A・SP-404SXからの進化幅については、OLED画面の搭載、内蔵ストレージ16GB、32ボイスポリフォニーへの拡張が高く評価されており、旧モデルで不満が多かった視認性の低い7セグメント表示からの刷新が特に歓迎されています。
総じて、演奏を中心にした使い方では高評価が一致しており、精密な打ち込み作業を主目的にする人にはやや不向き、という位置づけが定着しています。
評判の参照元: