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モニターヘッドホン / REVIEW

録音中に使うか、ミックス判断だけに使うかで選ぶ機種が変わります|
開放型は音が漏れます。密閉型は音場が狭くなります。トレードオフは消せません

2026.07.02 公開
録音中に使うか、ミックス判断だけに使うかで選ぶ機種が変わります
CONCLUSION
モニターヘッドホンを買う前に決めるべきことが1つあります。録音中やマイクを立てた状態で使うか、それともミックス・マスタリングの判断だけに使うかです。前者なら密閉型一択で、audio-technica ATH-M50xかSHURE SRH840Aが候補になります。後者、つまり音を外に出さない作業専用なら開放型が候補に入り、AKG K702かbeyerdynamic DT 990 PROが定番です。予算に余裕があるなら、密閉型はSONY MDR-M1ST級、開放型はDT 900 PRO Xのようなケーブル交換式の上位機に進む道もあります。型番より先に、この1問に答えてください。

型番より先に決める1問CONCLUSION

モニターヘッドホンの比較記事や動画は、たいてい型番の性能を並べて終わります。しかし本当に最初に決めるべきなのは性能ではなく、「音が外に漏れて困るか、困らないか」です。

  • 困る(録音中・配信中・弾き語り中に使う)。 開放型はハウジングの外側が空いており、音がそのまま漏れます。マイクがその音を拾い込むため、選択肢は最初から密閉型に絞られます。
  • 困らない(ミックス・マスタリングの判断だけに使う)。 音を外に出さない作業なら、開放型という選択肢が候補に入ります。開放型はハウジングの反射が少なく、定位や音場の見通しが良くなる傾向があります。
こういう人買うべき機種実売価格
録音・配信中にモニターしたい(音漏れ厳禁)audio-technica ATH-M50x¥19,900最安
密閉型で、ケーブルのロック機構や折りたたみも欲しいSHURE SRH840A¥26,000
密閉型で、まず価格を抑えて試したいbeyerdynamic DT 770 PRO(80Ω)¥28,611
ミックス判断用に、開放型の抜けの良さがほしいAKG K702¥26,010
開放型で、少し価格を抑えて試したいbeyerdynamic DT 990 PRO(80Ω)¥31,460
開放型に予算をかけられ、ケーブル交換性も重視したいbeyerdynamic DT 900 PRO X¥44,748

「開放型か密閉型か」を決めてから、この表の該当行だけを見れば選択は終わります。

密閉型と開放型、埋まらない差CRITERIA

比較の前に、構造上どうやっても埋まらない違いを整理します。

  • 音漏れの有無。 密閉型はハウジングが閉じており、音が外に出にくい構造です。開放型はハウジングの外側が空いていて、音がそのまま外に出ます。これは「音質のクセ」ではなく構造そのものの違いなので、用途によっては選択の余地がありません。
  • 音場の見通し。 開放型はハウジング内での音の反射が少なく、定位や奥行きの判断がしやすいとされています。密閉型は反射の影響をゼロにはできません。
  • インピーダンスと駆動のしやすさ。 数値が低いほど、オーディオインターフェースやパソコンへの直結で音量が取りやすくなります。この記事で扱う6機種はいずれも38〜80Ωの範囲で、専用のヘッドホンアンプなしでも駆動できる水準です。

スペックの要点SPEC

数値はすべて各メーカーの公式サイトの記載です。

項目ATH-M50x(密閉)SRH840A(密閉)DT 770 PRO 80Ω(密閉)K702(開放)DT 990 PRO 80Ω(開放)DT 900 PRO X(開放)
ドライバー径45mm40mm記載なし45mm記載なし記載なし
インピーダンス38Ω40Ω80Ω62Ω80Ω48Ω
感度/音圧レベル99dB/mW97dB/mW96dB105dB SPL/V96dB100dB SPL
再生周波数帯域15〜28,000Hz5Hz〜25,000Hz5〜35,000Hz10Hz〜39,800Hz5Hz〜35,000Hz5Hz〜40,000Hz
質量285g273g270g235g250g345g
ケーブル着脱式(3種付属)着脱式・ロック式直付け(Ω別に3種)着脱式直付け(Ω別に2種)着脱式(3ピンミニXLR)

質量の並びに注目してください。 開放型のK702(235g)とDT 990 PRO(250g)はこの6機種の中で軽い部類ですが、上位機のDT 900 PRO X(345g)は逆に最も重い機種です。開放型だから軽いとは限りません。

ケーブルが着脱式かどうか。 ATH-M50x・SRH840A・K702・DT 900 PRO Xは着脱式で、断線してもケーブルだけ交換できます。DT 770 PROとDT 990 PROは直付けで、インピーダンスごとに専用ケーブルが固定されています。長く使う前提なら、この差は運用コストに直結します。

密閉型3台の違いCLOSED

audio-technica ATH-M50x — 「とりあえずこれ」の理由は使い勝手。 38Ωという低インピーダンスでパソコン直結でも音量が取りやすく、ケーブルが3種類(カール・ストレート3.0m・ストレート1.2m)付属します。音質そのものより、駆動のしやすさとケーブルの選択肢の広さで選ばれ続けている機種です。

SHURE SRH840A — ロック式ケーブルと折りたたみ機構。 2022年に旧モデルSRH840から刷新され、ドライバーの左右マッチング精度とヘッドバンドの軽量化が図られました。ケーブルはイヤーカップ側で固定するロック機構付きで、持ち運び中に引っ張られて抜けにくい構造です。

beyerdynamic DT 770 PRO — インピーダンスを選べる密閉型。 32Ω・80Ω・250Ωの3種類があり、宅録・DTM用途なら80Ωが基準です。同じハウジング・ドライバー構造で、コイルの巻き数だけを変えて作り分けています。3機種の中では唯一、価格帯の異なるバリエーションを持つ機種です。

開放型3台の違いOPEN

AKG K702 — 45mmの大口径ドライバー。 10Hz〜39,800Hzという広い再生帯域を持ち、開放型の中でも音の抜けを重視した設計です。3機種の中で最も軽く(235g)、価格も最も抑えられています。

beyerdynamic DT 990 PRO — 密閉型DT 770 PROの開放版。 ハウジング以外の基本設計を共有する兄弟機で、密閉型と迷った場合の判断材料は「音が漏れてよいか」の1点に絞られます。K702と近い価格帯で、開放型を初めて試す入口になります。

beyerdynamic DT 900 PRO X — ケーブル交換を前提にした上位機。 3ピンミニXLR端子の着脱式ケーブルを採用し、1.8mと3mの2本が標準付属します。345gとこの記事で最も重い機種ですが、断線のたびに本体を買い替えずに済む長期運用の設計です。

価格と購入リンクPRICE

audio-technica ATH-M50x(密閉型)

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SHURE SRH840A(密閉型)

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beyerdynamic DT 770 PRO 80Ω(密閉型)

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AKG K702(開放型)

ストア税込購入
楽天市場¥26,010楽天市場で見る
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beyerdynamic DT 990 PRO 80Ω(開放型)

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beyerdynamic DT 900 PRO X(開放型)

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価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください(2026.08.26時点の実売価格です。beyerdynamic DT 900 PRO Xのみ2026.09.28時点)。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • 開放型と密閉型、両方の条件に当てはまる人。 録音中にも使いたいが音場の広さも欲しい、という要望は1台では両立しません。予算があるなら密閉型と開放型を1台ずつ持つほうが、無理に妥協した1台を選ぶより結果的に満足度が上がります。
  • すでにいずれかの構造のヘッドホンを持っていて、不満がない人。 同じ構造への買い替えは、この記事で挙げた程度の価格差では体感が変わらないことが多く、優先度は低くなります。
  • Bluetoothなどワイヤレス接続を前提にしたい人。 この記事の6機種はすべて有線接続です。ワイヤレスでの運用を前提にするなら、そもそも比較対象が変わります。

次に読むNEXT

スペックの出典SOURCES

  • AKG公式 K702製品ページ https://jp.akg.com/K702.html
  • beyerdynamic公式 DT 990 PRO製品ページ https://beyerdynamic.co.jp/product/dt-990-pro/
  • beyerdynamic公式 DT 900 PRO X製品ページ https://beyerdynamic.co.jp/product/dt-900-pro-x/
  • beyerdynamic公式 DT 770 PRO製品ページ https://beyerdynamic.co.jp/product/dt-770-pro/
  • audio-technica公式 ATH-M50x製品ページ https://www.audio-technica.co.jp/product/ATH-M50x
  • Shure公式 SRH840A User's Guide https://pubs.shure.com/view/guide/SRH840A/en-US.pdf

価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.08.26時点。beyerdynamic DT 900 PRO Xのみ2026.09.28時点)。

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