モニターヘッドホンを検索すると、ほぼ必ずこの機種が候補に挙がります。audio-technicaのATH-M50xです。DTM・宅録・配信の各コミュニティで名前が挙がる頻度は、単純な人気投票ではなく理由があります。
理由は3つに整理できます。
1. 駆動のしやすさ。 インピーダンス38Ωは、モニターヘッドホンの中では低い部類です。パソコンの音声出力やオーディオインターフェースのヘッドホン端子に直接つないでも、十分な音量が得られます。専用のヘッドホンアンプを別途用意する必要がありません。
2. ケーブルが3種類付属する。 カールコード(1.2m、伸ばすと約3m)、ストレートコード3.0m、ストレートコード1.2mが同梱されています。デスクでの作業には短いストレート、部屋を移動しながらの作業にはカール、といった使い分けができます。ケーブルが劣化したときも本体ごと買い替えず、ケーブルだけ交換できます。
3. 密閉型で音が漏れにくい。 ハウジングの外側が塞がれた密閉構造のため、ヘッドホンから漏れた音がマイクに回り込みにくく、宅録・弾き語りの配信で必須の条件を満たしています。
モニターヘッドホンを選ぶときに見るべき軸は、実はそれほど多くありません。
ATH-M50xは、この3つのうち「密閉型」「インピーダンス」の2軸で無難な選択になっています。
数値はすべてaudio-technica公式サイトの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | 密閉ダイナミック型 |
| ドライバー | φ45mm、CCAWボイスコイル |
| 再生周波数帯域 | 15〜28,000Hz |
| インピーダンス | 38Ω |
| 感度 | 99dB/mW |
| 最大入力 | 1,600mW |
| 質量 | 285g(コード除く) |
| 付属ケーブル | カールコード1.2m(伸長時約3m)、ストレートコード3.0m、ストレートコード1.2m |
数字だけでは判断できないので、効いてくる項目を訳します。
インピーダンス38Ω — 「どれだけ電力をかけないと鳴らないか」の指標です。数値が低いほど、パソコンやスマートフォン、オーディオインターフェースの内蔵出力だけで十分な音量まで駆動できます。38Ωはこの条件を満たす水準で、専用のヘッドホンアンプを買い足す必要が基本的にありません。
感度99dB/mW — 「少ない電力でどれだけ大きな音が出るか」です。インピーダンスと合わせて見る数値で、この2つが揃っているほど直結での運用が快適になります。
再生周波数帯域 15〜28,000Hz — 人間の可聴域はおおむね20Hzから20,000Hzとされています。上限が28,000Hzまで伸びているのは、可聴域の外まで余裕を持たせた設計という理解で構いません。この数字だけで音質の優劣を語る必要はありません。
質量285g — ヘッドホン単体としては軽い部類ではありません。長時間のミックス作業では、こまめに外して休憩を挟むなど、装着感への配慮が必要になる重さです。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥19,900 | 2026.10.05 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | 型番検索の結果を開きます(JAN未確定のため型番検索) | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「audio-technica ATH-M50x」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| SONY MDR-7506 | ¥14,861最安 | 放送・レコーディング業務での採用例を重視する人。価格も抑えたい人 |
| beyerdynamic DT 770 PRO(80Ω) | ¥28,611 | 密閉型でも低音の沈み込みを求める人。予算にもう少し余裕がある人 |
| AKG K371-BT | ¥23,799 | 有線接続にこだわらず、Bluetoothでの取り回しも欲しい人 |
(価格はいずれも2026.08.25〜31時点の楽天市場での実売価格)
MDR-7506は価格を抑えつつ実績のある選択肢、DT 770 PROは低音の量感を重視する人向け、K371-BTはワイヤレスという別軸の便利さを取る選択です。ATH-M50xは、この3つの中間に位置する「無難さ」が強みです。
ATH-M50xは世界的な定番機だけに、海外の専門レビューの蓄積が厚い機種です。装着感については、Gearspaceのユーザーレビューで「側圧は適度で長時間でも比較的快適」と評価される一方、「メガネをかけていると短時間で圧迫を感じやすい」という指摘も出ています。旧モデルのM50と比べて側圧が緩和された点は複数のレビューで一致していますが、眼鏡使用者への配慮は十分ではないという見方です。
SoundGuysのレビューでは、イヤーパッドの素材が合成皮革であるため、暑い環境では蒸れやすいという弱点が挙げられています。長時間のミックス作業でパッドが劣化しやすい、汗で不快感が出るという指摘は、複数の海外レビューで繰り返し見られる内容です。
一方で評価が分かれるのは音そのものの評価です。Podcastageのレビューは、2週間使った上で「なぜここまで評判になっているのか実感できなかった」と率直な感想を述べており、定番だからといって突出した音質ではないという立場を取っています。これに対し他の多くのレビューは価格と汎用性のバランスを評価の軸に置いており、単体の音質評価では意見が分かれる状況です。楽天のレビューは4件・平均5.0とサンプルが少なく、この温度差までは読み取れません(取得日2026.08.26)。
実務的には、装着感は眼鏡使用者と長時間作業者は店頭かレビュー動画で確認したほうがよく、音質面では「万能で無難」という評価軸で選ぶ機種だと捉えるのが実情に近いといえます。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は表に記載しています。
評判の参照元: