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ダイナミックマイク / REVIEW

近づけて歌うほど低音が太くなる、ボーカル用ハンドマイク|
SM58やBETA58Aとは違う方向で温かい声を狙う一本です

2026.07.15 公開 / BEYERDYNAMIC / JAN 4589702690055
近づけて歌うほど低音が太くなる、ボーカル用ハンドマイク
MODEL
TG V70
実売(税込)
¥35,739
CONCLUSION
beyerdynamic TG V70は、SHURE SM58やBETA58Aと同じ「ステージ用ダイナミック型ハンドマイク」の枠に入る機種ですが、狙っている音の方向が違います。近接効果(マイクに顔を近づけたときに低音が持ち上がる現象)を強く効かせる設計で、口を近づけるほど声に厚みが出ます。ハイパーカーディオイドで背面からの音を強く拒否するため、モニタースピーカーからのハウリングにも強い機種です。ポップス・ソウル・ジャズのように、声の温かみを前に出したいボーカルに向いています。感度・インピーダンス・最大音圧レベル・寸法・重量はbeyerdynamic公式サイトの製品ページには記載がなく、公式マニュアルPDFで確認しました。

SM58・BETA58Aとは違う方向を狙ったマイクCONCLUSION

ステージ用のダイナミック型ハンドマイクといえば、SHURE SM58やBETA58Aが真っ先に候補に挙がります。beyerdynamic TG V70も同じ用途のマイクですが、公式マニュアルの説明を読むと、この機種が狙っている音の方向がはっきり見えてきます。

beyerdynamic公式のマニュアルには「TG V70は近接効果が顕著で、特にポップス・ソウル・ジャズにおいて、パワフルで温かみがあり、高域まで非常に透明感のあるサウンドを届ける」と説明されています。近接効果とは、マイクに口を近づけたときに低音が持ち上がる現象のことです。この効果を強く出すように設計されているため、マイクとの距離を詰めて歌うほど声に厚みが出ます。SM58のような癖の少ない中庸な特性とは、狙いどころが違うマイクです。

指向性はハイパーカーディオイドです。公式マニュアルには「ハイパーカーディオイド特性により、フィードバック(ハウリング)に対して非常に高い耐性がある」とあり、モニタースピーカーの音を拾いにくい設計になっています。マニュアルはさらに、モニタースピーカーをマイクの斜め後方(角度約110°)に置くと、フィードバック耐性が最大になると具体的に説明しています。

TG V70にはオン・オフスイッチがありません。スイッチ付きが欲しい場合は同じ筐体のTG V70 sを選ぶことになります。

何を軸に選ぶかCRITERIA

  • 声の温かみを前に出したいか。 近接効果が強く出る設計なので、マイクに顔を近づけて歌う人ほど恩恵があります。逆に、マイクから距離を取って歌うスタイルでは持ち味が生きません。
  • モニタースピーカーからのハウリングに悩んでいるか。 ハイパーカーディオイドは背面からの音を強く拒否します。ステージでモニターの音量を上げたい人には条件が合います。
  • スイッチの有無。 誤ってオフにされたくない現場ならTG V70 s(ロック可能なスイッチ付き)、シンプルさを優先するならスイッチなしのTG V70です。

スペックの要点SPEC

数値はbeyerdynamic公式サイトからダウンロードできるマニュアルPDFの記載です。公式製品ページのテクニカルデータ欄には一部の項目しか掲載されていないため、詳細はマニュアル記載の数値を採用しています。

項目内容
型式ダイナミック型
作動原理圧力傾度型(プレッシャーグラジエント)
指向性ハイパーカーディオイド
周波数特性(近接時)25Hz〜18,000Hz
背面減衰110°で25dB以上(1kHz時)
感度3.2mV/Pa(-50dBV)±2.5dB
磁界抑制50Hz時に20dB以上
公称インピーダンス280Ω
推奨負荷インピーダンス1kΩ以上
コネクターXLR 3ピン(オス)
寸法全長185mm・シャフト径23/35mm・ヘッド径54mm
重量345g

近接効果を狙った25Hz〜18,000Hzという周波数特性 — 下限が25Hzまで伸びているのは、近接効果で持ち上がる低音域をきちんと拾うためです。SM58の下限が50Hzであるのと比べると、マイクに近づけたときの低音の出方に差が出やすい設計です。

感度3.2mV/Pa — 「マイクが拾った音をどれだけ電気信号に変換できるか」の数値です。この数値だけを見て単純に大小を比較するものではありませんが、オーディオインターフェースのゲインに余裕を持たせておくと安心です。

背面減衰25dB以上(110°) — ハイパーカーディオイドらしい強い指向性です。モニタースピーカーの位置をマイクの真後ろではなく斜め後方(約110°)に置くことで、この減衰量を最大限に活かせるとマニュアルに明記されています。

どこで買うかPRICE

ストア税込状況購入
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価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。なお、ロック可能なスイッチが付いたTG V70 sは別型番で、価格も異なります。

同価格帯の3台と比べるALTERNATIVES

TG V70が唯一の正解ではありません。声の方向性が違えば、選ぶべきマイクも変わります。

機種税込向いている人
SHURE SM58¥15,950最安癖の少ない中庸な特性で、まず1本目を探している人
SHURE BETA58A¥25,740SM58よりさらに背面の音を拒否したいライブボーカル
beyerdynamic TG V70¥35,739近接効果を強く効かせて、声に厚みを出したい人

(価格はいずれも2026.08.26時点の楽天市場での実売価格。SM58・BETA58Aは本サイトの各記事より)

3本ともダイナミック型のハンドマイクで、大枠の使い方(XLR接続・ファンタム電源不要・頑丈な作り)は共通です。分かれ目は声の作り方です。癖なく素直な音を求めるならSM58、さらに背面の遮断性を上げたいならBETA58A、近接効果で声に厚みを持たせたいならTG V70という順番になります。価格差の3本の中では最も高価な部類に入りますが、その分だけ狙った音の方向がはっきりしているマイクです。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • マイクから距離を取って歌うスタイルの人。 近接効果を活かす設計なので、マイクから離れて歌うスタイルでは持ち味が生きません。むしろ癖の少ないSM58のほうが扱いやすくなります。
  • オン・オフスイッチが欲しい人。 TG V70にはスイッチがありません。誤操作でオフになるのを防ぎたい、あるいは手元でミュートしたい場合は、ロック可能なスイッチ付きのTG V70 sを検討してください。
  • 感度やインピーダンスの数値まで細かく比較して選びたい人。 beyerdynamic公式サイトの製品ページには、これらの数値の掲載がありません(マニュアルPDFで確認できた数値のみ本記事に記載しています)。数値の細部まで比較検討したいなら、公式データが充実している他機種のほうが判断しやすくなります。

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スペックの出典SOURCES

  • beyerdynamic公式製品ページ https://beyerdynamic.co.jp/product/tg-v70-s/
  • beyerdynamic公式マニュアルPDF(TG V70 / TG V70 s、独英仏併記) https://beyerdynamic.co.jp/wp-content/uploads/2023/03/MAN_TGV70_DE-EN-FR_A3.pdf

価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は表に記載しています。

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