内蔵マイク付きのポータブルレコーダーは、多くの場合「手軽さと引き換えに音質は妥協する」機材として扱われてきました。Portacapture X8はこの前提に正面から挑んだ機種です。理由は3つです。
1. 内蔵マイクが交換式で、指向性そのものを変えられる。 14.6mmの大口径コンデンサーマイクが左右2基搭載されており、マイク自体を差し替えてTrue X-Y方式とA-B方式を切り替えられます。単一指向性の組み合わせを変えるだけで、集音の広がり方が変わります。
2. XLR/TRSコンボ入力4系統で、最大8トラックまで録れる。 内蔵マイクとは別に外部マイクや楽器を4系統つなげ、6トラック+ステレオミックスの合計8トラックまで同時に記録できます。バンドの一発録りや複数話者のインタビューを、後から個別に調整できる形で残せます。
3. 3.5インチのカラータッチパネルで、設定画面を見ながら操作できる。 アプリランチャー方式のUIで、録音中でも今どの設定になっているかを画面で確認できます。小さなボタンを暗闇で手探りする必要がありません。
内蔵マイクと入力数の両方を求める機種を選ぶときの軸です。
Portacapture X8は、この3条件を高い水準で満たす代わりに価格も上位に位置する機種です。
すべてTASCAM公式サイトの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最大トラック数 | 8トラック(6トラック+ステレオミックス) |
| 記録フォーマット | WAV(32bit float/24bit/16bit)・MP3、44.1/48/96/192kHz |
| 内蔵マイク | 14.6mm大口径コンデンサー×2・交換式・True X-Y/A-B切り替え |
| 外部入力 | XLR/TRSコンボ×4系統(ch3-6・ファンタム24V/48V対応)、3.5mmマイク入力×1(ch1-2・プラグインパワー対応) |
| ディスプレイ | 3.5インチカラータッチパネル |
| 電源・駆動時間 | 単3形電池4本/アルカリ約11時間・リチウム約18時間・ファンタム使用時約5時間30分、USBバスパワー・ACアダプター対応 |
| 記録メディア | microSD/microSDHC(32GBまで)/microSDXC(512GBまで) |
| サイズ・重量 | 83×205.6×41.5mm・472g(電池含む)/381g(電池なし) |
数字が示す意味を補足します。
14.6mm大口径コンデンサー・交換式 — マイクカプセルが大きいほど、一般に低いノイズと豊かな音の厚みが得られやすくなります。左右のカプセルを差し替えられる設計のため、集音方式をTrue X-Y(点音源に近い自然な定位)とA-B(左右の広がりを強調)の間で切り替えられます。
XLR/TRSコンボ×4系統・ファンタム24V/48V — コンデンサーマイクを動かすための電源(ファンタム電源)を、標準的な48Vだけでなく24Vにも対応させています。バンドの各パートに外部マイクを立てて、内蔵マイクのステレオミックスと合わせて記録する使い方ができます。
単3形電池4本・アルカリ約11時間 — 内蔵マイク機としては入力数が多い分、電池の本数も4本に増えています。ファンタム電源を使うと駆動時間が約5時間30分まで下がる点は、外部コンデンサーマイクを使う予定があるなら見込んでおく必要があります。
472g(電池含む) — 手のひらより一回り大きいサイズ感です。単体録音機としては重い部類ですが、8トラックの入力を持つ機種としては標準的な重さです。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥68,800 | 2026.08.26 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
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価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
Portacapture X8が唯一の正解ではありません。必要な入力数とマイク方式で答えが変わります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| TASCAM Portacapture X6 | ¥49,800 | 2トラックのXY内蔵マイクで足り、4トラック止まりで十分な人 |
| ZOOM H6essential | ¥38,900最安 | 交換式マイクカプセルを、より抑えた価格で使いたい人 |
| ZOOM F6 | ¥95,000 | 内蔵マイクは不要で、32bitフロート専用の6chフィールド機を求める人 |
(価格はいずれも2026.08.26時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は「何トラック同時に、どういうマイク構成で録りたいか」です。手頃な価格で交換式マイクを試したいならH6essential、2トラックのXY録音で十分ならPortacapture X6、内蔵マイクを持たない専用機として最大限の入力品質を求めるならF6、8トラックの入力数と内蔵マイクの柔軟さを両立したいならPortacapture X8、という並びになります。
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