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モニターヘッドホン / REVIEW

同じ「定番」でも、現場が違えば選ぶ1本は変わります|
CD900ST・MDR-7506・MDR-M1ST。3本とも定番と呼ばれる理由が違います

2026.08.10 公開
同じ「定番」でも、現場が違えば選ぶ1本は変わります
CONCLUSION
SONYのモニターヘッドホンには「定番」と呼ばれる機種が3本あります。国内のレコーディング・放送現場の標準機であるMDR-CD900ST(¥23,800)、海外の放送局・スタジオで長く使われてきたMDR-7506(¥19,800)、ハイレゾ時代のリファレンスとして開発されたMDR-M1ST(¥36,300)です。国内の現場やエンジニアとの共通基準を優先するならCD900ST、持ち運びと6.3mm標準プラグへの直結を優先するならMDR-7506、ハイレゾ音源の情報量まで確認したいならMDR-M1STを選ぶ理由があります。3本とも「定番」の中身が違うため、価格ではなく用途で選ぶ記事です。

3本とも「定番」だが、定番の中身が違うCONCLUSION

モニターヘッドホンを調べると、SONYの3機種が必ず候補に挙がります。MDR-CD900ST、MDR-7506、MDR-M1STです。いずれも「定番」「標準機」と紹介されますが、何の標準なのかは1本ずつ違います。

こういう人買うべき機種実売価格
国内のレコーディングスタジオに持ち込み、エンジニアと同じ基準で音を確認したいSONY MDR-CD900ST¥23,800
海外の制作現場を参考にし、折りたたんで持ち運びたい。6.3mm標準プラグにも直結したいSONY MDR-7506¥14,861最安
ハイレゾ音源のリファレンスとして使い、インピーダンスの低さで直結もしやすくしたいSONY MDR-M1ST¥32,800

3本とも密閉ダイナミック型で、40mmドライバーという基本構成は共通しています。価格差の中身は、周波数帯域の広さ・インピーダンス・コードとプラグの仕様という3点に現れています。

比較の軸は「どの現場を基準にするか」CRITERIA

  • 国内の現場と共通の基準を持ちたいか。 日本のレコーディング・放送の現場で長く標準機とされてきたのはCD900STです。プロのエンジニアと同じ音を共有できる相手が多いという実務的な利点があります。
  • 持ち運ぶ機会があるか。 MDR-7506だけが折りたたみ式です。複数の現場やスタジオ・自宅を行き来する人には、この違いがそのまま選ぶ理由になります。
  • ハイレゾ音源を扱うか。 MDR-M1STは再生周波数帯域を5〜80,000Hzまで拡張しています。44.1kHz/16bitを超える音源の情報量を確認する用途がなければ、他の2本で十分です。

スペックの要点SPEC

数値はすべてSONY公式サイト・仕様書の記載です。

項目MDR-CD900STMDR-7506MDR-M1ST
型式密閉ダイナミック型密閉ダイナミック型密閉ダイナミック型
ドライバー40mm ドーム型(CCAW)40mm、ドーム型40mm、CCAWボイスコイル
再生周波数帯域5〜30,000Hz10〜20,000Hz5〜80,000Hz(JEITA)
インピーダンス63Ω63Ω(1kHz)24Ω(1kHz)
感度106dB/mW106dB/mW103dB/mW
最大入力1,000mW1,000mW(IEC)1,500mW(IEC)
コード2.5m・ストレート・着脱不可約1.2m(伸長時約3m)・カール約2.5m
プラグ3.5mmステレオミニ6.3mm/3.5mm 2ウェイ未確認
折りたたみ非対応対応未確認
質量約200g(コード含む)約230g(コード除く)約215g(コード含む)

再生周波数帯域の広さは、優劣ではなく設計思想の違いです。 MDR-7506の10〜20,000Hzは人間の可聴域とほぼ一致する測定で、CD900STの5〜30,000Hz、MDR-M1STの5〜80,000Hzは可聴域の外まで余裕を持たせた測定です。数字だけでMDR-7506が劣っているわけではありません。

インピーダンスはMDR-M1STだけ24Ωと大きく下がっています。 CD900ST・MDR-7506の63Ωに対して半分以下で、パソコンやオーディオインターフェイスへの直結で音量を取りやすい数値です。

コードとプラグの仕様は実務に直結します。 MDR-7506だけがカールコード・2ウェイプラグ・折りたたみ式で、持ち運びと接続先の機材を選ばない設計です。CD900STはストレートコード・着脱不可で、据え置きでの使用を前提にしています。

3本の設計思想の違いMODELS

SONY MDR-CD900ST — プロが使う基準を自宅に持ち込む。 ソニーとソニー・ミュージックスタジオが共同開発し、1989年の発売から日本の数多くのレコーディングスタジオで標準機として使われ続けています。単体の音質の良し悪しより、「スタジオで聴いた音」と自室の音を近い基準で比較できることに価値があります。詳しくはMDR-CD900STの単体レビューで解説しています。

SONY MDR-7506 — 海外の現場基準に寄せる1本。 海外の放送局・レコーディングスタジオで長く標準機とされてきたモデルです。CD900STとは開発元が同じソニーの兄弟モデルにあたりますが、カールコード・2ウェイプラグ・折りたたみ式という違いがあり、取り回しの良さで選ばれています。詳しくはMDR-7506の単体レビューで解説しています。

SONY MDR-M1ST — CD900STの後継的な位置づけ。 公式に後継機と明言されているわけではありませんが、ハイレゾ時代のリファレンス機としてCD900STの役割を引き継ぐ形で開発されています。再生周波数帯域の拡張とインピーダンスの低下という2点で、CD900STに慣れた人が次に検討する機種です。詳しくはMDR-M1STの単体レビューで解説しています。

価格と購入リンクPRICE

SONY MDR-CD900ST

ストア税込購入
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SONY MDR-7506

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楽天市場¥19,800楽天市場で見る
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SONY MDR-M1ST

ストア税込購入
楽天市場¥36,300楽天市場で見る
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サウンドハウスの価格はこの記事には載せていません。各機種の単体レビュー記事から、サウンドハウスの検索結果を開けます。価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください(2026.08.26時点の実売価格です)。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • 自宅での音楽鑑賞が主目的の人。 3本ともフラット寄りの特性で、リスニング用途では物足りなく感じることがあります。低音の量感を楽しみたいなら、audio-technica ATH-M50xのようなリスニング寄りの機種のほうが向いています。
  • 着脱式ケーブルを重視する人。 CD900ST・MDR-M1STのコードは着脱できません。断線時の修理のしやすさを重視するなら、他機種を検討してください。
  • スタジオへの持ち込みやハイレゾ制作の予定がなく、価格を抑えたい人。 3本とも「特定の現場基準に合わせる」ための機種です。自宅環境だけで完結し、その基準を必要としないなら、もっと価格を抑えた機種でも困らない場合があります。

次に読むNEXT

スペックの出典SOURCES

  • SONY公式製品ページ(MDR-CD900ST) https://www.sony.jp/headphone/products/MDR-CD900ST/
  • SONY公式仕様書(MDR-7506) https://www.sony.jp/products/catalog/SPC_MDR-7506.pdf
  • SONY公式製品ページ(MDR-M1ST) https://www.sony.jp/headphone/products/MDR-M1ST/

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