歌を録るとき、ブースの中にいるのが歌う本人だけとは限りません。ディレクター役、コーラスを重ねる仲間、録り音を一緒に確認したい人。ヘッドホンで同じミックスを聴きたい人が2人、3人と増えたときに欲しくなるのが、ヘッドホン分配アンプです。BEHRINGER HA400は、このニーズにそのまま応える機材です。
選ばれる理由は3つです。
1. 4系統それぞれに独立ボリュームがある。 ヘッドホンを4本つないでも、全員が同じ音量を強制されるわけではありません。歌う人は大きめ、聴くだけの人は控えめ、というように各自の耳に合わせて調整できます。
2. 入力はステレオ1系統をそのまま分配するだけ。 ミキサーのライン出力やオーディオインターフェースのヘッドホン出力を1本つなげば、あとは各出力のツマミを回すだけです。設定項目が少ない分、初めて触る人でも迷いません。
3. 電源アダプターが同梱されている。 12V・150mAの専用ACアダプターが付属し、届いてすぐ電源を確保できます。別売りのアダプターを探して買い足す手間がありません。
比較の軸を先に決めます。ヘッドホン分配アンプを選ぶときに実際に効いてくる条件は、そう多くありません。
HA400はこの3つのうち、「4人まで」「各自で音量調整」「シンプルな分配」という組み合わせにちょうど合う設計です。
数値はBEHRINGER公式のユーザーマニュアルに記載のものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | 4chステレオヘッドホンアンプ |
| 入力 | 1/4インチ標準プラグ・ステレオ1系統 |
| 入力インピーダンス | 100kΩ |
| 最大入力レベル | +15dBu |
| 出力 | 1/4インチTRSプラグ・ステレオ4系統(各系統独立ボリューム) |
| 出力インピーダンス | 約80Ω |
| 最大出力レベル | 約40mW(100Ω負荷時) |
| 電源 | 専用ACアダプター同梱(12V・150mA) |
| サイズ・重量 | 約46.5×57.2×103.6mm(H×D×W)・約0.37kg |
数字のままでは判断しづらい項目を訳します。
入力インピーダンス100kΩ・最大入力+15dBu — 「接続した機材の音量を上げても歪みにくい余裕」のことです。ミキサーのライン出力やオーディオインターフェースの出力は、通常この範囲に収まるため、標準的な接続で音が割れる心配は小さめです。
出力インピーダンス約80Ω・最大出力約40mW — 一般的な密閉型ヘッドホン(インピーダンス32Ω前後)を鳴らすには十分な数値です。一方で、beyerdynamic DT990のような250Ω級の高インピーダンス機を主力で使う場合は、音量に余裕がなく感じられることがあります。低〜中インピーダンスのヘッドホンで4人分をまかなう用途に向いた設計です。
サイズ約104×57×47mm・重量約0.37kg — 手のひらに収まるサイズです。机の上に置いても場所を取らず、ラックへの設置を前提にしていません。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥4,400 | 2026.09.20 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | 「BEHRINGER HA400 MICROAMP」での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「BEHRINGER HA400 MICROAMP」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
HA400が唯一の選択肢ではありません。予算と用途が違えば答えも変わります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ART HeadAmp4 | ¥17,424最安 | ハーフラックサイズでスタジオのラックにまとめて設置したい人 |
| PreSonus HP4 | ¥18,288 | 同じくラック運用を前提に、もう少し余裕のある出力を求める人 |
| Samson QH4 | ¥21,978 | 価格より接続の安定性や作りの評判を重視したい人 |
分かれ目は単純です。机の上に置いてすぐ使い始めたいならHA400、スタジオのラックに機材をまとめていきたいならART HeadAmp4やPreSonus HP4という並びになります。
価格差だけを見ると、HA400と他の3機種の間には1万円以上の開きがあります。この差は主に設置形態(ラックマウント対応かどうか)によるもので、単純な4分配という機能自体に大きな違いはありません。机の上で完結させたいなら、価格差を払う理由は薄くなります。
HA400は発売から長く、英語圏のフォーラムにも使用報告が数多く蓄積されています。Gearspaceのスレッドでは、価格を考えれば用途を割り切って使う分には十分に役目を果たす、という評価が目立ち、低インピーダンスのヘッドホンを複数本同時に鳴らせる点や、1万円未満という価格の手頃さを評価する声が繰り返し見られます。
一方で、不満点として最も多く挙がるのがボリュームつまみと電源周りの品質です。つまみやスイッチに安価な部品が使われているという指摘があり、使い込むうちにガリが出たり、接触が不安定になったりしたという報告が複数あります。電源アダプターに近い出力チャンネルでハムノイズが乗ったという声もあり、Head-Fiのフォーラムには早期の故障を理由に購入を勧めない投稿も見られます。まれに発熱や焼損に近い症状を報告する投稿もあり、長時間の連続稼働では通気を確認したほうがよいという意見もあります。
実務的には、常設の主力機というより、「人数が増えたときに追加で持ち出す機材」として割り切って使うと不満が出にくいという位置づけです。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は表に記載しています。
評判の参照元: