Shureのダイナミックマイクを調べると、まずSM58に行き着きます。PGA58は、そのSM58と同じ「PG ALTA」より前の世代にあたるエントリー価格帯のシリーズで、価格を抑えてXLR接続のボーカルマイクを揃えたい人の選択肢です。
選ぶ理由は3つです。
1. カーディオイド(単一指向性)で、SM58と同じ考え方の設計。 正面の音を重視し、側面・背面の音を拾いにくくします。ステージやスピーチで、スピーカーからのハウリングを避けたい場面で有効な指向性です。
2. オン/オフスイッチが付いている。 マイクを使わない瞬間に物理的に音を切れます。配信やスピーチの合間にマイクを完全にミュートしたいとき、ソフトウェア側の設定に頼らず手元で対応できます。
3. 付属品違いの3種類から必要な分だけ選べる。 ケーブルなしの「-LC」、XLRケーブル付きの「-XLR」、XLR-フォーン変換ケーブル付きの「-QTR」があります。すでにXLRケーブルを持っているなら-LCを選べば、その分だけ価格を抑えられます。
ただし、この3つ目の理由がそのまま注意点にもなります。次の項目で詳しく説明します。
PGA58には型番の末尾が異なる3つのSKU(在庫管理単位)があります。マイク本体は共通で、違うのは付属品だけです。
| 型番 | 付属ケーブル | 想定する買い方 |
|---|---|---|
| PGA58-LC | なし | すでにXLRケーブルを持っている人 |
| PGA58-XLR | XLRケーブル(4.6m) | ケーブルもまとめて揃えたい人 |
| PGA58-QTR | XLR-フォーン変換ケーブル(4.6m) | フォーン入力の機材に直接つなぎたい人 |
楽天市場で確認したところ、2026.09.03時点で-LCの実売最安は¥10,780、-XLRは¥11,000〜15,400程度の幅で出品されています。この価格差はマイク本体の性能差ではなく、ケーブルの有無です。「安い」と思って-LCを買ったのにケーブルが手元になく使えない、という事態を避けるため、注文前に型番の末尾を必ず確認してください。
比較の軸を先に決めます。
Shure公式の仕様書に記載されている数値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| マイク方式 | ダイナミック型(ムービングコイル) |
| 指向性 | カーディオイド(単一指向性) |
| 周波数特性 | 50Hz〜16,000Hz |
| 出力インピーダンス | 150Ω |
| 感度 | -55dBV/Pa(1.79mV、1kHz時、開放電圧) |
| 重量 | 294g |
| コネクタ | XLR(3ピン、オス) |
| 操作 | オン/オフスイッチ |
数字のままでは判断できないので、SM58との違いが出やすい項目を訳します。
周波数特性 50Hz〜16,000Hz — SM58の50Hz〜15,000Hzより上限がわずかに広い数字です。ただしこの差だけで聞こえ方が大きく変わるわけではありません。カーディオイド系ダイナミックマイクとしては標準的な範囲です。
出力インピーダンス150Ω・感度-55dBV/Pa — SM58は300Ω・-56.0dBV/Pa(1.6mV)です。数値上はPGA58の方がわずかに出力が高い計算になりますが、この差は使用感に影響するほど大きくありません。オーディオインターフェイス側のゲインで吸収できる範囲です。
重量294g — SM58(0.33kg)よりやや軽く、BETA 58A(278g)とはほぼ同等です。長時間の手持ち使用でも大きな負担にはなりません。
価格は PGA58-LC(ケーブルなし)のものです。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥10,780 | 2026.09.03 取得時点の実売価格(PGA58-LC・ケーブルなし) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 0042406753531(PGA58-LC)での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「SHURE PGA58」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。ケーブル付きSKU(-XLR / -QTR)は上記より価格が上がります。購入前に、表のボタンから型番と最新価格を必ずご確認ください。
PGA58が唯一の正解ではありません。用途と予算で答えが変わります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| SHURE SM58 | ¥15,950最安 | 実績と情報量を優先したい人。詳しくは単体レビュー |
| SHURE BETA 58A | ¥25,080 | ハウリングに強く出力の高い上位機が欲しい人。詳しくは単体レビュー |
| SHURE SM7B | ¥60,940 | 配信・ポッドキャストで音質を最優先し、ゲインに余裕のある機材を持っている人。詳しくは単体レビュー |
(SM58は2026.08.25、BETA 58Aは2026.08.27、SM7Bは2026.08.27時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は予算と用途です。とにかく価格を抑えたいならPGA58、実績重視で長く使うならSM58、ハウリングに悩む現場ならBETA 58A、配信の音質を突き詰めたいならSM7Bという並びになります。PGA58とSM58の価格差は5千円程度で、この差が「PG ALTAというエントリーシリーズ」と「定番シリーズ」の差にあたります。
海外フォーラムでのPGA58への評価は、価格を考えれば十分という声が中心です。Gearspaceのスレッドでは、SM58と横に並べて比較した投稿者が、音の傾向は非常に近いとしつつ、PGA58の方が開放的でナチュラルな鳴り方をすると評価しています。一方で同じ投稿では、ハンドリングノイズ(マイクを握る手の動きが音に混入する現象)がSM58より目立つという指摘もあります。
homerecording.comのフォーラムでは、宅録の予算重視ユーザー向けの質問への回答として、PGA58は悪くない選択肢としながらも、SM58ほどの実績や情報量はないという温度感でまとめられています。別のGearspaceスレッドでは、周波数特性のグラフを根拠にSM58やSM57より中域の張り出しが弱く、出力レベルもやや低めだという分析があり、オーディオインターフェイス側のゲインに余裕がない組み合わせでは音量不足を感じる可能性が指摘されています。
総じて、音質自体への否定的な評価は少なく、価格なりに十分という評価が主流です。不満点として繰り返し挙がるのは、ハンドリングノイズとゲインの余裕の2点です。ゲインの少ないオーディオインターフェイスと組み合わせる場合は、この点を踏まえておくと購入後の印象のずれを防げます。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は表に記載しています。
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