小型のポータブルレコーダーは内蔵マイクだけで完結する機種が大半ですが、LS-P5は操作性に力を入れている点が特徴です。理由は3つあります。
1. TRESMIC IIという3マイク構成で、指向性を21段階に調整できる。 正面に集中させる設定から左右180度に開く設定まで、収録対象との距離や周囲の音の使い方に応じて切り替えられます。
2. SMARTモードがリハーサルから適正な録音レベルを自動設定する。 本番前にその場の音でリハーサルをするだけで、録音環境や音源に合ったレベルを決めてくれます。
3. 専用アプリDVR.Remoteで、置いた本体をスマホから操作できる。 録音の開始・停止に加え、録音中の録音レベル調整や、指向性のスライダー調整までスマホから行えます。本体を音源にとって最適な位置に置いたまま、操作を手元で完結できます。
比較の軸を先に決めます。
LS-P5は1つ目を強く満たし、2つ目と3つ目は満たさない機種です。XLR入力と32bitフロートは要らないと判断できる人に向きます。
すべてOM SYSTEM公式サイトの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記録形式 | リニアPCM形式/FLAC形式/MP3形式 |
| サンプリング周波数・bit数 | 96.0/88.2/48.0/44.1kHz 24bit、48.0/44.1kHz 16bit、MP3は320/128/64kbps |
| 内蔵メモリ・外部メディア | 内蔵型NAND FLASHメモリ16GB・microSDXCカード対応 |
| マイク方式 | TRESMIC II(大型高性能指向性マイク×3、ズームマイク機能で指向性を21段階に調整) |
| マイク最大入力音圧 | 125dB SPL |
| 入出力端子 | マイクジャック3.5mm(2.2kΩ)、ライン入力3.5mm(10kΩ)、イヤホンジャック3.5mm、スピーカー内蔵 |
| Bluetooth | Ver 5.0(Class1、A2DP/AVRCP対応、専用アプリDVR.Remote) |
| 電源 | 単4形乾電池2本、またはニッケル水素充電池2本。USB接続ACアダプタ(DC5V)からの外部給電にも対応 |
| 電池持続時間(録音時) | リニアPCM 96kHz/24bitでアルカリ乾電池約25時間・ニッケル水素充電池約15時間(内蔵マイク・内蔵メモリ使用時) |
| サイズ・重量 | 112.2×39.6×16.1mm・78g(電池含む) |
| 32bitフロート対応 | 非対応 |
数字が意味するところを訳します。
マイク最大入力音圧125dB SPL — 内蔵マイクが歪まずに拾える音量の上限です。公式は、飛行機やライブハウスの大音量、クラシックのようにダイナミックレンジの広い音源を例に挙げています。
ズームマイク21段階 — 3つのマイクの入力をミキシングして指向性を変える機能です。音源との距離や周囲の音をどこまで入れるかでマイクを使い分けていた場面を、この1台で済ませられます。ズームに合わせて録音レベルも自動で調整されます。
単4形乾電池2本で約25時間 — リニアPCM 96kHz/24bitで内蔵マイク録音をした場合、アルカリ乾電池で約25時間、ニッケル水素充電池で約15時間です。これは公式の試験条件での値で、プリレコーディングやBluetoothなどの機能を使うと大きく短くなると注記されています。
32bitフロート非対応。 同価格帯以下のZOOM H1essentialやTASCAM DR-05XPが32bitフロートに対応している一方、LS-P5はSMARTモードによる録音前の自動レベル設定という別の方式でレベル調整の失敗を減らす設計です。録音後にレベルをやり直す安心感より、録音前にちょうどいいレベルを自動で決める方向を選んだ機種と理解すると選びやすくなります。
SMARTモード。 本番前にリハーサルを行い、その音をモニタリングした結果から、その場の録音環境や音源に合った録音レベルを自動で設定します。公式は音楽やビデオの音声収録向けの機能と位置づけています。
ブライトサウンド。 中高域を持ち上げて記録するモードで、会議や講演など人の声をクリアに録りたい場面向けです。
ボイスチェイサーと2マイクノイズキャンセル。 ボイスチェイサーは、部屋の広さや発言者の人数で変わる音量に録音レベルを自動で追従させます。2マイクノイズキャンセルは、周囲が騒がしい環境でも声をクリアに記録するための機能です。いずれも会議・口述シーンに向けた機能です。
プリレコーディング。 録音ボタンを押す2秒前から記録を開始する機能です。鳥の鳴き声や会議の発言など、タイミングを逃しやすい対象に向いています(FLAC形式では使えません)。
Bluetoothアプリでの遠隔操作。 専用アプリDVR.Remoteから、録音の開始・停止、録音中のレベル調整とレベルメーターの確認、指向性の調整、フォルダ名・ファイル名の編集までを本体に触れずに操作できます。Bluetoothイヤホンでの録音モニターにも対応しますが、24bit録音時はBluetoothでの録音モニターが使えません。24bitで録りながらワイヤレスで音を確認したい場合は、有線のイヤホンを使うことになります。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥26,755 | 2026.09.27 取得時点の実売価格(ブラック) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 4545350053659 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | — | 取り扱いを確認できなかったため掲載していません | — |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
LS-P5が唯一の正解ではありません。32bitフロートの有無を含め、目的が違えば答えも変わります。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| TASCAM DR-05XP | ¥18,000 | より安く、32bitフロート対応を優先したい人 |
| ZOOM H1essential | ¥12,500最安 | さらに価格を抑えつつ32bitフロート対応を確保したい人。指向性の調整は不要な人 |
| Roland R-07 | ¥27,500 | ほぼ同価格でBluetoothのスマホ連携を比較したい人 |
(価格はいずれも2026.09.27時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は単純です。32bitフロートの安心感を最優先するならDR-05XPかH1essential、価格を最優先するならH1essential、指向性の調整やスマホからの遠隔操作を優先するならLS-P5、という並びになります。
英国Sound on Soundは、前モデルLS-P4からの主な変更点であるTRESMIC IIマイクシステムを高く評価しています。中央マイクが無指向性から指向性に変わったことで、ズームマイクの調整幅がより狭い設定まで使えるようになった点や、クリーンで詳細な音質、改良された遠隔操作アプリを長所として挙げ、明確な欠点は挙げていません。ただし本文では、USB接続中はアプリも本体メニューも操作できなくなる点や、Bluetoothの初回ペアリングがやや手間取る点への言及があります。
英国Amateur Photographerのレビューも音質を高く評価し、5点満点中4.5点としています。一方で、画面や操作メニューが古い印象であること、ウィンドスクリーンが付属せず屋外では風切り音を拾いやすいこと、充電端子がUSB-Cではなく旧来のmicro USBであること、Bluetoothでヘッドホン監視をすると遅延(レイテンシー)が気になることの4点を不満点として挙げています。
映像制作メディアPRONEWSのレビューは、カメラに載せてバックアップ録音を兼ねる使い方を評価しつつ、純正のウィンドジャマーWJ2でも屋外の強風は防ぎきれなかったと報告しています。三脚穴がプラスチック製である点も不満として挙げています。
3つのレビューは内蔵マイクの音質を高く評価する点で一致し、屋外の風対策とBluetooth周りの使い勝手に改善の余地を指摘しています。楽天のレビューは1件・平均5.0で、判断材料にできるほどの数ではありません(2026.09.27時点)。
屋内の会議や演奏の録音が中心なら風の指摘は気になりにくく、屋外が中心なら風防の効きに限界がある前提で選ぶのが現実的です。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました(2026.09.27時点)。alternatives表の価格も同日の楽天市場での実売価格です。
評判の参照元: