BAWLOOPバウループ
オーディオIFマイクMIDIキーボードレコーダーヘッドホンモニタースピーカーソフトその他
本記事にはプロモーション(アフィリエイトリンク)が含まれます
シーケンサー・リズムマシン / REVIEW

サンプルを鳴らすのではなく、ドラムの音そのものを一から作りたい人へ|
volca sample2がサンプル再生機なら、volca drumは音を設計する物理モデリングのドラムシンセです

2026.09.12 公開 / KORG / JAN 4959112187375
サンプルを鳴らすのではなく、ドラムの音そのものを一から作りたい人へ
MODEL
volca drum
I/O
ヘッドホン出力(3.5mmステレオミニ)、SYNC IN/OUT(3.5mmモノラルミニ)、MIDI IN
実売(税込)
¥22,000
CONCLUSION
同じvolcaシリーズでも、サンプルを並べて鳴らすvolca sample2とは仕組みが根本的に違うのがvolca drumです。理由は3つです。PCMサンプル再生ではなくDSPによる物理モデリングで音を一から設計すること、ウェーブガイド・レゾネーターという固有のエフェクトで通常のドラムマシンにない響きを作れること、6パートに役割の縛りがなく自由にサウンドを割り当てられることです。ただしオーディオ出力はヘッドホン1系統のみで、USB端子もMIDI OUTもないため、パソコンとの連携やバックアップは初代volcaシリーズ同様に苦手です。

同じvolcaでも、鳴らし方の思想が違うCONCLUSION

KORGのvolcaシリーズにはサンプルを鳴らすvolca sample2がありますが、volca drumはそれとは別の発想で作られたリズムマシンです。名前も見た目も似た手のひらサイズの筐体ですが、音の作り方がまったく違います。

volca drumを選ぶ理由は3つです。

1. サンプル再生ではなく、音を一から設計する。 volca sample2はPCMサンプルを鳴らす機材ですが、volca drumはDSPによる物理モデリング(アナログモデリング)でドラム・パーカッションの音そのものを合成します。サイン波・のこぎり波・ノイズといったオシレーター波形から、太鼓やシンバルの音を組み立てていく方式です。

2. ウェーブガイド・レゾネーターという固有の響き。 物理モデリングをベースにしたエフェクトで、太鼓の胴やパイプのような筒状の響き(チューブ)、弦のようなメタリックな響き(ストリングス)を加えられます。通常のドラムマシンにはない、共鳴由来の音作りができます。

3. 6パートに役割の縛りがない。 「ここはバスドラム、ここはシンバル」といった制限がなく、6パートすべてが同じ仕様です。ドラムセットの発想にとらわれず、自由に音を組み立てられます。

一方で、オーディオ出力はヘッドホン端子1系統のみで、パートごとの個別出力はありません。USB端子もMIDI OUTも持たないため、パソコンへのバックアップやライブラリアンソフトでの管理はできず、キットやパターンを一杯にしたら上書きしながら使う前提になります。sample2にあったUSB転送の便利さを期待すると、ここで方向性の違いに気づきます。

sample2ではなくdrumを選ぶ基準CRITERIA

比較の軸は3つです。

  • サンプルを並べたいのか、音そのものを設計したいのか。 好きな音源を持ち込んで並べたいならsample2、ゼロから音を作り込みたいならdrumです。
  • 個々のパートを別々に出力したいか。 drumのオーディオ出力はヘッドホン1系統のみで、パートごとにミキサーへ立ち上げることはできません。
  • パソコンとの連携・バックアップが必要か。 drumにはUSB端子もMIDI OUTもありません。作ったキットやパターンをパソコンに保存する手段がなく、本体の16スロットの中だけで完結させる使い方が前提になります。

音を一から設計したい、かつ本体だけで完結させることに抵抗がないなら、volca drumが候補になります。

スペックの要点SPEC

KORG公式ページの記載に基づく数値です。

項目内容
シンセ方式デジタル・シンセ音源(DSPによるアナログ・モデリング)
最大同時発音数6
構成パート×6(各2オシレーター、ピッチ・モジュレーター、アンプEG)+ウェーブガイド・レゾネーター・エフェクター
キット数16(1〜10は工場出荷時プリセット)
プログラム数16(シーケンス・パターン、モーション・シーケンス、キット番号。1〜10はプリセット)
シーケンサー16ステップ×16パターン(パターン・チェイン可能、最大256ステップ)
オーディオ出力ヘッドホン(3.5mmステレオミニ)のみ
シンク端子SYNC IN(3.5mmモノラルミニ、最大入力20V)、SYNC OUT(3.5mmモノラルミニ、出力5V)
MIDIIN のみ(OUTなし)
電源単3形アルカリ/ニッケル水素電池×6本(駆動時間約8時間)、別売ACアダプターKA-350
付属品シンク・ケーブル
外形寸法193(W)×115(D)×39mm(ツマミ高さ含む)
質量370g(電池含まず)

発音数6・パート×6・2レイヤー — 6パートすべてが同じ仕様で、役割の固定がありません。各パートは2つのレイヤーを個別に、あるいは同時に編集できるため、2つの音を重ねて厚みを作ることもできます。

ウェーブガイド・レゾネーター — チューブ(筒状の響き)とストリングス(弦のような響き)の2タイプから選び、DECAY(減衰量)・BODY(音のキャラクター)・TUNE(ピッチ)の3つのツマミで調整します。TUNEを小さくするとディレイのような振る舞いになる、と公式ページで説明されています。

電源は単3形電池×6本・駆動時間約8時間 — sample2(約10時間)よりやや短めです。ACアダプターKA-350は別売のため、家で据え置きで使う場合は別途用意が必要です。

オーディオ出力がヘッドホンのみ・USBなし・MIDI OUTなし — sample2にあったmicro-B USB端子はdrumにはありません。パソコンへのサンプル転送やライブラリアン管理という発想自体がなく、本体単体で音作りから演奏までを完結させる機材だと理解しておく必要があります。

ウェーブガイド・レゾネーターが実際にやっていることFEATURES

ウェーブガイド・レゾネーター。 エフェクト部にはグローバルセンドエフェクトとして物理モデリングのレゾネーターがあり、太鼓の胴やパイプのような響き(チューブ)、弦のような響き(ストリングス)を加えます。単なる残響ではなく、音程やピッチを持った共鳴を作れるため、疑似リバーブのような使い方から、明確な音程を持つパーカッシブな音作りまで幅広く対応します。

モーション・シーケンス。 ツマミの操作をリアルタイムで記録し、再生時に再現する機能です。公式ページによれば最大69種類のパラメーターを記録できます。単純にパターンを鳴らすだけでなく、音色の変化そのものをシーケンスに組み込めます。

チョーク機能・スライス機能。 チョーク機能は、ハイハットのクローズ/オープンのように複数パートのうち片方だけを発音させたい場合に使う機能です。スライス機能はステップを細かく分割してドラムロールのような再生を作れます。どちらもパターンに人力では作りにくい変化を加えるための機能です。

これらの機能に共通するのは、決まった音をただ並べるのではなく、音そのものと鳴らし方の両方をパターンに組み込めるという点です。

どこで買うかPRICE

volca drumにはACアダプターKA-350同梱のセット品もありますが、ACアダプターは本来別売の付属品です。ここでは本体単体の価格のみを掲載しています。

ストア税込状況購入
楽天市場¥22,0002026.09.12 取得時点の実売価格(マークスミュージック。複数店舗で同水準の価格が確認できています)楽天市場で見る
Amazonリンク先で確認JAN 4959112187375 での検索結果を開きますAmazonで見る
サウンドハウスリンク先で確認「KORG volca drum」での検索結果を開きますサウンドハウスで見る

価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。ACアダプターKA-350は本体に付属しないため、家で据え置きで使う場合は別途購入をおすすめします。

同価格帯・近い用途の3台と比べるALTERNATIVES

volca drumが唯一の正解ではありません。同じvolcaシリーズの中でも音源方式が違えば答えが変わりますし、他社の選択肢もあります。

機種税込向いている人
KORG volca beats¥22,000物理モデリングより、往年のアナログ回路そのもののドラム音を優先したい人
Teenage Engineering PO-33 K.O!¥18,700最安内蔵マイクでその場からサンプリングしたい人。本体のみで録音が完結する
Arturia DrumBrute Impact¥47,520ノブ1つに機能1つの物理コントロールで、本格的なアナログドラムマシンに進みたい人

(価格はいずれも2026.09.12時点の楽天市場での実売価格)

分かれ目は「音をどう作るか」です。往年のアナログ回路のドラム音そのものを求めるならvolca beats、その場でのサンプリングを重視するならPO-33、物理コントロールの多いアナログドラムマシンに進みたいならDrumBrute Impact、そして物理モデリングで独自の音を設計したいならvolca drumという並びになります。

使った人は何と言っているかREPUTATION

volca drumは、サウンドデザインの自由度を評価する声が目立つ機種です。MusicRadarのレビューは、各パートが2つの独立したレイヤーを持つ音源構成について「従来のvolcaのビートメーカーより著しく深く興味深い」と評価し、目玉であるウェーブガイド・レゾネーターについても「素晴らしい響きで、奇妙な疑似リバーブから音程を持ったトーンスタブ、螺旋状に減衰する音まで」幅広い結果が得られるとしています。Gearspaceの長期スレッドでも、「表面はシンプルながら内部に大きな力を持つ、コルグらしい機種」「ドラムの枠を超えて幅広く使える」といった好意的な投稿が複数見られます。

一方で不満点も繰り返し挙げられています。MusicRadarはオーディオ出力がヘッドホン1系統のみである点を「やや制限的」とし、Gearspaceでも同様に「単一出力・16パターン/16キット・MIDI OUTがないためSysExでの保存もできない」という制約が具体的に指摘されています。キットやパターンのインポート/エクスポートができず、埋まったら上書きして使うしかない点も、sample2のUSB転送に慣れた人には不便に映る可能性があります。ランダマイズ機能の強度を調整できない点も、細かい制御を求めるユーザーからは物足りないという声があります。

実務的には、音作りそのものを楽しみたい人には評価が高く、パソコンとの連携やバックアップのしやすさを重視する人にとっては制約が目立つ機種だと言えます。

買わなくていい人DO NOT BUY IF

  • 好きなサンプル音源を持ち込んで並べたい人。 volca drumはPCMサンプル再生機ではありません。手持ちの音源を鳴らしたいなら、同じvolcaシリーズのsample2のほうが向いています。
  • パートごとに別々の出力へ立ち上げたい人。 オーディオ出力はヘッドホン1系統のみです。ミキサーで個別にEQやエフェクトをかけたい用途には向きません。
  • パソコンでのバックアップ・ライブラリアン管理を前提にしたい人。 USB端子もMIDI OUTもないため、作ったキットやパターンをパソコンに保存する手段がありません。16個のスロットの中で上書きしながら使う運用に抵抗があるなら、別の機種を検討してください。

次に読むNEXT

スペックの出典SOURCES

  • KORG公式 volca drum製品ページ https://www.korg.com/jp/products/dj/volca_drum/
  • KORG公式 volca drumスペックページ https://www.korg.com/jp/products/dj/volca_drum/specifications.php

価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は各表に記載しています。

評判の参照元:

  • MusicRadar「Korg Volca Drum review」 https://www.musicradar.com/reviews/korg-volca-drum
  • Gearspace「New Korg Volca Drum...discuss.」 https://gearspace.com/threads/new-korg-volca-drum-discuss.1245933/
  • Gearspace「Korg Volca Drum output level」 https://gearspace.com/threads/korg-volca-drum-output-level.1292221/

この機材を検討している人へ

その他の記事一覧へ