ドラム音源に何を求めるかは、人によって順番が違います。パターンを組み立てる過程を助けてほしい人もいれば、パターンはもう頭の中にあって、あとは音そのものを仕上げたい人もいます。XLN Audio Addictive Drums 2は後者、つまり「鳴らした瞬間からミックスに近い音が出ること」に軸足を置いたドラム音源です。
選ばれる理由は3つです。
1. 開いてすぐ、仕上がった音が鳴る。 スタジオで収録されたマルチサンプリングのドラムキットに、数百のミックス完成プリセットが用意されています。ゼロから音を作り込まなくても、狙った方向性のプリセットを選ぶところから始められます。
2. キットピース単位で音を組み替えられる。 キック・スネア・ハイハットといったパーツを、別々のキットから自由に組み合わせて使えます。1つのキットに縛られず、パーツごとに好みの音を選べます。
3. ミキシングツールが本体に内蔵されている。 公式に「スタジオグレードのミキシングツール内蔵」と説明されている通り、打ち込んだ後の音作りをAddictive Drums 2の中だけである程度完結させられます。
比較の軸を先に決めます。ドラム音源を選ぶときに効いてくる条件は3つです。
Addictive Drums 2は本体だけでなく、拡張パックの組み合わせで購入する構造になっています。公式サイトのCollectionページの記載に基づいて整理します。
| 構成 | 内容 |
|---|---|
| Addictive Drums 2 本体(エンジン) | 全Collectionに共通で含まれる |
| Custom Collection | 本体+ADpak(音源キット拡張)3種+MIDIpak(グルーヴ拡張)3種+Kitpiece Pak(キットピース拡張)3種 |
| Custom XL Collection | 本体+ADpak6種+MIDIpak6種 |
| Custom XXL Collection | 本体+ADpak10種+MIDIpak10種 |
数字だけでは分かりにくい項目を訳します。
ADpak(音源キット拡張) — ジャンルや質感の異なるドラムキットの追加パックです。Custom Collectionでは、この中から好きな3種類を選んで購入します。ジャンルごとに音の方向性を変えたい場合、ここで揃えることになります。
MIDIpak(グルーヴ拡張) — 打ち込み済みのビート・グルーブのパックです。パターンをゼロから打ち込む代わりに、近いフィーリングのグルーブを読み込んで手を加える使い方ができます。
動作環境 — macOS 10.13以降(64bit、Intel/Apple Silicon対応)、Windows 10/11(64bit)で、いずれもインストール時にインターネット接続が必要です。メモリーは最小2GB、推奨4GB。VST/VST3/AU/AAX(すべて64bit)のプラグイン形式とスタンドアロンの両方で使えます。Ableton Live 10以降、Logic Pro 10以降、Cubase 10以降、FL Studio 20以降など主要DAWでの動作が公式に案内されています。
公式サイトの説明に基づいて、Addictive Drums 2が具体的に何をしてくれるのかを見ます。
マルチサンプリングされたキット。 著名スタジオでプロのセッションドラマーが演奏したドラムを、複数の強弱・打点でサンプリングしています。同じ音を単純にループ再生するのではなく、強く叩いたときと弱く叩いたときの音の違いまで再現する仕組みです。
キットピースの自由な組み合わせ。 公式に「キットピースの自由な組み合わせ」と説明されている通り、キックは硬めの質感、スネアは別のキットの抜けの良いもの、といった組み方ができます。1つのADpakを丸ごと使うか、パーツ単位で混ぜるかを選べます。
電子ドラムのプラグ&プレイ対応。 E-drums(電子ドラム)を直接つないでそのまま演奏できる対応も明記されています。打ち込みだけでなく、電子ドラムでの演奏用音源としても使える設計です。
BAWLOOPでは以前にToontrack EZdrummer 3を紹介しています。同じ「打ち込みを助けるドラム音源」ですが、力点が異なります。
EZdrummer 3は、Song Creatorで1つのグルーブを曲全体のドラムトラックへ発展させたり、Tap2Findでタップしたリズムに近いグルーブを探し出したりと、パターンを組み立てる工程を助ける機能に寄せた設計です。標準の7キットも、打ち込みやすさを軸に選ばれています。
Addictive Drums 2は、キットを開いた時点でミックスに近い音が鳴っている状態を作り、キットピース単位で音を組み替えられる音を仕上げる工程に寄せた設計です。パターンはすでに決まっていて、音の質感を追い込みたい場面で強みが出ます。
曲の展開そのものに悩んでいるならEZdrummer 3、パターンは固まっていて音作りに時間を使いたいならAddictive Drums 2、という分け方が実務的です。
楽天市場の価格は「Custom Collection」(本体+ADpak3種+MIDIpak3種)のものです。上位構成のCustom XL・Custom XXLは別価格になります。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥12,695 | Custom Collection・2026.09.07までの期間限定特価(2026.09.01取得) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | ダウンロード納品のためJANが無く、製品名検索の結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「XLN Audio Addictive Drums 2」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
楽天市場の価格は2026.09.07までの期間限定特価として表示されているものです。期限を過ぎると通常価格に戻る可能性があるため、購入前に表のボタンから最新の価格を確認してください。
ドラム音源は「何を助けてほしいか」で選ぶ機種が変わります。
| 製品 | 位置づけ | 向いている人 |
|---|---|---|
| Toontrack EZdrummer 3 | パターンを組み立てる工程を助ける音源 | 曲の展開そのものに悩んでいる人 |
| Addictive Drums 2 Custom XL Collection | Custom Collectionの上位構成(ADpak・MIDIpak各6種) | 最初から複数ジャンルのキットを揃えたい人 |
| XLN Audio Addictive Keys | 同じXLN Audio製のピアノ/キーボード音源 | ドラムと合わせて鍵盤音源も同じ操作感で揃えたい人 |
パターンを作る過程から助けてほしいならEZdrummer 3、Addictive Drums 2をジャンル違いで最初から複数揃えたいならCustom XL、ドラム以外の音源も含めて揃えたいならAddictive Keys、という並びになります。
海外のGearspaceフォーラムでは、Addictive Drums 2は「開いてすぐ実用的な音が鳴る」という評価が繰り返し語られています。特にインディー・ロックやオルタナティブ系の質感に強く、付属のIndieやFairfax系のADpakを個性の面で高く評価する投稿が目立ちます。必要なキットピースだけを個別に買い足せる購入構造も、無駄なく揃えられる点として好意的に語られています。
一方で不満点としては、シンバルの音が耳につきやすく、ルームの響きを調整できる幅が限られているという指摘が複数あります。インターフェースの見た目や操作感が好みに合わないという声もあり、キック・スネア・ハイハット・シンバルの質感を曲に合わせて作り込むには結局そこそこの調整が必要だという意見も見られます。EZdrummer 3との比較スレッドでは、Addictive Drums 2のほうが音が硬く機械的に聞こえるという指摘がある一方、それをミックスのしやすさとして評価する意見も両方存在しており、好みが分かれる部分だという扱いです。
楽天のレビュー傾向は情報が薄く、この記事では参照していません。
実務的には、シンバル周りの質感だけ気になった場合は、購入前に試聴音源でシンバルの鳴りを重点的に確認しておくと期待値のズレが起きにくくなります。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は表に記載しています。
評判の参照元: