25鍵の小型MIDIコントローラーを使い込んでくると、次に欲しくなるものは人によって分かれます。鍵盤の広さ、パッドの表現力、そして外部機材との接続。AKAI Professional MPK Mini Plusは、このうち「外部機材との接続」まで踏み込んだ機種です。
理由は3つです。
1. CV/Gate出力で、パソコンなしでも外部シンセを操作できる。 背面にPitch・Gate・Modの3つのCV出力(3.5mm)があり、Mod端子はモジュレーションとベロシティのどちらを出すか選べます。CVクロックの入出力も別に備えています。CV入力を持つモジュラーシンセやアナログシンセを、MIDI-CV変換器なしに直接鳴らせます。
2. 本体だけで動くシーケンサーを内蔵している。 ドラムと鍵盤のフレーズを最大64ステップで組め、1ステップに最大8音まで置けます。パソコンを立ち上げる前にアイデアを形にできます。アルペジエーターも別に備えており、鍵盤を押さえるだけで分散和音を自動再生します。
3. 専用ホイール2本に加えて、ジョイスティックも持っている。 ピッチベンドとモジュレーションは専用ホイールで操作でき、さらにX-Yコントローラー(4方向のジョイスティック)でピッチベンドや任意のMIDI CCを送れます。小型機にありがちな「操作子が足りない」という不満が出にくい構成です。
比較の軸をここで固定します。
この3つに当てはまるほど、MPK Mini Plusが候補として残ります。
AKAI Professional公式ユーザーガイド(v1.2)の記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 鍵盤 | 37鍵・ベロシティ対応ミニ鍵盤 |
| パッド | 8個・ベロシティ対応・2バンク(パッドアフタータッチの設定項目あり) |
| ノブ | 8個・360°回転のアサイン可能ノブ |
| ホイール | ピッチベンド・モジュレーションの専用ホイール |
| ジョイスティック | X-Yコントローラー(4方向・ピッチベンドまたはMIDI CCを送信) |
| トランスポート | 巻き戻し・早送り・停止・再生・録音の専用ボタン |
| シーケンサー | ドラム/鍵盤のライブシーケンス・最大64ステップ(1ステップ最大8音)。アルペジエーター別途搭載 |
| 接続端子 | USB Type-B、MIDI IN/OUT(5ピン)、CV出力×3(Pitch/Gate/Mod、3.5mm TS)、CVクロック入出力×2、サステインペダル入力 |
| 電源 | USBバスパワー、またはUSB電源アダプター経由 |
| 付属品 | USBケーブル、クイックスタートガイド、ソフトウェアダウンロードカード |
| サイズ | 451.1×180×52mm |
| 重量 | 1.26kg |
数字が示す意味を補足します。
CV出力×3とCVクロック入出力 — シンセサイザーの世界には、MIDIより古いCV(Control Voltage)という電圧で音程や発音を制御する規格があります。モジュラーシンセの多くはこの規格で動くため、USB-MIDIしか持たないコントローラーからは直接操作できません。本機は音程(Pitch)・発音の長さ(Gate)・モジュレーションかベロシティ(Mod)の3系統を出力でき、クロック入力で外部機材のテンポに合わせることもできます。モジュラー機材の操作口としてそのまま使えます。
シーケンサー+アルペジエーター — シーケンサーはドラムと鍵盤のフレーズを最大64ステップで組める簡易的な作曲ツールです。アルペジエーターは鍵盤を押さえるだけで分散和音を自動再生する機能で、両者は別物として両方搭載されています。パソコンを開く前に、思いついたパターンをその場で試せます。
専用ホイール×2+ジョイスティック — ピッチベンドとモジュレーションを専用ホイールで扱いながら、X-Yコントローラーにも別の役割を持たせられるのが本機の操作系の特徴です。ジョイスティックはピッチベンドのほか任意のMIDI CCを割り当てられるため、フィルターなどの操作をもう1つ手元に置けます。
重量1.26kg — 37鍵まで広げてもこの重さに収まっています。ノートパソコンと一緒に持ち歩ける範囲です。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥21,480 | 2026.09.15 取得時点の実売価格 | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 0694318025802 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「AKAI Professional MPK Mini Plus」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
価格は日々動きます。購入前に、表のボタンから最新の価格をご確認ください。
MPK Mini Plusが唯一の正解ではありません。同価格帯には方向性の違う機種が並びます。
| 機種 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| AKAI Professional MPK Mini IV | ¥16,799 | CV/Gateは不要で、25鍵で足りる人 |
| Novation Launchkey Mini 37 Mk4 White | ¥20,284 | Ableton Liveなど特定DAWとの連携の深さを優先したい人 |
| Arturia MiniLab 3 | ¥12,800最安 | 鍵盤は25鍵で足りて、付属ソフトの量を重視したい人 |
(AKAI MPK Mini IVは2026.08.25、Launchkey Mini 37 Mk4 Whiteは2026.08.31、MiniLab 3は2026.08.25時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は「外部ハードとの接続まで欲しいか」です。CV/Gateが不要ならMPK Mini IVのほうが安く済みますし、特定DAWとの連携を突き詰めたいならLaunchkey Mini 37 Mk4、付属ソフトの量で選ぶならMiniLab 3という並びになります。鍵盤を37まで伸ばし、かつモジュラー機材まで見据えるならMPK Mini Plusが候補として残ります。
MPK Mini Plusのレビューで一致して評価されているのが接続性です。MusicTechのレビューは、5ピンMIDI入出力とCV/Gate出力によってハードウェアシンセやモジュラー機材までパソコンなしで扱える点を高く評価し、37鍵のミニ鍵盤の弾き心地も小型キーの中では上位だと評しています。Audiowordsのレビュアー総括でも、3オクターブの鍵盤・実物のピッチ/モジュレーションホイール・8パッド・内蔵シーケンサーの組み合わせは同価格帯で他に見当たらないという評価で一致しています。
不満点としてはジョイスティックの脆さが複数レビューで挙げられており、輸送中の扱いに注意が必要という指摘があります。またAKAI MPCフォーラムやReasonTalkのフォーラムでは、本機のトランスポートボタンが一般的なMMCコマンドではなく通常のMIDI CCメッセージを送る仕様のため、スタンドアロンMPC機や一部のDAWでは手動のマッピング設定が必要になるという報告が目立ちます。鍵盤自体もミニ鍵盤でアフタータッチがなく、しっかりした演奏感を求める層には不向きという声もあります。
実務的には、DAW側でのトランスポート連携を前提にするなら初回に手動マッピングの手間を見込んでおくと、使い始めの印象で損をしません。
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評判の参照元: