ミックスやマスタリングの現場で長く使われ続けているプラグインの1つが、Sonnox Oxford Inflatorです。選ばれる理由は機能の多さではなく、逆にシンプルさにあります。
1. パラメータが2つしかないこと。 Effect(効果の量)とCurve(倍音の質感)の2ノブで完結します。多機能なマルチバンド系のプラグインと違い、触る場所で迷いません。
2. ピークを潰さずに音圧感を上げられること。 リミッターのように音の頭を削って音量を上げるのではなく、倍音を足すことで聴感上の存在感を持ち上げます。ダイナミクスを大きく損なわずに音を前に出したいときに使われます。
3. 主要フォーマットに幅広く対応すること。 AAX Native・AU・VST3に対応しており、Pro Tools・Logic・Cubase・Studio Oneのいずれでも使えます。
ただし、この製品は同じNative版でも販売価格の幅が非常に大きいという注意点があります。詳しくは「どこで買うか」で説明します。
音圧感を上げる系のプラグインは選択肢が多いため、比較軸を先に決めます。
Sonnox公式製品ページに記載の内容です(Native版)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応フォーマット | AAX Native(Pro Tools 11以降)/AU/VST3 |
| 対応OS | macOS 10.13以降/Windows 10(64bit)以降 |
| 対応サンプルレート | 176.4kHz/192kHzまで対応 |
| コピープロテクト | iLokアカウント認証。1ライセンスにつき同時2アクティベーションまで(ローカルマシン/iLok USB/iLok Cloudのいずれか) |
| 主要パラメータ | Effect(効果の量)・Curve(倍音の質感)の2ノブ |
数字だけでは伝わらない部分を補足します。
Effect・Curveの2ノブ構成 — 多くの音圧系プラグインが搭載する帯域分割やゲインリダクション表示を、Inflatorは持ちません。Effectで効果の強さを、Curveで足す倍音の質感を決めるだけです。操作を単純化した分、細かい帯域別の作り込みには向きません。
iLokアカウント認証 — USBドングルがなくても、iLok Cloudでの認証だけで起動できます。ただし初回セットアップにiLokアカウントの作成が必要で、この手順自体を面倒に感じる人もいます。
対応フォーマットの広さ — AAX・AU・VST3のすべてに対応しているため、DAWを乗り換えても買い直しになりにくい製品です。
| ストア | 税込 | 状況 | 購入 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場 | ¥6,080 | 2026.09.04時点、在庫限りの特価。通常価格帯は¥26,180(下記参照) | 楽天市場で見る |
| Amazon | リンク先で確認 | JAN 4533940014821 での検索結果を開きます | Amazonで見る |
| サウンドハウス | リンク先で確認 | 「Sonnox Oxford Inflator」での検索結果を開きます | サウンドハウスで見る |
正直に書きます。表の楽天リンクは、2026.09.04時点で最安だった1店舗の¥6,080(在庫限りの特価)に接続しています。同じダウンロード版のOxford Inflator Nativeは、他の複数の販売店でも並行して販売されており、そちらは¥26,180という価格帯です。販売店の数から見て、¥26,180のほうが市場の標準的な価格帯と考えられます。
¥6,080は在庫限りの特価であり、いつまで有効かは分かりません。この記事を読んでいる時点で、価格が¥26,180に戻っている可能性は十分にあります。購入前に、表のリンク先で実際の価格を必ず確認してください。
Inflatorが唯一の正解ではありません。
| 製品 | 税込 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Waves Vitamin | ¥5,280最安 | まず安く試したい人。マルチバンドのエキサイター系で音作りの自由度が高い |
| Softube Harmonics Analog Saturation Processor | ¥23,540 | アナログ卓やテープの質感に寄せたい人 |
| FabFilter Saturn 2 | ¥25,850 | 帯域ごとに飽和感とダイナミクスを作り込みたい人 |
(価格はいずれも2026.09.04時点の楽天市場での実売価格)
分かれ目は単純です。とにかく安く試したいならWaves Vitamin、アナログ的な質感を狙うならSoftube、帯域別に細かく作り込みたいならSaturn 2。操作の単純さと結果の分かりやすさを優先するなら、Inflatorという並びになります。
英語圏のレビューでは「なぜ効くのか説明しにくいが、確実に効く」という評価が繰り返されています。Produce Like A Proのレビューでは、音圧感を増しても耳に痛くなりにくいこと、リミッターのようにピークを潰さないまま存在感が出せることが評価されています。KVR AudioやGearspaceのユーザーレビューでも高評価が目立ちます。
一方で複数のレビューが指摘する共通の弱点が「使いすぎ」です。効果が心地よいために、少しずつ足すだけで十分な場面でもつい強くかけてしまうという声があり、かけすぎると音が硬く聞こえたり、ダイナミクスの幅が失われたりするという指摘も見られます。Gearspaceのユーザーレビューでも、効果自体への評価は高い一方で、常用よりも仕上げの一手として少量使うことを勧める内容が目立ちます。
測定上のラウドネス上昇と、主観的な「音圧感」の印象が一致しない場合があるという指摘もあり、RMSやLUFSといった数値だけでは効果を判断しにくいプラグインだという扱いです。実務的には、Effectのノブを控えめから始めて、耳で変化を確認しながら足していく使い方が向いています。
価格は楽天市場の商品検索から取得しました。取得日は表に記載しています。
評判の参照元: